負の「不倫スパイラル」。抜け出せる人とドツボにハマっていく人、どこが違うのでしょう?
「20代前半には一緒に不倫の恋を語り合っていた友人が、30代を迎える頃には子どもを抱えて生活感むき出しだけど幸せそう。一方、私は何も変わらずトシをとっただけ」なんて話も聞きますが…。
不倫にハマってしまう理由は?
そもそも、不倫の部屋のドアを開けて中に入ってしまうのは、なぜでしょう?心理学的には、次のような理由があるそうです。
1.本音と建て前の狭間…不倫という谷
仕事で大きな責任を負っている、きちんとしていなければならない立場にある。そんな中で表向きの自分を作り過ぎていると、苦しくなります。そして人間の心理は、そのストレスから逃れようとするときに、一般的にはタブーとされているものに目が向く傾向にあるのだそう。
本音と建て前に大きな差ができるほど、その狭間にあるタブー、不倫という谷が深くなって、そこに落ちていくのかもしれません。
2.親との関係にも原因が…
心理学的には、不倫をする人、特に繰り返す人は、親との関係に原因がある場合も少なくないそうです。
特に多いのが、異性の親との関係。女性なら、父親との関係ですね。父親が忙しかったり厳格すぎたりして、思い切り甘えられなかった…。
そんな親の愛情不足を感じると、大人になっても無意識のうちに引きずってしまう。それで、恋愛で「お父さんの代わりを」という選び方をする。これまた、無意識のうちに…。
でも、もちろん相手は本物の父親ではないので、根源的な解決にはならずに次々と不倫を繰り返してしまう。
それから、同性の親が完璧だったり反対にだらしなかったりしても、自分自身を女性として高く評価できなくなるのだそうです。女性の場合は、「母としてやっていく自信はない」と思いこんで、先のことを考えられずに不倫に走ることもあるのだとか。
抜け出せた人、抜け出せない人…
どんな理由があるにせよ、不倫を選ぶのも、そこから抜け出すのも続けるのも、自分の選択。抜け出した人、ドツボにハマった人、それぞれの声を聞いてみました。
≫抜け出した人は…
「バレたらどうしようとか、彼にとって自分が存在する価値って何だろうとか。考えすぎて疲れちゃって…。影の女だから疲れるんだって自分を説得しました」(40代女性)
「やめなきゃって思ってるだけじゃ、結局やめられなくて。だって、一緒にいれば楽しいし幸せだから。でも、長い人生考えたら、今のうちにシフトチェンジしなきゃって考えました。うじうじ迷わなくていいように、地元を離れて引越しちゃいました」(30代女性)
ふたりとも、聞かせてくれたのは思い出話。20代で不倫から抜け出して、今は結婚しています。
心理学的には、本音と建て前のギャップを埋めることで不倫から抜け出せるのだそう。つまり、「本当はこうなりたい!」という自分を、自信を持っていろんな場所で出していくということですね。
≫一方、抜け出せない人は…
「いつかは、終わらせるつもりなんだけどね…」(20代女性)
「あと3年したら、いろいろ区切りがつくって。そうしたら離婚するって…。言ってるだけだろうけど(苦笑)」(30代女性)
なんとも、歯切れの悪い。
彼女たちは、心のどこかでは「いつかは終わる」と思っています。でも、心理学では、その不安が「今を楽しまなければ」と限定商品を追うような気持ちを生み出すとも言われています。
価値があるのは、不倫?自分?
結局、不倫から抜け出した人は、自己評価を高く持って「自分自身を限定商品にした」ということなのかも。一方で、抜け出せない人は、「不倫相手や不倫という恋愛が限定商品」という状態のままなのでしょう。
7000人を超える離婚相談を処理した行政書士・露木幸彦氏の著書『みんなの不倫 お値段は4493万円!?』によると、不倫の快感をお金に換算した金額は、女性が平均5339万円、男性が平均1182万円。つまり経験者は、ウン千万円の価値を不倫に感じているってこと…。
まぁ、たとえ本当にそれだけのお金を払って不倫をしたとしても、どうにかしてお金を取り戻す方法はあります。でも、時間は決して取り戻せないもの。20代・30代という自分自身の時代は、二度とやってきません。
さて、ウン千万円の価値があるのは、不倫?それとも自分?
(※2015年4月13日 11:45 公開記事)