「大人かわいい」って、いったい何なんでしょう。ファッション業界では「甘辛MIX」と同義に使用されているこの言葉。
パーソナリティに当てはめるならば、精神的にも成熟して自立した女性が、凛とした中にふと見せる、少女のままの純粋さやいたずらっぽさ…みたいな感じでしょうか。
芸能人で言うならば、永作博美さんとか、YOUさん! すごく女らしいのに、コテコテじゃない人がパッと思い浮かびますね。
誰にでも好かれるけれど、迎合しているわけじゃない。強い主張はあるけれど、イヤミじゃない。「女」を感じさせるのに、雰囲気がすごく軽やか。…そんなイメージです。
ちなみにこの「大人かわいい」、男性はどのように捉えているのでしょうか。30代の男性グループに取材してみました。
「“大人かわいい”という概念がよくわからない」
「服でもイメージでも、その人に似合ってればいいんじゃない」
というぼんやりした回答が多く、みなさん意外と関心が薄そう…でも、決して否定的なわけではないのだそうです。
彼らがよく口にする「似合っていればいい」という言葉…ここにヒントが隠されているような気がします。
では、質問をもうちょっと具体的に。「大人なのにかわいい!」と思う女性ってどんなイメージ?
「いつでも自然体で、笑顔に嘘がない人。人生楽しんでるって感じ。」
「ギャップを感じると、お!となる。雰囲気はふわっとしてるのに、どこかセクシーだったりとか」
「周りに対してちゃんと気遣いができる人。なんだかけなげさを感じてしまう」
なるほど。男性の考える「大人かわいい」人は、①自然体で ②ギャップがあって ③心が成熟している、と見てよさそう。いつまでも若々しくイキイキとした姿かたちもですが、やはり内面の充実が重視されるみたいです。
そう考えると、20代30代なんてまだまだヒヨッコよ、と思えてきますが、「大人かわいい」女になるためには、この20代からの経験が最も大切なんじゃないでしょうか。今このときに、ちゃんとしたいいものを積み上げておかないと、いい大人が無理してかわいこぶってる(←いるいる、こういう人)、という痛い結果にもなりかねません。
そこで、誰からも愛される「大人かわいい女」になるためのハウツーを、20年以上接客業に携わるラウンジのママ(40代後半)に伝授してもらいました。
女ってね、もともとみんなかわいいの。ただ、いろいろな経験をしていくうちに、心が折れたりすることってあるでしょう? そこで自分を守ろうとして、意地を張ったり自分を卑下したりして、そのかわいいらしさや素直さがどんどん目減りしてっちゃう。大人かわいい人って、どんな環境にあっても、もともとのかわいさを失ってない人なんじゃないかしら。信念みたいなもんかしらねぇ
なるほど、信念ですか! かわいい、という言葉に踊らされて、本質的なところを忘れるところでした。
自分を理解することも大切よ。まず、好きなものと似合うものは違うの。セルフイメージと、周囲に求められる自分のすりあわせができてないと。たまにいるでしょう、中身と外見がちぐはぐな人。あれはその典型ね
確かに! 前出の男性陣が言う「似合っていればいい」の答えはコレかもしれません!
そしてママが最後におっしゃった言葉が、心に突き刺さります。
やっぱり、恋をしなきゃだめよ。女が『かわいい女』でい続けるためにはね。数で勝負ってわけじゃないけど、恋愛を通じて人の心に触れる経験をたくさんするといいんじゃない? 女としても人としても、涙の分だけ学ぶべきことがあるのよ
女が『かわいい女』でい続けるために…か。日々の雑事に忙殺されて、うっかり忘れかけていたことでした。
そして、安易に「大人かわいい」って言葉を使ってましたが、年齢を重ねながらかわいさを維持していくのは、本当は結構ハードルの高いことなんじゃ…と思えてきました。
イイエ、恐れをなしている場合ではありません。いい経験もそうでない経験もまるっと肥やしにして、真のかわいさを持ったまま、大人の女性になりたいですね!
(文=石村佐和子)
(※2012年11月25日 09:00 公開記事)
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