【オレ様リーマンの非ジョーシキ恋愛入門24】
約半年間、爆速でフッたりフラれたりを繰り返した必死すぎる婚活経験を生かして、なぜか上から目線で本音の恋愛論を語ります。ちなみに普段は、どこにでもいそうなただのアラサーリーマン。
コラムのネタになるかと思い、恋愛のドラマは割と見ている。
てか、単にドラマが好きっていうのもあるんだが。
そんな中、今クールの月9ドラマ『デート〜恋とはどんなものかしら〜』には驚愕した。
オレが見たところ、深い、非常に深い内容だ…。
ただのコメディかと思い気や…
初回の前半までは、普通に面白かった。
杏演じる東大卒で優秀だが超変わり者の女性“藪下依子”と、長谷川博己演じる、ニートのくせに自分を「高等遊民」などと呼ぶ自意識過剰の“谷口巧”がいかに出会うか、という流れ。
イタい男女を超極端に描いた、ただのラブコメかと思っていた。
だが、ある場面で「これは…?」となった。
イタすぎるデートの後半、なぜかキスしようという段階でジャマが入る。
依子の父親が「変な男にだまされてるんじゃないか…」と心配して寄越した男が、突然現れたのだ。
「体目当てなんだろ!」と。
そこで巧がキレる。
「僕を買いかぶるなよ…そんなことできるわけないだろ…普通に付き合ったこともないのに」
「友人に女性と付き合えば人生が変わるって言われて…でもやっぱり駄目でした…。デートが苦痛で苦痛で仕方がない…。本当にイタいのは僕なんです…僕がイタい男なんです」
普通だったらありえない発言だ。
ところが、その言葉に共感した依子が言う。
「谷口さん、謝る必要はありません。私も同じだからです」
「私もあなたのことを好きではないのです。最初は好きだと思いました」
「はっきりわかりました。私はあなたのデータにときめいていたんだと。
1979年7月23日生まれ、181cm67kg、好きな数字ばっかり。全部”素数”なんです」
「いつもこうなんです。生身の人間には興味が持てないんです。私もイタい女なんです。
楽しいふりをしてはしゃいでいましたがやはり駄目でした。デートなんて何が楽しいのかさっぱりわからない」
そして、なぜか2人は意気投合し「結婚しましょう」となる。
こうして書き出すと意味不明でやはりコメディのようだが、オレの見方は違う。
まず、「あなたのデータにときめいていた」の部分。
これは、男を年収・学歴などの条件で判断する女性への皮肉ではなかろうか?
「全部”素数”」などとギャグにしたのは、直接的に言ったら反感を持たれそうだから。
そして、「デートが苦痛」という部分で共感して「結婚しよう」となったこと。こちらは、そういった一般には受け入れがたい価値観をわかってくれる相手こそ、条件などあまり関係なくなる、という比喩ではないか?と。
深読みしすぎと思われそうだし、オレが脚本書いてるんじゃないんだから、必ずそうだと断定なんかできるわけがない。
だが、そのように考えると、いろいろなところで辻褄が合う。
裏で伝えたいことがある!?
例えばデート中、依子が恋愛マニュアル通りに「上目使いでアヒル口」を連発するが、その顔がひどすぎて逆に巧は引いてしまっている。
ふと思い出したのだが、男向けのマニュアルで「男は車道側を歩け」というのがよくある。
それを実際デートでやられた女友だちが言っていた。
「ムリヤリ車道のほうに来ようとして、なんか変な人だった」
全くの逆効果だ。
同じように、世の中に出回ってる大半の恋愛マニュアルが「それ、時と場合と相手とあなたのキャラによるよね?」ってものばっかりだ。
「上目使いでアヒル口」が似合う女性もいれば、全く似合わない、むしろやると変になる女性もいる。
仮に似合うとしても、男が全員それを好むわけではない。
『デート~』でこの場面を連発したのは、もしかしてそういうマニュアルへの批判だったんじゃないか?
極端に描くことで笑いに変えてはいたが、裏では明確な意図があったのではないか?と。
つまりこのドラマ、一見コメディに見せかけて、世の中によくある恋愛の常識を疑い、果ては本当の恋愛がどういうものかを伝えようとしているのではないか?とオレは思う。
…というのが初回を見ての感想だったのだが、2回目、3回目を見ても、今後が全く読めない展開になっている。
いや、オレごときが解説できるレベルであってほしくもない気もするが。
まだ終わっていないのにこんなことをいうのもなんだが、これはすごいドラマになりそうな予感がする。
「婚活女子は絶対見なくてはいけないのではないか?」と妙な正義感にかられて、頼んでこの記事を書かせてもらったぐらいだ。
ってことで、少しでも興味を持った人は、ぜひ今からでも見ましょう!