学校や職場、サークルなどで、人間関係を円滑にするのに役立つのが「キャラ分け」。それぞれの個性を生かして、リーダー、補佐官、ムードメーカー、ほんわか癒し役など、おのおのが役割担当することで、グループがうまくまとまっていくものですよね。本来の自分と多少のギャップがあるのは当然にしても、外面上のキャラ、つまり自分に与えられた役割を演じるのは、割と普通のことなのではないでしょうか。
ところが、職場の異動や結婚などで新しい環境に放り込まれた場合、これまでのキャラが通用しなくなることがあります。
はからずも自らの役割が変化したとき、またはそれをきっかけに自分を変えたいとき、“キャラ替え”という手法があります。心機一転、新たに自分のキャラを構築するのか、あるいは周囲に求められたイメージがそのまま定着してしまうのか…現実には、どのように新キャラにシフトされていくのでしょうか。今回は、さまざまな理由でキャラ替えを余儀なくされた人たちのエピソードを集めてみました。
自分で言うのも変なんですが、仕事に対しては割とクールで、テキパキ・淡々と物事をこなすタイプだと思っていたんです。頑張った甲斐あって後輩の指導を任されましたが、それに伴う異動先は全体的にほんわかお花畑…もう、やりづらいったら。マイペースな後輩たちを叱咤激励しつつビシビシ指導していたら、いつの間にか「修造」というあだ名をつけられていました。おかげさまで彼らは慕ってくれていますが、何となく不本意です。(20代・メーカー)
しゅ、修造…。彼女の中に眠っていた熱い魂が目覚めたのかもしれません。この勢いで、ぜひともウィンブルドンをめざしてほしいものです。
高校のときからの友人たちの中では、私は一番子どもっぽくて甘ったれで、いわばヘタレ。勉強でも恋愛でも、つねに相談に乗ってもらう立場でした。そんな私が、どういうわけかいちばん先に結婚。結婚したからといって、友だち関係が変わるわけではない…と思っていたのですが、最近彼女たちから恋愛相談を受けることが増えてきました。これまで頼り切っていたぶん、頼られてうれしくもありますが、今までの自分を思うと偉そうなことも言えず…。(20代・主婦)
みんなより先に“結婚”という人生のステップを歩んだからこそ、頼り甲斐がにじみ出てきたのでは。その経験を生かして、今度はお友だちの力になってあげてほしいな!
学生時代、バイト先に新人のAさんが入ってきた。明るくてハキハキ物事を言う彼女だが、既に似たようなキャラのBさんが存在していた。若さゆえか、事あるごとに衝突する二人。一時はAさんが孤立気味だったが、気がつくと二人は超仲良しになっていた。何があったかは知らないが、BさんがAさんをいじり倒し、それをAさんがうまくあしらう、という流れができ、二人は漫才コンビか! ってくらい息がぴったり。いつの間にかAさんのいじられキャラは定着し、なんだかんだとみんなにかわいがられていた。(20代・飲食業)
おお、自らキャラを変えることで自分の居場所を作った好事例! その場に応じて自分を演じ分けることも、人付き合いでのテクニックとして重要なのかもしれません。
みなさんは、自分の持ちキャラはいくつくらいありますか?
特に環境の変化がなくとも、家族の前では干物女、恋人にはツンデレ、職場ではデキる女、友だちの前ではちらりとオッサンが見え隠れ…などなど、相手によって無意識のうちに意外とうまく使い分けていたりするのでは。
それぞれのシチュエーションによって立ち位置は変わるけれど、どれも本当の自分ですもの。求められるキャラをうまく使い分けて、みんなに愛されたいですね!
(文=石村佐和子)
こちらもおすすめ