おひとりさま、というと話題になるのが、行動範囲の広さや度胸のすわりっぷり。特に、ひとりご飯や単独で映画を楽しむ姿は印象的です。
「自分が観たい映画を、気が向いたときにふらっと観に行くのに慣れたら、誰かと一緒に行くのは気兼ねするし面倒。」
という友人は、先日ひとりで『アウトレイジビヨンド』を観たそう。『新しい靴を買わなくちゃ』は観にいかないの? と聞いたら、「DVD出たら観るけど、なんで?」と逆に聞かれました。目が怖かったです。
自由きままで楽しいおひとりさま生活ですが、この快適さが長く続くと困ったことが起こります。一人でも堂々と生き抜くたくましさを身につけると同時に、次の恋が遠ざかる傾向があるようなのです。冒頭の友人も、美人で仕事もできて性格もいいのに、なぜか長いこと恋人がいないクチ。そんな人はもしかしたら、このパターンにおちいっている可能性があります。
一人の時間を楽しめる、というオトナの女の余裕や行動力は、確かに素敵です。しかし、のんびりしているうちに時は刻々と流れていきます。
「今のままでも十分楽しいし、恋はご縁があればでいいかなー、なんて軽く考えているうちに数年が経過。友だちがみんな結婚して焦り始めたが、出会いがまるでない」(彼氏いない歴3年)
恋愛以外の部分を充実させてしまったばかりに、次の恋への準備が遅れてしまうパターン。おひとりさま=干物では決してないけれど、恋愛モード全開の女子に比べると、何となく色気が足りなく感じられるのは事実。女性ホルモンの影響でしょうか? 男性はその「何となく」を敏感に感じ取っているのかもしれません。
ゴブサタ期間が長くなると選球眼が鈍り、せっかくのチャンスも見逃し三振、なんてことにもなりかねません。
「サークル仲間に『○○君、絶対あなたのこと好きだよね~』と言われて、ポカーン。全然気づかなかった! 『周知の事実だけど? あんだけアピールされてたのに、分からなかったの?』と呆れられたが、あまりの鈍感さに自分が一番呆れた」(彼氏いない歴2年)
「おひとりさま生活に、ようやく終止符を打つときが! と喜んだのもつかの間、つかんだ男は立派なだめんずでした…もっと普通の恋愛がしたかった」(彼氏いない歴3年)
それはたまたま運が悪かっただけだよ…。ただ、ひさしぶりの恋に舞い上がり、判断力が鈍るってことは大いにありそうです。
「久々に好きな人ができてつきあうことになったが、寂しがり屋でいつでも一緒に行動したがる彼がうっとうしくなって、すぐに別れてしまった。以前はこんなことなかったのに…」(彼氏いない歴4年)
誰にも気兼ねのない自由な生活に慣れてしまうと、束縛するのもされるのも面倒になります。そしていざ彼氏ができても、「あぁ、ウザい…」なんてことに…
好きなときに好きなことを、という自由は、「大好きな人といつも一緒にいたい」と思う恋愛モードとは対極にあるもの。ひとりで食事や映画も楽しいけれど、女子たるもの、恋の喜びを忘れてはもったいない。そこで、たまには敢えて誰かと一緒に出かけてみてはどうでしょうか。気の置けない男友達なんかだったら、次の恋への練習台(失礼)に、なおのこと良さそうです。
一緒にいくお店や観る映画を選び、感想を共有する。たとえば「タイ料理食べに行こうよ」「えー和食の方が良くない?」などと自分と相手の好みをすりあわせたり、ちょっぴり妥協したり。確かにめんどくさいけど、恋愛ってお互いにこの小さな妥協を積み重ねながら関係を深めていくものじゃないでしょうか? この感覚を忘れてしまうと、恋はどんどん遠ざかる、と心得ておいて損はなさそうです。
くれぐれも、練習台(本当に失礼)に「俺に気があるのか?」なんて誤解をされぬよう注意しながら、次の恋への英気を養ってくださいね!
(※2012年10月23日 12:37 公開記事)
(文=石村佐和子)
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