旧暦に興味を持ち始め、月の満ち欠けを意識するようになると、空に月を探して眺めたくなるときがあります。そこで夜空を見上げるのですが、月はどこにも見当たらない。空には雲ひとつなく、晴れ渡っているのに。そんな経験はありませんか?
月は太陽と同じように、東から昇って、南の空の高いところを通り、西へ沈みます。三日月も、満月も、目には見えない新月だって同じです。ただし、それぞれカタチの違う月が空を横切る時間帯は、毎日違います。そのため月が見えるのは、夜とは限らないのです。
それでは新月から順番に、月が空にいる時間を確認してみましょう。
【新月】
日の出とほぼ同時に東から昇り、日の入りとほぼ同時に西へ沈みます。つまり、月は太陽と同じ方向にいるため、新月を見ることはできません。
【上弦の月】
お昼頃に東から出てきて、太陽が沈む頃に南の空高く昇ります。日付が変わる頃に西へ沈むので、夜半過ぎには見えなくなります。
【満月】
太陽が西へ沈む頃、月は東の空に顔を出します。ひと晩かけて空を横切り、翌日の日の出とほぼ同時に西へ沈みます。
【下弦の月】
日が暮れても空に月の姿はなく、日付が変わる頃に東の空に現れます。だんだんと夜が明けてくるにつれて空高く昇り、お昼頃には西へ沈みます。
以上の4つのポイントをおさえつつ、月の出は前日よりも平均50分遅くなることを覚えておくと、いつでも空に月を探せるようになりますよ。
私はどの月のカタチも好きですが、仕事で早朝に家を出なくてはならない日が下弦の月の頃だとうれしくなります。夜が明けたばかりで人気のない街。玄関を出て空を見上げると、白い下弦の月がこちらを見下ろして、「いってらっしゃい」と言っているようで、元気づけられます。12月14日(日)は下弦の月です。朝、出かけるときは、空を見上げて月と目を合わせてみてくださいね。その日の活力がわいてくるのを感じられるはずです。
下弦の月が過ぎると、月はどんどん儚げな姿になっていきます。そして、12月22日(月)は新月です。旧暦では11月1日にあたり、「霜月」を迎えます。霜月とは、文字通り霜が降りるようになるという意味で、「霜降月」が略されたものといわれています。
また、旧暦11月の別名には、
・神来月(かみきづき)
・神楽月(かぐらづき)
・雪待月(ゆきまつつき)
・雪見月(ゆきみづき)
・露隠りの葉月(つゆごもりのはづき)
などがあります。
旧暦10月(神無月)に出雲へ行っていた神々は、霜月にはそれぞれの持ち場(国)に戻ります。そう、霜月は運命が動き出すタイミング! それは新しい年の幕開けといっても過言ではありません。さらに、今年の霜月のはじまりは、ちょうど冬至と重なります。これは「朔旦冬至」といって、19年に一度のめぐりあわせ! そんな特別な冬至を経験できるなんて、ラッキーですよね。そこで次回は「朔旦冬至」と、この日にぜひやってほしいことをご紹介します。
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