今年ブレイクの筆頭株である菅田将暉さんと、若手女優の中でも異彩な存在感を放つ小松菜奈さんの共演で話題の映画『溺れるナイフ』。
もちろん主演2人による繊細でヒリヒリするようなラブストーリーも見どころなのですが、もうひとつ見逃せないのが、菅田さん演じるコウと重岡大毅さん演じる大友という全くタイプの違う2人の男子が、それぞれにヒロイン・夏芽を愛する姿の対比。
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そのどちらに「よりキュンと来るか」という点に、まるで自分の恋愛観を試されるような気がしました。
ただの少女漫画じゃない!『溺れるナイフ』のあらすじは…
『溺れるナイフ』はもともとジョージ朝倉さんが別冊フレンド(講談社)で9年の間、連載していた漫画。タイトルのナイフが意味するのは「10代の自意識」なのだとか。その剥き出しの尖ったイメージに、まさにぴったりの物語です。
東京でモデルとして人気が出始めていた美少女・夏芽が突然、父の故郷である浮雲町に引っ越すことになり、何もない田舎町に落胆するのですが、町の神主一族の末裔であるコウと衝撃的な出会いを果たします。
圧倒的に自由で、周囲を圧倒するオーラを放つコウが気になって仕方ない夏芽。夏芽にいじわるしながらも、その美しさを認めているコウ。互いに特別視される存在の2人は次第に惹かれ合うようになります。
ところが、予想もしていなかったある事件をキッカケに、2人の抱いていた「万能感」は脆くも崩れ去ることに…。
そう、この漫画はイケメンが壁ドンしてくれる単純明快な胸キュン少女漫画とは一線を画す作品なのです。描かれるのは10代特有の危うさときらめき。そしてそこから脱皮する過程の痛みと言えるでしょう。
対照的な2人の少年に釘付け!
コウと夏芽が事件によって別れた後に登場するのが、コウの友人でもある大友(映画での重岡大毅さんの大友は、漫画のイメージ通り!)。クラスのムードメーカーで、春の日差しのように明るい大友に、夏芽は心癒されていき、2人は交際を始めます。
一方で悪い仲間と付き合うようになって、ますます刃を尖らせていくコウ。“あの日”に止まってしまった時間から抜け出そうともがくコウと夏芽の行方、そして最後に夏芽が選ぶのは…。
展開はなかなかヘヴィなのですが、それはさておいて2人の男子には本当にやられます。その魅力は、漫画版でも映画版でも、女子ならきっと誰もが夜を徹してでも語りたくなるほど!
コウと大友…猫系男子 vs.犬系男子
最初に夏芽が恋に落ちるコウは、いわゆる猫系男子。マイペースで気まぐれ、つかみどころがなくて何を考えているかわからない、でもそんなミステリアスさにどうしても惹かれてしまうというタイプ。
対する大友は完全に犬系男子でしょう。人懐こくて素直、愛情表現は豊かだし従順で一途に愛してくれそう。
ややもすれば売れない芸術家とかになっちゃいそうな猫系男子に比べたら、犬系男子はきっと将来性もあって、正常な感性で選ぶなら絶対に犬、大友にするべきです。
…だけどやっぱり、強烈に惹かれるのはコウなんですよね。全く思い通りにならないし、なんなら傷つけられてばっかりだとしても。
自分の世界に滅多に他人を入れてくれなそうな猫系男子の彼を、ああ、自分だけが理解してあげたい。自分だけに心を開いてほしい。そういう不毛すぎる欲求に駆られてしまうわけです。
そしてこの猫系と犬系のどっちを選ぶか問題が即ち、「順風満帆な恋愛→結婚」のステップを歩むか、それとも「ダメな恋愛」を引きずって、いつしか自立の道を模索するようになるかの分かれ目なのかもしれません。
終わりに
漫画も未読の方はぜひお手に取っていただきたい名作ですが、映画も神キャスティングとの呼び声も高いメインの4人が、胸をえぐられるような切なさを存分に伝えていて、とてもオススメ。
ご覧になる際は、自分がコウと大友のどちらに惹かれるのかを見極めてみてくださいね。