ここ数年、注目を集めている「こじらせ女子」。いつの間にか言葉が一人歩きし始め、タイプ別に細分化されたりもしていますが…筆者にとって気になるのは年齢とこじらせの関係性。
こちらもおすすめ>>『娚の一生』『姉の結婚』…“愛される自分”を改めて考えるために読みたい西炯子の漫画
そこで「アラサーこじらせ女子」のバイブルともいえる『東京タラレバ娘』(東村アキコ/講談社刊)と、「アラフォーこじらせ女子」を描いた『初恋の世界』(西炯子/小学館)を比較・分析してみました。
アラサーこじらせ女子はひたすら苦しい
現在、6巻まで出ている『東京タラレバ娘』(以下『タラレバ』)は、脚本家の倫子、ネイリストの香、実家の居酒屋で働く小雪というアラサー女子3人の物語。
ここまでのところ、倫子は自分に好意を持つ男性との復活愛を狙い、香は元カレのセカンドの座からサードになって別れを決意。小雪は絶賛、不倫中!
3人とも独身で恋も人生もこじらせまくり。そのイタさがとにかく痛いんです。
アラフォーこじらせ女子は多種多様
一方、1巻が発売されたばかりの『初恋の世界』(以下『初恋~』)には、アラフォーの女性が4人登場します。
主人公の薫は40歳独身・彼氏なしで、転勤のため地元に帰省。そこで仲良しの同級生である専業主婦のよっさん、バツイチ独身の黒岩嬢、不倫中の大浦氏と再会し…。
結婚経験者2名、未婚2名というアラフォーならではのラインナップが、なかなか興味深かったりもします。
アラサーでこじらせ、アラフォーでさらに…
基本、アラサーこじらせ女子にとってのゴールは結婚だと思うのですが、アラフォーこじらせ女子の物語『初恋~』は、その先の世界を描いています。結婚は女性の終着点ではない!という…。
結婚しても幸せになれるとは限らないし、離婚する可能性もある。そして独女は、既婚者(不倫)まで手を広げなければ恋ができない?アラフォー女子たちは、そんなツラい現実を突きつけられているのです。
アラサー、アラフォー…イケてるのはどっち?
でも、そんなツラさをも乗り越える強さを持っているのがアラフォーこじらせ女子。
『タラレバ』と『初恋~』、それぞれの女子たちの大きな違いは余裕のある、なしだと思います。アラサーこじらせ女子と比べ、アラフォー女子は圧倒的に余裕に満ちている印象です。既に達観…という感じ。
ただし、こじらせアラフォー女子は、“まだまだ恋を諦めてないわよ”派と、“もういいや”派に分かれています。もっと言えば、身だしなみに女子っぽさを醸し出しているのが、“諦めてない”派の特徴と言えるでしょう。
女子はいくつになってもジタバタする
『タラレバ』と『初恋~』を読んでわかるのは、女性は何歳になってもこじらせ続ける生き物だということ。
両方読めば、こじらせるだけこじらせ、思いっきりジタバタした後に達観するも良し、30代を平穏に過ごした人は、アラフォーでジタバタするのもいいんじゃない?という気持ちになれるでしょう。
『タラレバ』も『初恋~』も、まだまだ続く見込みなので、自分のジタバタ具合を確認するために併読するといいかも。どちらもこじらせ女子ならではの行動や心理がちりばめられていて、登場人物の誰かに共感できるはず。
精神衛生上、こじらせないためではなく、こじらせちゃってもいいじゃない?というスタンスで読むのがいい気がします。お試しあれ!