2016年に日本で上映された『白い帽子の女』。ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーが10年ぶりに共演したのが本作だったとのこと。
現実には離婚手続き中のカップルが、皮肉にも絆を取り戻す夫婦を演じたことで当時話題を集めました。
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彼らが演じる夫婦はつらく悲しい過去を背負い、いびつな関係を築いてきました。
バカンスで訪れたホテルの隣室に宿泊する、とある新婚夫婦に触発されたことから、二人は否応なしに昔を振り返り、本音で向き合うことになります。
釣り合いのとれた関係にもいろいろある
妻は過去を乗り越えられず、その苦しみを、全身全霊をもって夫にぶつけます。夫はそれをひたすら受けとめ、許す…傍から見たら、そんな関係はただただ疲れるだけとしか思えません。
でもこの夫婦は、妻が感情を解放できる場を求め、夫は救済する人になりたかった。
ゆがんでいながらも奇跡的に歯車が噛み合い、均整のとれた関係として成立しているのです。
愛情のベクトルが相互に向き合い、お互いに敬意をもって接している。このようなカップルは、愛情バランスが整ったよい関係を築いていけるでしょう。
人によっては“ちょっといびつ”ぐらいがしっくりくるかもしれませんし、常に気持ちがぴったり重なっているのがいいというカップルもいます。
バランスのとれた関係のあり方は、カップルによって違うのです。
とはいえ、一般的には、偏り過ぎるとうまくいきません。一方の気持ちが過度になりすぎると、関係破たんに及んでしまうこともあるのです。
尽くしすぎてはいけない?
社会心理学には、相手に好意や貢献を与えると、それと同等なものが自分に返ってくる「好意の返報性」という心理的働きがあります。しかし、これは必ずしも恋愛に当てはまるとは限りません。
いろいろと世話を焼いて心身ともに尽くしてきたのに、ひどい裏切りを受けたなんて話を聞きますよね。
自分と同等以上の魅力や価値を持つ相手をパートナーに選びたくなる、心の作用「社会的バランス理論」をご存知でしょうか。
人は無意識のうちに、自分に見合った相手を探す傾向があるんですね。
だから何もせずとも尽くし、チヤホヤしてくれるような相手だと、自分が絶対的に優位な立場になり、そんな相手には魅力を感じなくなってしまいます。
さらに、相手の存在価値や自尊心を軽視するようになり、「この女性には何をしても大丈夫」とばかりに、裏切り行為や嫌がらせをしても平気になるのです。
相手の尊敬を得られる女性へ
相手に対して常に「敬意」「性的欲求」「憧れ」を感じている。
このような状態をお互いにキープし続けると、気持ちのバランスがとれた理想的なカップルになれます。
交際前や付き合いはじめた当初は、誰だって「最善の自分」を見せて相手から高い評価を受けようと頑張るものです。
でも付き合いが長くなるとこのような努力は減少し、人によっては「馴れ合いの関係」になってしまいます。
こういった「馴れ合い」も、存在価値や自尊心の軽視につながります。
「慣れ合い」を生まないためには、相手に一目置いてもらえるような女性になりましょう。
尊敬を得られるポイントは人によって異なります。
ただ人間性に寄り添いつつ、知的にそして情緒的に支えてくれる女性は、尊敬を得られやすいといえるでしょう。
甲斐甲斐しく相手の世話をすることは、母親スキルを高めることにはなります。でも、それで評価されるのは「共同生活者としての能力」なんですね。
「尊敬する女性としての魅力」に結び付くかというと、そうではないのです。
まとめ
バランスのよい恋愛関係を築くために必要なこと、理解いただけましたでしょうか。
根底に相手への好意があっても、どちらかの気持ちが強すぎて一方通行になると、アンバランスで破たんしやすい関係になってしまいます。
お互いに尊敬し合い、高め合いながら二人だけの歯車を見つけてくださいね。
「この人でないと」と思わせられたら、恋人から伴侶へと発展できるかもしれませんよ。
(※2016年10月17日 15:00 公開記事)