アラサーって、年上に憧れる年代なのでしょうか。最近、20代後半の女性が随分年上の男性と恋愛しているなんて話をよく耳にします。私もあるころ「年の差恋愛」してました。芸能界でよく見かける(気がする)、20歳差です。オリンピック5回分です。
こちらもおすすめ>>『娚の一生』『姉の結婚』…“愛される自分”を改めて考えるために読みたい西炯子の漫画
枯れ専ブームを先取り?おじさま萌え時代
もともとその素養はありました。学生時代、自動車の教習所の教官のおじさま達が妙に素敵に見えて、某SNSで「おじさま萌え」なんていうコミュニティを運営してみたり。
その後に「枯れ専」ブームが来た際には、そのコミュニティをご覧になった雑誌のライターさんから年上好き女子として取材も受けました。必ずしも「枯れ」が好きというわけではなかったのですが、圧倒的に年上に魅力を感じていたのです。
冒頭の20歳差恋愛のころは、周囲にそのレベルの年齢差で恋愛をしている人がいなかったので、みんなに「どうして好きになれるの?お父さんじゃん!」と散々言われました。実際並んでみたら親子に見えたはず。しかも、マジメなお付き合いというわけでもなかったので、ステータスとしては最悪。
20歳差の恋愛は、とにかく楽だった
でもなんか好きだったんですね。男性として。何が良かったのか考えてみました。まず「怒らないところ」。向こうは大人なので、大概はのんびりした笑顔で受け止めてくれます。諭されることはあっても怒られたことはありませんでした。
次に「野心的で仕事バリバリなところ」。これはね、世代の問題かもしれません。ちょうど我々プラス20歳の世代は、競争心旺盛で仕事命、他人を蹴落とすくらいのバイタリティと隠そうともしない自己顕示欲たっぷり。同世代の男子を眺めると、「身を粉にして働くより好きなことやりたい」とか言っちゃう感じが、なんともイラっとするわけです。
もちろん、じゃあその同世代男子がギラギラ脂っこく出世欲丸出しにしていたら、それはそれで嫌なんでしょうけど。社会の酸い甘いをある程度知っている歳のおじさんだから、素敵に感じられるのかもしれないです。
あとは単純に、「引き出しが多いところ」。個人差はあるでしょうが、長く生きていれば、その分話題はあるわけです。自分より話のタネが多い相手ってカッコよく見えるもの。多少のジェネレーションギャップはむしろ可愛く思えるくらいで。こっち世代の話にも好奇心たっぷりに食いついてきたら、たまらないですよね。
そんなメンタリティを持てれば、本当に楽です。こっちは取り繕わなくたって、手持ちのいろいろなものが相手には新鮮なんですから。もうありのままでOK。外見だって、向こうからしたら同年代の3割増くらいで魅力があるんじゃないでしょうか。相対的若さって最強。そして(年の差ゆえの)大きな器で受け止めてもらえる。年齢が上がれば、まあまあ収入もある場合が多い。あぁ、楽。
フェアリー男子よりお伽話かもしれない
と、ここまで来て思うのは、年の差恋愛ってお伽話なんだなっていうことでした。こちらが相手に若ささえ求めなければ(そしておじさんの外見を受容できるなら)、スペック高めでありのままの自分を愛してもらえるわけです。理想の恋愛ですね。
私の場合はゴールのある恋でもなかったので適宜終了しましたし、結婚とか考えだすと老後どうする子供どうすると現実的問題は山積みになるんでしょうが、一度はそういう恋に憧れを持っていいと思ってます。
単に若さ分だとしても、自分の価値をより認めてもらえる恋愛は自信を与えてくれ、男性の多面的な魅力を知るいい機会でもありました。リアリティある恋にくたびれてしまったとき、モラトリアムだと思って年の差恋愛を選ぶのは有効かもしれません。もちろん、それがゴールに繋がるなら、それはそれで素敵。