以前放送されていた連続ドラマ『ノンママ白書』(フジテレビ系)をご存知ですか?
主演は鈴木保奈美さん、原作は各メディアでお馴染みの精神科医の香山リカさんとあって、話題性も見応えもばっちりの作品です。
「ノンママ」って何?
タイトルにある「ノンママ」とは、それぞれの事情で子どもを持たない選択をした女性のこと。
対して、働く子持ちの女性は「ワーママ」と呼ばれ、その存在は少子化や不況の流れを受けて、今や世論に後押しされているようにも見えます。
そんな風潮に「女は産んで当たり前」といった無言のプレッシャーを感じているノンママも多いとか。
生む・生まない…子どもは天からの授かりものではありますが、どう生きるかを自分で選べる時代にあるのも事実。
都内在住で働くアラフォー女性4名に、自身の生き方と幸せについてインタビューしてみました。
Rさん(42歳・子なし・未婚)
◆子どもを持たない生き方を選択
結婚願望はそれなりにありましたが、20代~30代にかけて仕事(サービス系/会社員)にかなり熱中していたんです。その後、親の介護の問題を抱えたりといろいろなことがあり、結婚はもう少し先…と考えているうちに、30代半ばを過ぎ、気がついたら結婚へのこだわりや情熱が冷めていました。もう、今のままでもいいかなって。
むしろお金も時間も自由になるし、長くつきあっている彼氏もいるので、不満も不安も特にないですね
◆子なしの人生を選んだ理由
もともと子どもを欲しいとは思っていなかったので、“結婚だけならいつでもできる”と自由に考えられたと思います。タイムリミットが延びたというか。
周りからの“結婚しないの?”“子どもは産んでおいたほうが…”という助言をうるさく感じた時期もありました。でも、私がイメージする“自分の幸せ”には、子どもの存在は最初から入ってなかったので気にしませんでした
Aさん(40歳・子なし・既婚)
◆子どもは欲しいけど…
子どもは欲しいけど、なかなか思うようにはいかないですね。結婚自体が遅かったので今は諦め気味です。
でも、夫と猫との暮らしはとても穏やかで楽しいし幸せですよ。仕事(医療系/団体職員)もそれなりに充実してるし。この生活を続けるのもいいかな…って思い始めています
◆世間の目が気になることも
年齢が年齢なだけに、知らない人は何気なく「お子さんは?」って聞いてきますし、逆に何も言われないのも“あ、気を遣わせちゃってるなー”と深読みしちゃったり。
年齢が上の方からは“もう子どもは無理、諦めたら”などとデリカシーがないことを言われることがたまにあり、やはり傷つきますね…。この年なら子どもがいて当たり前、みたいな通念に、自分が縛られているだけなのかもしれませんが
Mさん(40歳・子あり・既婚)
◆自由な独身時代とのギャップに悩むことも
結婚願望は人並みにありましたが、仕事(美容系/サロン経営)が忙しくて婚期を逃してしまいました。35歳を過ぎてようやく婚活を始めたけど、まったくうまくいかず。通算3年、真剣に悩みました。
4年目に夫と巡り合い、その後は怒涛のように結婚・妊娠・出産とプライベートがバタバタに。それまで自由にやってきた反動で束縛感に悩まされることも多いですが、それも良い経験と思うようにしています
◆ワーママとしての働き方を模索中
私の場合は仕事がある程度自由になるとはいえ、子どもを抱えながら仕事をするというのは、想像していた以上にしんどいものだな、と思うことは多々ありますね。
特に、子どもの都合で仕事ができない日もあるワーママの肩身の狭さが、身にしみてわかりました。そして、その結果として仕事上の負担が増えるノンママやシングルの感情も経験上わかるので、葛藤も多いです
Sさん(42歳・子あり・離婚)
◆子持ちで離婚、手に入れた幸せ
20代後半で結婚して子どもを2人産み、それからは基本は専業主婦で少しパートをする程度でしたが、事情があって30代後半で子連れ離婚しました。
1人で子どもを育てながら仕事(クリエイティブ系/派遣)することには心配や苦労はあるし、金銭的にも時間的にも厳しい生活です。
でも、自分らしく生きられるという点では、これまで得られなかった幸せを感じることもたくさんあります。ごく淡いものですけれど、十数年ぶりに恋をする喜びも思い出せました
◆ワーママとしての働き方を模索中
子どもがいる以上、どうしても仕事にしわ寄せが来ることも。子どもの急病で休まなければならない時などは申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
独身時代みたいにフルタイムで残業もできて、仕事に集中できたらどんなに楽しいだろう、とも思いますが、もうそんな働き方は無理なのかな…全てを手に入れるのは難しいですね
女性の生き方と仕事、それぞれの幸せも苦労も十人十色。そして妊娠・出産にはタイムリミットがありますが、幸せになること自体には時間制限はありません。
みなさんは、たった一度の人生を存分に楽しむために、そして後悔しないために、どんな生き方を選びますか?
(※2016年08月09日 10:15 公開記事)