「ほめ上手な女はモテる」なんて良く言われていますし、恋のセオリーとして、「男はほめて伸ばせ」「持ち上げてナンボ」というのも定説です。
恋愛に限らず、誰だってほめられて悪い気はしないでしょうし、「この人と仲良くなりたいな」と思ったら、とりあえず相手の良いところを探してほめる、という行為はいろいろな場面で日常的に行なわれているはずです。
ところが、実はほめられてもうれしくない!という人も少なからずいるようなんです。
ほめられ慣れていないからなのか、こちらのほめ方が良くないからなのか…「ほめられると居心地が悪い」という男性がちらほら。
そんな、一筋縄ではいかなそうな彼らの本音をリサーチしてまいりました。
【20~30代の男性が不快に感じたほめ言葉】
■むしろ、けなされていると感じる
「かわいい」は禁句、というのは良く聞きますが、普段から女性がつい口にするこの言葉は、たとえ幼稚園児であろうと男子にとってはタブー。
しかし、それ以外にもNGワードはあるようで…。
・「いい人ですね、って言われてガッカリ。いい人=どうでもいい人、都合のいい人…と聞こえるから。」(27歳 アパレル)
・「気になってた職場の後輩の女の子から『先輩ってホント真面目で誠実ですよね』と言われたとき、バカにされてたんだと思って落ち込みました。」(36歳 会計士)
せっかく相手の素敵なところをほめたつもりが、まったく伝わっていない!それどころか、バカにされたと誤解されてしまうなんて恐ろしい。
他にも「優しいですね」などのように、誰にでも当てはまるような漠然とした言葉は、こうした誤解につながることが多いみたいですよ。
■仕事のことをほめるのはアリ?ナシ?
男性は外見よりも、その人の努力の結果…例えば学歴や職業、仕事の成果をほめると良い、と言われていますよね。
でも、中には「仕事のことを言われるのはイヤ」という人もいるようで…このあたり、意外と見落とされがちなのでは?
・「ちょっといい雰囲気になっていた子から『仕事お疲れさま。頑張ってるね』というメールが来たとき、すごく上から目線で言われているような気がしてイラッとした。頑張ってるねって…お前は上司か!?」(29歳 建築)
・「自分が手がけた案件が一般公開されたとき、彼女が見に来てくれたのはいいんだけど、『いい仕事するね~』と冗談ぽく言われ、正直、お前に何がわかるんだよって思ってしまった。」(34歳 内装デザイナー)
ほめてくれた相手の存在をどう捉えているか、ってところもあるのでしょうが…。
仕事=プライドに関わる部分になるため、この部分をほめるのは想像以上にハイリスクなのかも!成功すれば確実に好感度を上げることができますが、下手したら逆鱗に触れることにもなりかねないので、いつも以上に慎重に言葉を選ばなければいけませんね。
■ほめられること自体が苦痛
・「例えば重たいものを持ってあげるとか、誰にでもできる気遣いをほめられると『こんな当たり前のこともできない人間だと思われてたのか?』と思ってしまう。仕事で上司にほめられても、もっと頑張れと言われているように感じたり、『何が言いたいんだろう?』と言葉の裏を読もうとして、疲れてしまう。」(31歳 商社)
・「厳格な家に育ち、ほめられ慣れていないので、どうリアクションしていいかわからない。悪いことを言われているわけじゃないのに、オドオドしたりおかしな返答をしてしまうことも。」(26歳 整体師)
ほめられるのが苦手な人って、自己否定感が強い傾向があるのだそうです。そのため、誰に何を言われても自分自身を認めようとせず、ほめられればほめられるほど、意固地になったり不安になったりするんだとか。
そんな人には「私はあなたの○○なところが好き!」「あなたのここがすごいと思う!」など、“自分がどう思っているか”をストレートに伝えると、「そうなんだ…」と受け入れてもらいやすいようですよ。
筆者の周りの男性たちにも、話を聞いてみると、こうした「ほめられ下手」な男子の存在は意外と多く、正直ちょっとビックリ!
良かれと思って言っていたことも、アプローチの仕方次第では、内心「ホントかよ」「バカにしてる?」「リアクションに困る」なんて、猜疑心や不安感を抱かせていたのかも…。
基本、男性はプライドの生き物。私たちが思う以上に繊細で、ほめられることにもけなされることにも敏感なのでしょうね。
それだけに、「ほめたら喜ぶはず」という単純な思い込みやありきたりな言葉は、実は危険なのかもしれません。
(文=石村佐和子)