世間を騒がせたベッキーさんの不倫騒動。お相手が結婚の事実を隠していたことを差し引いても、世間の反応は厳しいものでした。
「どうして既婚者だとわかった時点で別れなかったのか」などの声も聞かれますが、不倫の恋って“ロミジュリ効果”も加わって、ズブズブとのめり込んでしまうという怖い話も耳にします。「不倫なんてありえない」と思いながらニュースを見ていても、明日は我が身…かも?
そこで今回は、不倫をテーマにした小説を厳選してご紹介します。
不倫の恋はどんなふうに始まるの?
もし不倫が周囲にバレてしまったらどうなるか?ベッキーほどの売れっ子が正式に休業を発表し、メディアへの露出がなくなったのを見れば、代償の大きさはわざわざ言うまでもないでしょう。
いざ自分の身に起こる前に、不倫の恋がどのように始まり、発展していくのかを予習できるのがこれらの小説です。
ベッキーもこのパターン!既婚者×独女
≪恋に揺れる既婚男性の気持ちがわかる?≫
主人公の男性・渡部が、派遣社員の秋葉と知り合い不倫の恋へ。急速に仲を深めるうち、渡部は15年前に起こった殺人事件のことを秋葉から打ち明けられます。彼女の事件への関与は?といったミステリー要素もはらみつつ、2人の気持ちの揺れ動きが描写されています。
渡部の視点で描かれているので、既婚男性が抱える葛藤の一端を覗けるかもしれません。
≪もう二度と恋をしないはずだったのに…≫
主人公の女性・水無月は、夫との離婚の痛手から、もう二度と人を愛さないようにと誓うものの、長年ファンだった作家・創路と出会い、不倫の恋へ落ちて行きます。創路の妻、他の愛人、そして実娘…さまざまな立場の女性たちが現れる中、感情の揺れ動きが一人称で語られます。
水無月の言動に共感できるかはさておき、“自分を見失わないようにしよう”とハッとさせられます。
≪不倫?純愛!? 略奪愛の行方は?≫
会社の先輩・入江に惹かれる主人公・粧子。彼との間を取り持ってくれるはずの親友・美帆が、いつしか入江とつき合い結婚…気持ちの整理をつけようとしていた矢先、実は入江も粧子に思いを寄せていたことがわかります。
美帆にだまされていたことを知った2人は不倫関係へ。略奪愛は成功するのか?複雑な思いが絡み合いながら迎える結末は、ぜひご自身の目で。
結婚後のイメトレに?浮気に走る妻たち
≪美しい人妻と大学生の恋愛模様≫
主人公は年上の人妻と交際中の2人の大学生。不倫とはいえ純粋な気持ちで恋をする透、女子大生の恋人がいるのに人妻との肉体関係にも夢中になるなど、恋に奔放な耕二――東京タワーが見守る街を舞台に、対照的な不倫恋愛の形が描き出されます。それぞれがたどり着く恋の行方は…?
黒木瞳さん、岡田准一さん主演で2005年に映画化されているので、小説と映画、二度楽しむのも◎。
≪欲望の暴走と顛末を描いた問題作≫
2014年の宮沢りえさん主演の映画を観た人も多いでしょう。
銀行の契約社員として働く主婦・梨花は、顧客である老人の孫・光太(大学生)と出会い不倫の恋へ。彼との関係にのめり込み、夢のひと時を演出するためにお金をつぎ込んでいきます。金銭感覚は麻痺し、ついには横領――梨花が心から望んでいたことは何だったのか?本作から読み取ってみましょう。
≪老いへの恐怖、焦燥感に共感の嵐≫
幸せな家庭がありながら、奔放な恋に落ちる主人公・ヨーコ。彼女を恋へ駆り立てるのは“若さを失うことへの恐怖”や、穏やかに見える家族の裏側に潜む“孤独”。一見、自業自得とも見える形でラストを迎えるものの、ヨーコと近い状況、年齢の女性からは共感を呼んでいるようです。
30年以上前に発表された小説ですが、「夏が、終わろうとしていた」という冒頭の一文が表す女性ならではの焦燥感は、今でもきっと心に苦く響くのでは。
まだまだある、不倫小説
いかがでしたか?
他の例でいうとこんな作品も…
◆林真理子・著『不機嫌な果実』
石田ゆり子さん主演でドラマ化され話題に。
◆村山由佳・著『ダブル・ファンタジー』
「ほかの、男とした?俺のかたちじゃなくなってる」という帯のコピーが衝撃的!
◆ねじめ正一・著『荒地の恋』
実在の詩人仲間の略奪愛を描いた作品。WOWOWで豊川悦司さんと鈴木京香さん出演のドラマを放送中。
◆神蔵美子・著『たまもの』
夫と別れ不倫相手と再婚するまでの顛末を写真とともに著者自ら綴った一冊。
不倫って恋愛テーマのひとつとして、いつの時代も描かれているんですね。
この中にハッピーエンドはどれだけあるのか…不倫の恋を疑似体験しながら、ぜひご自身で確かめてみてください。