「女の子そのものが苦手で近づけない」とか「話が通じないから、女はイヤだ」などと言う男子がわりと身近にいるんですよね。
いわゆる病気としての女性恐怖症というほどでもないんだけど、苦手意識が非常に強い。おかげで恋愛のチャンスが少ないというか、ほとんどゼロという感じ。でも、「恋人は欲しい」という気持ちはあるようです。
心理学的には、こうした「恐れ」には、過去のトラウマが関わっていることが多いとされています。
子どもの頃にイヌに噛まれた経験があると、おとなしそうなイヌでもなかなか触れないことと同様、怖いから避けようとするわけですね。
本能的な危機管理としては正しいかもしれないけれど、いつまでも「女子は怖い」では、恋愛どころの話じゃありません。
小学校の頃には野球に夢中、中学高校はサッカーで、大学は応援団という体育会系な人生を歩んできた中井さん(仮名:34歳、映像制作)も、ずっと女子を苦手としてきたそうです。
「中学生くらいから、どうも女性と上手くコミュニケーションできなくなりました。今思えば、意識しすぎというか自意識過剰だったんだろうけど。わざと無視するようになって、大学の頃なんか同年代の女性を全部バカだと思い込んで毛嫌いしてました。でも、周りに恋人ができると僕も欲しいと思うようになったんですけど、その頃には妙に理想が高くなってて…。あの女はここがダメ、こっちの女はあそこがダメって欠点を見つけては、結局自分からは何もしなかったんですよね。」
そんな中井さんに、先輩から“ナンパしろ”という厳しい指令が出されたそうです。
「応援団って、今どきびっくりするくらい上下が厳しいですから、ナンパしてこいって言われれば、するしかないんですよ。断るという選択肢はないんですよ(笑)。飲み会のときに、別の席にいる女性たちを引っ張って来いって言われて、しょうがないから声をかけましたが、ほとんど女性と口をきいたこともないんですから、そりゃ失敗しますよ。結局、1年のときだけで何百回も声をかけさせられたんですけど、おかげで苦手意識はなくなりました。たまにナンパに成功したりすると、女性って優しいところあるなぁとか思ったりして。」
“女性”への恐怖を“先輩”という別の恐怖をきっかけに乗り越えたってわけですね。中井さんは今ではちゃっかり恋人をつくり、近いうちには結婚するつもりだそうです。
男性恐怖症気味の女子も、とりあえず身近な男子に、あいさつをするといったことからでOK!「声をかけても危機が訪れない」という経験になりますからね。
(文=総合占術研究家 橘のえる)
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