ドラマ『サイレント・ヴォイス』(テレビ東京系)が、面白いと評判です。主人公の刑事・楯岡絵麻(栗山千明さん)は、行動心理学のエキスパート。豊かな知識で、取り調べ中の被疑者の嘘を見破ります。
楯岡ほど高度な「見破り」は難しくとも、知識さえあれば、ある程度「嘘をついているかどうか」を見極めるのは可能です。前回の記事では、人が嘘をついているときに、どんな行動をしがちかを解説しました。
行動から見える心理
人は嘘をつくとき、無意識のうちに、そのサインとなる行動を取ってしまうことがあります。例をを挙げると、緊張で口の中の水分が少なくなり、しきりに唇を舐める、水を飲む、といった行動ですね。
ただ、これらは嘘と関係なくたまたまそうした可能性もあります。そのため、すべての行動を観察して嘘を推察するのはとても非効率。むしろ、核心をついたときの挙動に注目したほうが、嘘をついているかどうかを見極めやすいでしょう。
人は心暗い部分にライトを当てられたとき、どのような行動をするのか。今回は、こちらを紹介していきます。
相手の目線より高い位置に行こうとする
小心者には大きく2種類あり、何か怖い出来事や困難にぶつかったときに縮こまるタイプと虚勢を張るタイプに分かれます。後者のパターンの人によく見られるのが、核心をつかれたときに「目線を高くする」です。
目線の位置というのは、意外なほど心理的効果を与えます。例えば公演や演説では、たいがいお客さんは座るなどして低い位置にいますよね。これは見上げながら話を聞くと、批判的な気持ちが少なくなり、真剣に耳を傾けやすくなるからなんです。
虚勢を張るタイプがそこまで考えて行動しているとは思えませんが、無意識に優位に立とうとするのでしょう。文字通り「上から目線」になろうとするのです。
首を動かす
何か思案するとき、人は無意識に首を上下に動かし思考をめぐらせます。うつむいているときは左脳を動かしていて、論理的思考が展開されているのです。
例えば事実を相手に理解してもらうためにどのように話せばいいか?といった、筋道を立ててことに当たるようなときに下を向きがちになります。
一方、見上げるように顔を上に向けていると、それは右脳を働かしている合図。想像力や創造力を働かせているのです。なんとかこの場をごまかせるうまい言い訳を考えているとき、上を見ながら考えをまとめようとする傾向があります。
もちろん、誰しもがそうなるわけではないでしょう。ただ、こちらの質問に対して相手が顔を上げて考え始めたら、次に出てくる回答の真偽に慎重になったほうがいいかもしれません。
足を組む
足を組むなんて、日常的によくある行動ですよね。でもここにも、相手の心理を表すメッセージが潜んでいます。
前回、「足先をパタパタさせる」というのが嘘をついているときの特徴的な行動、と説明しました。うまいこと、この場をごまかそうと焦る人は、このようなパタパタの不自然さに気づいて、足を組むことでカモフラージュしようとする傾向があります。結果、足をさかんに組み替えるようになるのです。
またこのときの、つま先の向きも重要になります。あなたに向いていたら、多少なりともあなたに対して心を開こうとしている意思があるのですが、よそを向いているなら、この場から逃げたい気持ちが強いのです。
これは正面から向き合いたくない気持ちによって、体が斜に構えてしまうため。悪い意味で、気持ちに余裕をなくしているのがわかります。
まとめ
核心をつかれたときに人が取る行動について、ご理解いただけましたか?
ただ、世の中には息を吸うように自然体で嘘がつける人間もいます。舞台で役者が演技をするように、その場限りで嘘を真実と信じ込むことができる上に、相手の目を真っすぐ見て嘘がつけるのでタチが悪いのです。
このようなタイプには、近づかないのが一番。気をつけてくださいね。