人気恋愛リアリティー番組に出演していた女性など、著名人のSNSに寄せられる誹謗中傷に関して、連日のように報道されていますね。
匿名性の高いSNSでは、たとえ相手が有名人でなくても、誹謗中傷は日常茶飯事。怖いことに、このような誹謗中傷はストーカーを生み出すきっかけとなるのです。今回は、そんな心理について解説します。
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最初はただの暇つぶし
SNS上で誹謗中傷する人の多くは、使命感にかられて書き込んだわけではありません。最初はほんの暇つぶし、たぶん、その程度の気持ちです。なぜそんな「軽い気持ち」が「ストーカー心理」に成長してしまうのでしょうか。
本当にどうでもいい相手なら、そもそも言葉をかけません。意見を書き込むというのは、相手に対して多少なりとも「興味」あるいは「好意」があるからです。
「好意」なら、誹謗中傷はしないのでは?と思うでしょう。「愛憎」という言葉があるとおり、「愛情」と「憎悪」はとても親しい関係にいます。
人間は、アンビバレンツな感情(両価感情)を同時に抱けるのです。ただ、ここでいう「愛情」とは、厳密にいえば「恋愛感情」とは異なります。それは「自分にかまってほしい」「自分が満たされたい」と願う、「自己愛」なのです。
好意がある、あるいは嫌悪感を抱いた相手に対して、最初は軽い気持ちで「悪口」を書き連ねます。賛同する人が現れると味方を得た気がして、後押しされるように感じます。
さらに個人を特定できないSNSという世界。そうなったとき「理性のストッパー」が働かなくなる人が、残念ながら一定数いるのです。相手に対して「何をやってもいいのだ」と勘違いし、悪質な行為を継続的にやり始めます。
ストーカー心理の目覚め
陰口程度の悪口ならば、多少傷つくもののスルーしたほうが得策。しかし、内容が人格否定や個人の生活への干渉といった過激な内容になると、脅威を感じますよね。
ここで「こういうことは止めてください」と注意したら、どうなるでしょう。残念ながら、悪口を誹謗中傷する人の多くが喜びます。自分の言葉に対して「反応を引き出せた」ことがうれしいのです。
リアクションしてほしい人にとって、必ずしも喜びや賛美といったプラスのものでなくても構いません。むしろ恐れ・脅威・怖気といったマイナスのリアクションのほうが、自分の言葉で相手の感情をコントロールしている、と感じられます。
「相手を支配している」という錯覚に陥ることができ、一種の興奮を覚えるのです。獲物を追い、相手が恐れおののく様を見て楽しむ。これはまさに「ストーカー心理」といえるでしょう。
所有欲に変貌
ストーカー心理の厄介なところは、ほうっておくとさらに加速し、やがて被害者を「自分のものだ」と錯覚し始める点です。自分の都合で泣いたり笑ったりしている、相手を支配しているんだという妄想が、やがて自分だけが支配したい、という願望に変換されます。
これが所有欲となり、相手が自分の意に沿わないことをすると理不尽さを感じるのです。さらに、相手を傷つけてでも「教育」しなければ、と思い込みます。
意外かもしれませんが、ストーカー気質な人は依存性が高く、自己価値を認められません。精神的に自立できないからこそ、つながりに執着し、支配でもってつなぎとめようとするのです。
始末の悪いことに本人は「悪ふざけ」程度の気持ちで、「ストーカーしている自覚」がありません。そこにあるのは未熟な自分を徹底的に認めようとしない、己を省みることができない、「エゴイズム」なのです。
まとめ
関心がある相手に自分の言葉を届けたい。最初はそれだけの気持ちだったはず。いつか暴走を始め、やがて相手を殺しなかねない犯罪となるのです。書き込んだ言葉は、いつか自分に跳ね返ってきます。十分に注意してくださいね。