数々のWEBメディアで恋愛コラムを執筆し、恋に悩める女性たちを救済してきた恋愛マイスター・ひとみしょう。長年の経験から培った独自の恋愛論で男心を解説します! 出会い、交際、別れ、結婚…などにまつわる“男の本音”をこっそり教えましょう。
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恋愛マイスター・ひとみしょうの男子学入門70
なんとなく淋しくて、つい誰かとエッチしちゃって、終わったあと後悔する……みたいな経験を何度かすれば、ふつうの精神の持ち主であれば、それなりに自己嫌悪に陥ると思います。
でもぶっちゃけ、そういう経験って、後悔するほどのことでもなかったりします。そもそもエッチに倫理観をくっつけて解釈するから後悔するわけで、本来、エッチと倫理は別ものなのです。
とくに今の日本には、なぜか、エッチと倫理をくっつけて考えたがる人が多いですが、本来は、エッチと倫理は別の問題です。エッチはエッチとしてただそこにあるものだからです。
とはいうものの、なんとなく淋しいからという理由でエッチしてしまう人に問題点がないわけではありません。
なぜ淋しいという理由でエッチするのか?
なんとなく淋しいという理由でエッチしてしまう人とは、過去に生きている人です。元カレのことが忘れられず、元カレの思い出(過去)に生きている人とか。
あるいは、受験に失敗した経験(過去)を、今でも引きずっており、「しょせんわたしなんか生きていても意味がないし」と思っている人とか。
過去に生きると、なぜ暗闇にまぎれてエッチするようになるのかといえば、手っ取り早く「今」を生きている感じを得られるのがエッチだからです。
エッチの最中って、たいていの場合、コトに集中しますよね。「元カレのはこんなんではなかった」などと回想しつつコトに及ぶ人もいなくはないけれど、でもそういう人だって「今」に集中するときがあるはずです。
なぜ「今」に集中してしまうときがあるのかといえば、過去につながれている心は、じつは「今」を感じたがっているからです。でも、過去につながれた心は、強烈につながれているから、ちょっとやそっとのことでは「今」を感じることができないんですね。
そこでエッチの出番なのです。エッチの最中は過去を瞬間であれ忘れることができ、「今」を生きられると、わたしたちはなぜか知っているのです。
要するに何が問題?
つまり、なんとなく淋しいからという理由でエッチしちゃう人は、「今」を生きていない、すなわち、生きる希望を見出せていないということなのです。
たとえば、セフレとエッチするうちに、相手のことを好きになって「これって恋なのでしょうか?」と言っている人の8割は、疑似恋愛です。
自分で生きる希望を見出せないまま、過去につながれている苦しい心を、つかのま解放してくれる相手に恵まれてよかったですね、ということであって、それと恋愛とはまた別なのです。
恋愛とは、男女お互いに、あるていど希望を自家発電できるようになってはじめて成立するイーブンな関係をいいます。
希望の見出し方
しばしば小説家が言うように、エッチは自己治癒力を秘めている行為だとぼくも思います。
ヤルごとに心がすり減ってゆく感じのするエッチであっても、じつは長い目で見れば、過去に縛られた心を解き放つための「儀式」だったりすることもあるのです。
なので、なんとなく淋しいという気持ちが消えてなくなってくれるまで、せっせとエッチし続けても、べつにかまわないと思います。そうすることで、やがて心に希望が萌芽すればしめたものです。
がしかし、わたしたちはエッチばかりしていられないので、別の方法を述べるなら、他人に見せたくない過去の自分を見せることのできる相手を見つけ、自分の内面を話すことです。
なんとなく淋しいからという理由でエッチする人は、挫折経験など、なんらかの他人に隠している過去があるはずです。それを見せられる人を見つけて、見せること!
それがセフレの彼氏でもいいじゃないですか。エッチばかりしないで、自分の挫折経験を彼に話すことです。そしたら99.9%の確率で、彼も「じつはおれもさぁ」と自分の挫折経験を話してきますから。
出口のない世界がイヤであれば…
忘れえぬ挫折経験のように他人に言いづらい過去を、わたしたちは自他に対して隠そう隠そうとします。だから、どんどん暗がりに生きるようになります。
がしかし、わたしたちの心は、過去ではなく今を感じるようにできているので、ことさら暗がりに生きることに反抗します。あなたの心が、暗がりにまぎれこもうとするあなたの行為に、反抗するのです。
これが、なんとなく淋しいからという理由でエッチしてしまう人の心の構造なのです。なんとなく淋しい身体にエッチは心地よいから、気がすむまでヤレばいいと思います。
でも、そんな出口のない世界がイヤであれば、ぜひ今日お話したことを参考になさってみてください。あなたはいつかかならず、希望の世界に行くことができます。
※参考 キルケゴール・S/鈴木祐丞訳(2017)『死に至る病』講談社
※毎週木曜日更新