付き合う前、大概のカップルは相手のすべてを受け入れようとしますが、一旦付き合ってしまうと、今度は相手にさまざまな要望を抱きます。
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常にパートナーに対して一切不満がない、という男女はまれ。大概、大なり小なり相手に成長を求めているでしょう。
そして、成長を促すために助言をしているつもりで、実は相手をコントロールするのが目的というケースがあります。「アドバイス」と「支配」、その線引きはどこでしょうか。
ふたつの違い
例えば、彼氏から「君は明るい色が似合うから、もっとパステルカラーな服を着るといいよ」と言われたら、うれしくなりますよね。本当に似合うかどうかは置いておいて、自分の良さをより際立たせようとするその気持ちに胸がときめきます。
これが「他の男に見せたくないから、ミニスカートをはかないで」だったらどうでしょう。人によっては彼の「独占欲」が愛情から生まれていると感じられ、うれしいかもしれません。
しかし、この発言にあるのは、相手の「自分らしく装う自由」を殺してでも「不快になりたくない」「不安に思いたくない」という自分の気持ちを優先させたい、そんな自己都合なのです。
前者は「成長のためのアドバイス」で後者は「支配」になります。このふたつは、とても似ているようでその根本にあるものがまったく異なるのです。
根本にひそむもの
そもそもなぜ、人は恋人に助言をするのでしょうか。それは、相手によりよい人生を歩んでほしいからであり、その改善によって二人の関係が向上すると考えるからですね。
恋愛に限らず、どんな人間関係にも言えることですが、お互いに仲良く過ごすためには、大なり小なり「すり合わせ」が必要。どのカップルも何らかの「課題」を抱えていて、それをクリアするための努力を望むのです。こちらが「成長のためのアドバイス」になります。
つまり、そこには「一緒に幸せになりたい」という二人目線での思考があるのです。
一方「支配」は、先の例でも述べた通り、「自分が快適であること」をのみ追及しています。あたかも相手の利益であるかのように見せかけ、その実、自分の想いを押しつけているだけ。そのことにより、相手が不利益をこうむってもかまわないのです。
「常に自分のことしか考えない」という、一人目線の思考。それが「支配」の根本になります。
支配する人々の理屈
難しいのは、「支配」をする人の多くは悪意があってそうしているわけではない、という点です。本人は心から「成長のためのアドバイス」をしていると思い込んでいます。
自分の行動を客観的に分析できないし、しようとしません。それは「支配」が「自分に自信がない」ことの裏返しだからです。
一見、自信満々そうに見えても、心の底では「自分を受け入れてくれる人はいない」との想いがあります。長所も欠点も含めてそれが自分である、と己を受け入れることができないので、他人が自分を受け止めてくれるとは思えないんですね。
結果、付き合った相手がいつか離れてしまうのではないか、という不安に駆られます。それを排除するため、相手の人間性や倫理観などを壊し、「自分なしではいられない人間」にしてつなぎとめようとするのです。
これは、まさに「モラハラ」に見られる思考回路になります。自分の好みを押しつける程度のかわいいものならばいいのですが、「支配」と言えるほど強い抑圧をかけてくるなら、その人はモラハラ男、あるいはその予備軍である可能性が非常に高いでしょう。
まとめ
「成長のためのアドバイス」と「支配」の境界線、ご理解いただけましたでしょうか。
あなたは「彼のため」といって、自分都合を押しつけてはいませんか?気づかぬうちに「支配」しようとしないように、気をつけてくださいね。