6月29日は「星の王子さまの日」。『星の王子さま』の著者アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの誕生日です。
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彼はいくつもの名言を残していますが、その中でもよく知られているのは「愛、それはただ互いに見つめ合うことではなく、ふたりが同じ方向を見つめることである」。なんとも深いですよね…。
今回は『星の王子さま』のストーリーを振り返りつつ、「愛すること」について今一度、考えてみたいと思います。
バラのモデルは作者の妻
まずは『星の王子さま』のお話を少し。
王子さまは自分の星に咲いた一輪のバラを大切に育てているのですが、このバラはわがままでプライドが高く女王さま気質。王子さまは愛想を尽かし、バラを残して違う星へと旅立ちます。
その後、さまざまな星を巡り、本当に大切で愛しているのは「あのバラだけ」だと気づいた王子さまは、自分の星に帰ろうと決心し…。
実は、このバラのモデルだと言われているのが、著者の妻コンスエロ。彼女は自由奔放でとってもわがまま。そして喘息持ち。物語の中のバラもよく咳をしているのです。
一方、妻から見たら夫は自己中で浮気者。ふたりの結婚生活は仲違いと仲直りの連続で、激しいケンカを繰り返していたと言います。どうしようもなく傷つけ合ってしまうのに、お互いを求めずにはいられなかったようで…。
彼が最後に送った手紙にはこう記されています。
「無事に戦争から生還できたら、『星の王子さま』の続編を書こう。タイトルは『星の王女さま』。君はもう、トゲのあるバラではないだろう。いつも星の王子さまを待つ、夢の王女さまとなるだろう」(岩波書店『サン=テグジュペリ伝説の愛』より)
けれども、この約束は果たされることはありませんでした。
好きなのに傷つけ合うのはなぜ?
サン=テグジュペリとコンスエロもそうですが、どうして私たちは愛する人を傷つけてしまうのでしょうか…?似たような経験がある、という女性たちに聞いてみました。 「何をされたら相手が一番悲しむかを知ってるので、イラつくことがあると、ついそれをやっちゃうんです」(29歳/営業) 「遠慮なく本音をぶつけても、許される気がして…」(27歳/会社員) 「この人なら受けとめてくれるって甘えがあるので。だからこそ、感情の抑制が効かなくなります」(30歳/美容関係)
少々のことではこの関係は破綻しない、と安心している。彼は自分のすべてを受け入れてくれるはず…。揺らぐことのない信頼関係が構築されているから、というのが主な理由みたいです。
いちばん大切なものって何だろう?
さて、『星の王子さま』の物語には、後世まで語り継がれるいくつもの名言がちりばめられています。そのひとつが、キツネが王子さまに語ったこの言葉。
「いちばん大切なことは、目には見えない」
優しさ・愛情・信頼…形はないけれど確かにそこにあるもの。それに気づき、感謝することこそが「恋人同士が本当に幸せになる方法」なのかもしれません。
失ってからその重要性を認識しても、時すでに遅し。そんな苦い経験をした人も少なくないようです。 「仕事が忙しくて、なかなか会えない彼に不満ばかりもらしてました。でも、それは相手が、そのプロジェクトが成功したら、プロポーズしようと考えて頑張ってくれてたからだったんです」(27歳/会社員) 「同棲してた恋人へのイライラが募って別れを告げました。ひとりになってから、眠るときに優しく頭をなでてくれたことや、いつも仕事の愚痴を聞いてくれたことを思い出して…今もつらいです」(29歳/医療関係)
何事も当たり前になると、そのありがたみを忘れてしまいがち。でも「絆を結んだものには永遠に責任を持たなければいけない」のです(これもキツネの台詞)。
そのことを心にとどめておける人こそ、幸せになる権利があるのかも。
あなたの大切なものはなんですか?
子どもの頃に読んだ『星の王子さま』。大人になり、男女の心の機微や愛情について理解してから再び読み返すと、その奥深さにハッとさせられます。
「愛するとはどういうこと?」悩んだり、立ち止まったりしたときには、この物語のページをめくってみましょう。自分だけの答えが見つかるかもしれません。