夫を巡る妻と愛人のバトルを描いた『あなたには渡さない』(テレビ朝日系)は、連城三紀彦さんの小説『隠れ菊』を元ネタとした愛憎劇。
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過去にも何度かドラマ化されていて、今回はヒロインが木村佳乃さん、その夫は萩原聖人さん、愛人が水野美紀さんという配役になっています。
ただ女同士の戦いというだけにとどまらない、思わぬところに本音とやさしさが潜む複雑な人間模様をどう演じるのか…今注目のドラマです。
偽装する人々
上島通子(木村さん)は専業主婦。お見合いで出会った、浜名湖畔にある料亭「花ずみ」の板長・旬平(萩原さん)に嫁いでいます。
ある日、旬平に指示されて、通子は店の取引先である造り酒屋「矢萩商店」の主人と会うことに。主人というからには男性なのかと思っていたら、着物姿の麗しい女性・矢萩多衣(水野さん)でした。
二人はホテルの喫茶店で話すのですが、多衣はにっこり笑って「私、ご主人をいただきにきました」と突然の宣戦布告。
そう、多衣は旬平の愛人で、実は6年もの間、不倫をしていたのでした。どういうことかと旬平に問いただす通子。そこである衝撃の事実を知ります。
「花ずみ」自体の経営が思わしくなく店をたたむことになる、と。自分は借金を負うことになるが、通子には負わせたくないので偽装離婚をしてほしいというのです。
通子は最後には離婚を承諾し、旬平と新しい店を始めるための資金を多衣に用意してほしいと迫ります。このあたりは、共感できる人・できない人にわかれるところでしょう。
資金を提供してもらうというのは、今後も多衣とのつながりが続くということ。実際、店を運営するにあたって多衣は素晴らしいアドバイザーとなります。
ただ一方で、旬平に愛情を抱く同士、心やすらかになれない関係も続いていきます。浮気相手とのつながりは、できれば遠ざけたいと思う人が多いのではないでしょうか。
女性の嫉妬は敵対心に現れる
浮気が判明して強い嫉妬を感じたとき、あなたはどのような行動をとると思いますか?大概の女性は、浮気相手と「接点がないようにしたい」と考えるでしょう。
これは、自分の地位を脅かすような存在に対して強い嫉妬を感じるので、不快の原因を遠ざけたいとする心理が働くからです。
このような心理は女性に多く見られます。そして男性も同じかというと、実は違うのです。
男性の嫉妬は攻撃性に現れる
人は状況に応じて、脳内で生体ホルモンが分泌されます。例えば嫌いな人と対面した、あるいは職場などでパワハラやモラハラを受けたときには、緊張感や恐怖感を起こす「アドレナリン」が大量に分泌されるのです。
他にも、不快な相手や状況に対して打って出ていくようなとき、戦闘的心理状態へと移行させる「ノルアドレナリン」が分泌されます。
心理学者David M. Buss(デイビッド・M・バス)が行った実験によると、男性の多くが「(パートナーが)浮気したかもしれない」という話を耳にしただけでアドレナリン・ノルアドレナリンが大量に分泌される、との結果が出ました。
これは、男性が抱く独占欲がどちらかというと、所有欲に近いことに起因しています。
そのため事実はどうあれ「浮気したかもしれない」と疑いが生じた時点で別離の不安を感じ、さらには「自尊心を傷つけられた」という怒りに変換されるのです。
女性のように浮気相手を遠ざけようとするのではなく、浮気した女性に対して攻撃性を発揮するのが男性の嫉妬の特質になります。
また、女性より男性のほうが未練を断ち切れないのも、このような脳構造の違いが影響していると思われます。
まとめ
「男女の嫉妬の違い」による心理学、ご理解いただけましたでしょうか。
もちろん、すべての男性が攻撃的になるわけではありません。ただ、ストーカーになりやすい人ほど、こういった特質が顕著です。
独占欲が強い=愛情が深いわけではないので、ご注意ください。