2018.11.09

これは不器用に生きる、あなた自身のラブストーリー…映画『生きてるだけで、愛。』

Loading
main

「生きてるだけで、ほんと疲れる」
そう感じたことはありませんか?もし「ある」なら、以下のテストを試してみましょう。

□ 愛するのも 愛されるのも下手
□ ダメな自分にイライラする
□ 誰よりも寂しがり屋だ
□ 優しくされると不機嫌になる
□ 軽くいなされるとムカつく
□ 本当は誰かとつながりたい
□ 誰ともわかり合えない気がする

ご自身に当てはまるものはいくつあったでしょうか?

不器用な2人の姿から目が離せない

上記のうち、1つでも当てはまったなら、きっとあなたはヒロイン・寧子のように繊細で人の気持ちに敏感なタイプです。

そんなあなたは、今すぐこの作品を観たほうがいいでしょう。痛々しくも愛おしい寧子に自分を重ねれば、いろいろなことを考えさせられ、自身の“生きづらさ”と向き合う勇気をもらえるかもしれません。

11月9日スタートの映画『生きてるだけで、愛。』は、〈愛することにも愛されることにも不器用で関係が成就する前に自ら壊してしまうような女〉=寧子と〈他人と距離を保つことで傷つきも傷つけもしないけれどすべてをあきらめているような男〉=津奈木の心情を綴るラブストーリー。

今を懸命に生きる2人は、あなたとあなたが愛した彼のよう。わかり合いたいのにわかり合えず、満たされなくて、でもつながっていたい……切ないほどに不器用な彼らの姿から目が離せないこと請け合いです。

寧子と津奈木は「共依存」関係?

寧子(趣里)と津奈木(菅田将暉)は同棲して3年のカップル。鬱が招く過眠症のせいで引きこもり状態の寧子は、日がな1日、布団の中で惰眠をむさぼっています。

一方の津奈木は、文学を志して出版社に入ったものの、週刊誌の編集部でゴシップ記事の執筆に明け暮れる日々。やりがいを感じることもなく、淡々と仕事をこなす彼は死んだ魚の目をして家と会社を往復します。

完全に破綻しているように見える2人が一緒にいるのは、“いびつ”な自分を受けとめてくれる相手を必要としているから。これって心理学でいう「共依存」状態なんでしょうね。

寧子は、経済的にも精神的にも負担をかけるという意味で津奈木に依存していますが、津奈木は津奈木で、自分の存在価値を見出すために寧子に依存している様子。

自己肯定感を高めるために行動を起こすのではなく、自分なしでは生きられない存在がいることを、とりあえず「価値」と捉え、自身を納得させている印象です。

顔を合わせれば寧子は津奈木に理不尽に感情をぶつけ、同じ布団で眠ることもない2人。もはや男と女とも言えない危うさをはらんだ……でもエンドレスに続きそうな不思議な関係に、ある日変化が訪れます。

強烈キャラの痛いお姉さん登場

それは寧子の前に、津奈木の元カノ・安堂(仲 里依紗)が現れたこと。津奈木に未練がある安堂は、寧子と別れさせて彼を取り戻すべく、寧子の社会復帰と自立を手助けしようとするのです。

寧子は外の世界と関わらざるを得なくなり、安堂の紹介で半ば強制的にカフェバーでのバイトをスタートすることに。

この安堂のキャラクターがまた強烈で。パッと見、仕事がデキるきれいなお姉さん風なのですが、ヨリを戻すためにとにかく必死。

自分は正しいと思い込み、人の話を聞かずに突っ走る様はあまりにも痛々しく、これまた「身近にいそう」もしくは「いつぞやの私?」という気持ちにさせられます。

彼女は他人の心の痛みに鈍感で、自分の痛みには敏感な人。だから上から目線で相手が傷つくようなことをまくしたてますが、自分が同じ目に遭うことは許せません。

安堂=他人の心の痛みに鈍感で、自分の痛みには敏感。
寧子=自分だけでなく、他人の気持ちにも敏感。
津奈木=鈍感なふりをして心を閉ざし、人に対して肯定も否定もしない。

その3者の違いも興味深く、こんな人は嫌とか、共感できるけどしたくない、なんて気分にさせられたりも。

一瞬でもわかり合えたと信じたい

時に過呼吸気味に話す寧子のセリフには、いくつもの名言があるのですが、その1つが「私は、私と別れることができない」です。

仕事、恋人、友達……たとえ全てを捨ててもつきまとう“自分”を持て余している人は少なくないでしょう。

普段、そのことを忘れたふりをしながら過ごしている私たちだって苦しいのだから、自分でもコントロールできないほどのエネルギーを持つ“自分”と向き合い続ける寧子が「生きてるだけで、ほんと疲れる」のは当然かもしれません。

そして、満身創痍になりながらも「自分という存在」をわかってほしい、一瞬でも誰かとわかり合えたと思える瞬間を信じたい、とばかりにもがく寧子を、力の限り抱きしめたくなるのは津奈木だけではないはず。

――もう一生、誰にもわかってもらえなくてもいいから。(あなただけには)わかってほしい。私のことを。

そんな彼女の心の叫びが伝わるラストシーンの美しさは格別です。そこにあるのは真実の愛なのか、それとも……。

最後に、この映画に寄せられた漫画家・鳥飼茜さんの言葉をお届けします。

「いつも言葉が通じていない『私』と誰かの合間に生きてる思いが行き交う、たった一息の間が描かれている。それはとても美しいから、最後の一瞬まで逃さず見届けて欲しい。」

【STORY】

生きてるだけで、ほんと疲れる。鬱が招く過眠症のせいで引きこもり状態の寧子と、出版社でゴシップ記事の執筆に明け暮れながら寧子との同棲を続けている津奈木。そこへ津奈木の元カノが現れたことから、寧子は外の世界と関わらざるを得なくなり、二人の関係にも変化が訪れるが……。

11月9日(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショー!
『生きてるだけで、愛。』
出演:趣里、菅田将暉、田中哲司、西田尚美/松重豊/石橋静河、織田梨沙/仲 里依紗
原作:本谷有希子『生きてるだけで、愛。』(新潮文庫刊)
監督・脚本:関根光才
配給:クロックワークス

©2018『生きてるだけで、愛。』製作委員会
『生きてるだけで、愛。』

ライタープロフィール

Kawauso
紙媒体とWeb媒体を行ったり来たり。お酒、本、映画、旅をこよなく愛する独女。次に行きたい所はチリとペルー。あとブータン。
記事一覧へ


 

この記事の関連キーワード

今日の恋愛予報 12星座ランキング

  • 文月悠光 12星座の恋愛詩
  • ディグラム・キハラ恋愛研究所
  • 恋愛酒場“泣きっ面にヒロシ”
  • カレー沢薫「アクマの辞典」
  • ラブホスタッフ上野さんのダメ男子図鑑
  • 有村藍里×Hoshi「はじめての手相占い」
  • 辛酸なめ子の なめココロ
  • ハンコ王子ロマくんの姓名判断レッスン
  • 木曜インタビューただし、イケメンに限る
  • ムンロ王子のシンデレラへの道
  • 雨宮まみの相談コーナー
  • 加藤まや 新月満月の占い

ランキング

人気のキーワード

  • 使えばもれなく開運!超運ダイアリー
  • LINE@
  • 石井ゆかり 12星座別今週の占い
  • 誕生日占いパレット
  • 相性占い特集