「王子様」みたいな男性っていますよね。整った容姿、素敵に見えてしまう職業、パーフェクトな気がする経歴…思わず恋に落ちそう。でも、それって本当に王子様なんでしょうか?作詞家として華やかな世界もたっぷり見てきた緒田茉莉が、様々な男性を分析していきます。
<<【第13回】「女性を見たら瞬時にアリ・ナシ判断をしてる!?…男子校出身の男」
おしゃべりな男
思えば男は無口、女はおしゃべりというのが昭和のスタンダードだった気がする。
「男のくせにおしゃべり!」なんてかつては言われたらしいが、平成も終わろうとする今じゃ、無口な男はコミュニケーション力が足りないと言われてしまうこともある。100年程度で価値観がこんなにも変わるとは!
時代の変化、恐るべし。
おしゃべりな男と聞いた時、そこには未だに否定的なニュアンスが含まれる。
おしゃべりが上手で、場を盛り上げたり、気遣いが出来たりする男は「おしゃべりな男」という形容はされない。「楽しい男」、「最高な男」、「出来る男」…最上級の褒め言葉が並ぶのが「おしゃべり上手な男」である。
トップ営業マンはこのタイプが多い。ただよくしゃべるだけならトップは取れない。
相手の様子を見ながら駆け引きするなど、状況を的確に観察した上で巧みなしゃべりが出来てこそトップになれるってもんだ。
なぜかつまらない、おしゃべりな男の話
ではやや冷ややかに「おしゃべりな男」と言われてしまうのはどんな男なのだろう。
おしゃべりはコミュニケーションの手段であるわけで、それは話す側と聞く側が互いに心地よい状態であってこそ、「楽しい」と感じる。一方的に話し続けられたら、途中で聞くのが嫌になるもんだ。
また興味のないことや、内容のない薄っぺらい話を聞き続けるのも苦痛だ。つまり聞く相手のことなどお構いなしのおしゃべりは最悪なのである。
学校の始業式での校長先生のお話、結婚式の主賓の挨拶、延々と誰も興味のない話を続ける人もいれば、最初は聞く気がなかったのについつい引き込まれるように聞いてしまう話をする人もいる。
それが事前準備万端の話でも、下手な人は下手。その場で急遽指名された挨拶であっても、上手な人は上手。話す人自身が視点を変えなければ、その差は決して埋められない。
つまらない話を聞かせてやろうと思って話す人はなかなかいない。
ではどうして結果的につまらない話をするはめになってしまうのか。
「おしゃべりな男」と揶揄されるのが「つまらない話」「興味のない話」「内容の薄っぺらい話」を延々としてした結果なのだとしたら、どうしてその男は途中で引き返せなかったのだろう。
よほど鈍感な男でない限り、話の途中で「あれ?なんか興味を引いていない?」「もしかして盛り下がってる?」という空気を少しくらいは感じたはずだ。そこで勇気ある撤退が出来ていれば結果は違ってくる。気まずい雰囲気になろうともその話を止め、一度クールダウンする。
挽回のチャンスはきっとやってくると信じて、負けを認められるかどうかなのだ。
この勇気ある撤退が出来ない男は、ただただ話を続け、言葉を重ね、傷口を広げていく完全な自滅パターン。こんなはずじゃなかった自分が残るだけである。
人は自信がないと口数が多くなる。
誰でもできることなら、他人から良く思われたいものだ。認めてほしいと思うからたくさんの言葉を並べて、自分を着飾ってみせる。
おしゃべりな男というのは実は承認欲求が強いがゆえの行動である。自分のちっぽけさも薄々気づいていて、でも本当の自分はもっと出来るんだと信じていたい。本当は寂しがりやだったり、甘えたいタイプも多い。あぁ、なかなかややこしい。
おしゃべりな男の弱点とは…
あなたが、弱さゆえのおしゃべりに母性本能をくすぐられてしまうなら、その男と上手くやっていけるかもしれない。でも気をつけて。おしゃべりな男の中には喧嘩になったとき、ひどい言葉を投げかけてくるヤツもいる。
その場の勢いで思っていないことまで言ってしまうのが本当のところだが、傷つくのはあなただ。
そんなときはぜひ、一度口に出してしまった言葉は取り返しがつかないことを存分に思い知らせてやって欲しい。私がこのタイプの男への攻撃で、最も効果的だった方法を伝授しておく。
口喧嘩で対抗してもあまり効き目がないのがこのタイプ。ヤツらの弱み、それは沈黙である。ヤツらがヒートアップして好き勝手なことを言いたい放題だったとしても、ただじっと黙って見つめてやるのだ。あなたのクールビューティな眼差しと沈黙に耐えられず、ヤツらはそわそわし始める。内心はらわた煮えくり返っていても、じっと我慢で聞き流してやって欲しい。
そしてヤツらがあなたの沈黙に緊張Maxで限界にさしかかったら、ズバっと一言キツーいのをお見舞いするのだ。ぜひその一言はあなたのセンスで来たるべき日のために日頃から吟味しておいて欲しい。
選び抜かれたその一言はヤツらを瀕死の状態にするだろう。反省の色が見られたら許してもいいし、トドメをさしてsay good byeしてもいい。
ペラペラとよくしゃべるオリラジ藤森タイプには、昭和の名優・高倉健スタイルで攻めるに限ることを、平成最後の夏の終わりにお伝えしておくよ。健闘を祈る!