5月25日に映画『恋は雨上がりのように』が公開されました。
短距離走者のエースだった女子高生あきら(小松菜奈さん)は練習中、アキレス腱に大ケガを負ってしまいます。
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未来への希望を見失って呆然と過ごしていたある日、ファミレス「ガーデン」店長の近藤(大泉洋さん)と知り合った彼女。
近藤はバツイチ子持ちで、30歳近く年上の冴えない中年男です。でも彼の中にある控えめな優しさに触れたとき、恋が走り出し…。
上手くいかない年の差カップルの共通点
一杯の珈琲から始まった恋。
あきらは近藤に対して、ストレートに気持ちをぶつけます。しかし、近藤はあきらの気持ちに全く気づきません。
それもそのはず、二人は親子ほども年が離れていて、しかも近藤自身は典型的な「おじさん」で、自分が若い子の恋愛対象になるとも思えず…。
でも、あきらは無鉄砲なくらい実直に、自分の気持ちを伝え続けます。
やがて近藤も徐々にあきらに惹かれていきますが、心のどこかで自然とブレーキがかかるのを感じていました。
一部の肉食男性を除き、大概は「こんなに年が離れていては恋愛対象として見てくれないだろう」と考えがち。そのため、年の差がある男女が同時に恋愛のステージに立つには時間がかかることが多いのです。
けれど、だからといって恋愛が成立しないわけではなく、世の中にはたくさんの年の差カップルが存在しています。
ただ、残念ながら別れてしまうカップルの多くには、ある共通点が。それは、いったい何でしょうか?
恋愛なのか承認なのか
社会人になりたての頃は、職場環境に確固たる社会的地位を築きたいという強い想いを抱きがち。
時間の経過とともに仕事に慣れ、役職がつくなどして、社会的アイデンティティが確立していきます。
そうなると今度は、職場とは離れた人間関係で「特別な存在」として受け入れてほしい、という「承認欲求」が強くなるんです。
人間は年相応の魅力があるものですが、中年期を迎えた人の中には性的魅力に自信が持てず、現役ではなくなるという焦りを抱く人がいます。
自尊心を高めてくれるような相手を求め、「中年の危機」を忘れさせてくれるロマンスに対して盲目になってしまうのです。
一方、精神的に未熟な十代は「大人」として扱われることへの憧れが強く、大人の異性に女性として認めてもらうことで、自分も「大人」の仲間入りができるような気になるんですね。
そうした「背伸び」も、ひとつの自己アイデンティティの構築といえます。
このように、恋愛が「性的な自我意識」を保つための手段となってしまったカップルは、遅かれ早かれ、別れに至るケースが多いのです。
年の差を越えた先にあるもの
「承認」を求めるあまり関係が崩壊してしまうのは、何も年の差カップルに限りません。
例えば、自分に自信がなさすぎて、常に恋人に「好き」と言ってもらわないと自分を保てないような付き合いをしている人も同じです。
それは「依存」であって、「恋愛」ではありません。恋人を、自己アイデンティティを築くための道具にしているにすぎないのです。
「承認」を求めるのは「自分都合」でしかなく、「相手」と向きあっているようで「自分」しか見ていません。それでは「恋に恋している」のと一緒でしょう。
恋愛とは、利他的な視点も踏まえて自分がどうあるべきかを考え、歩み寄りながら二人だけの歩調を築いていく行為です。
逆の言い方をすれば、そういった「二人三脚」ができるなら、年の差なんて関係なく、どれだけ離れていようとベストパートナーになれるでしょう。
まとめ
年の差カップルの落とし穴について、ご理解いただけましたでしょうか。
相手を自己実現の道具にするのは、恋愛以前の問題です。
あなたはちゃんと、好きな人を見据えて恋愛していますか?今一度、考えてみてくださいね。
(※2018年5月26日 10:45 公開記事)