「あざとかわいい」という言葉が生まれたのはいつ頃だったのか…。はっきりとはわかりませんが、気づいたら、その手の女性は恋愛上手、というイメージが浸透していましたよね。
漫画『臨死!!江古田ちゃん』(講談社)に登場する猛禽(猛禽類のように狙った獲物=男性を逃がさない、一見ゆるふわのモテ女子)しかり、『失恋ショコラティエ』の小悪魔女子・紗絵子(石原さとみさん)しかり。
同性はそのあざとさをすぐに見抜くけど、男性はコロッとだまされてしまうことも多く、周囲の女性たちがやきもきする、なんて話を聞くことも。
あざとさは大事!
でも、恋をするうえで、いえ、普通の人間関係においても、ある程度のあざとさって大事だと思います。
前述の紗絵子もこう言っていました。
「お菓子だって味がおいしいだけで十分なのに、それでも売るためには形や色をかわいくしたり愛される努力が必要。人の気を引く努力をしてる人が好かれてるんだと思うんですよね」
必要以上にぶりっ子をするのはNGだけど、見た目や話し方をかわいく、感じ良くすれば、その分だけ人から好かれ、友達や恋人ができやすくなる。
それは当然と言えば当然のこと。
ただ、「あざとい」って言い換えれば「腹黒い」なんですよね。
「あざとい」はギリOKな感じがするけど、「腹黒い」だと同性のみならず、男性からも嫌われてしまいそうなイメージがあるのですが…。
腹黒だと恋が上手くいかない?
実際、株式会社オウチーノが20~39歳の女性を対象に行った調査によると、「私は腹黒い」という自覚を持つ女性の18.2%は、その性格のせいで「恋愛に支障を来たしたことがある」のだとか。
理由は
◆「初めは相手の前で自分を飾っているが、長続きしない」(36歳)
◆「裏を読みすぎて素直さや純粋さがないと判断される」(33歳)
など。
彼女たちの場合は、腹黒いというより、むしろ不器用な感じもしますが、これ以外だと「腹黒さゆえに浮気をし、バレて修羅場になった」人も多かったそう。
腹黒い人って、しれっとした顔で二股をかけたりできちゃうタイプなのかも。恐ろしや。
浮気性の女性は一見モテるように見えますが、バレたら信用を失うし、結婚市場では敬遠されがち。そう思うと、非モテの一種と言えなくもないですよね?
「あざとい」と「腹黒い」の違いは?
「あざとい」と「腹黒い」はほぼ同義語なのに、なぜモテと非モテに分かれるのか…。
辞書で調べてみたら、その理由がなんとなくわかりました。
◆あざとい
1. やり方があくどい。ずうずうしく抜け目がない。
2. 小利口である。思慮が浅い。浅はかだ。
◆腹黒い
心に何か悪だくみを持っている。陰険で意地が悪い。
要は「あざとい」人は計算高く、「腹黒い」人は根性からして悪いってこと。
それぞれの語源はというと、
◆あざとい
「やり方があくどい」「浅はか」などのほか、関西では「あどけない」の意味で使う例も。これらの意味に通じる語「あざる(戯る)」を語源とする、との説があります。
◆腹黒い
日本神話の女神イザナミの体にまとわりついていた8種類の雷のうち、お腹に発生したのは黒い雷。これが語源になったと言われています。腹黒いとは心が黒い(悪い)こと。
なるほど。
「腹黒い」は、ただただドス黒いけど、「あざとい」はかわいらしい意味合いもあるんですね。
両者のイメージを文字で表すとこんな感じ?
◆あざとい
頭/白/浅/明
◆腹黒い
心/黒/深/暗
「腹黒い」は全体的に重く、「あざとい」はちょっと軽やか。
大悪魔と小悪魔の違いぐらいはありそうです。
…ということで、「あざとい」と「腹黒い」は似て非なるもの。その違い、ご理解いただけましたでしょうか?
もし周りの人から「腹黒いよね」と言われたら、それは「心がドス黒い」と言われているということ。なので、「そんなことないよー」と笑っていないで、どうしてそう思われてしまったかを一度ちゃんと考えてみたほうがいいかもしれません。
「腹黒さ」からは早めに脱却し、“あどけなさ”を感じさせる、やりすぎない「あざとかわいさ」で、男性を翻弄したいものですね。
(※2015年07月23日 20:00 公開記事)