「モテたい」
「元カレが忘れられない」
「そもそも恋愛に向いていない気がする」
何度目の恋であっても、悩みは尽きないものですよね。中でも、
「彼の気持ちがわからない」
「心のすれ違いが多い気がする」
と悩む女性は少なくないでしょう。
でも、世の中には
「人間は言葉が通じるから楽」
と言っている人もいるんですよ!
獣医さんに聞く非言語トーク術
その方は動物園で獣医を務めるAさん(女性)。
言葉があるから楽なんて考えたこともなかった、むしろ無用な誤解や傷つけ合う原因なのに…と思った人も多いかもしれませんね。
実際、私たちの会話のうち、言葉を通して相手に伝わるメッセージは7%程度しかなく、あとはしぐさや表情など「非言語的(ノンバーバル)コミュニケーション」が占めていると言います。
にも関わらず「言葉があるから楽」ってどういうことなのでしょう。
獣医さんは言葉を持たない動物と接する職業。ということは、もしかしてそのお仕事の中には、非言語コミュニケーションの極意とか、相手の気持ちを知るためのコツとか、何か恋愛に応用できそうなテクニックがあるのかも?
それを学んだうえで言葉を交わしたら、もう怖いものなしってことなんじゃ?
…と、都合のいい解釈と下心を満載にし、Aさんに直接お話を聞いてみました。
観察から始まる、相手を知ること
「獣医だからといって、動物の気持ちがつぶさにわかる、というわけではないんですよ(笑)。ただ、毎日『大丈夫かな』と気にかけて観察することも仕事のひとつなので、それがクセになっているかもしれませんね。
相手が人間の場合も、接するたびに気をつけて見ていれば、いろいろな角度から相手の個性を知ることができますから、パートナーの気持ちを察するのも得意になるんじゃないかな、と思います」
動物は「ここが痛い」とか「だるい」と言ってくれるわけじゃないから、こちらが察するしかないですもんね。
その察する技術、対人間の場合はどのように使えばいいのでしょう?
「人間相手だと、あまりじっと見るのもアレなんで『ちょっと気にかける』というのがいいんじゃないでしょうか?ただ見る、じゃなくて『調子はどうかな』くらいのつもりで。
あと、私は“夫婦は見慣れたタンス”みたいなものだと考えていて。タンスのようにいつも使うものって、引き出しが勝手に開いていたり、ある日、キズがついていたりすると、びっくりするし違和感も覚えますよね。
それと同じで、毎日ちゃんと見て相手をよく知っているからこそ、ちょっとの変化もすぐ気づくものだと思うんです」
なるほど、日々の観察からパートナーについての情報を蓄積していくことは、一見時間がかかりそうですが、やみくもにぶつかったりすれ違ったりしながら相手を知るよりも、実は効率がいいのかもしれません!
言葉でつながろう。人間だもの
でも、察するばかりじゃなくて、自分のこともわかってほしいのが女心。
そして「言葉はそのためにある」とAさんは話します。
「人間は、言葉を使って相手の気持ちを汲めますよね。直接でなくても、誰かから遠回しに聞いたり、とかもできますし。その恩恵を最大限、利用すればいいと思います。
それに、恋愛中は言いたいことは言ったほうがいいですよ。もちろん、言い過ぎて傷つけることだってありますけど、やっぱり何でも言える間柄って、とても居心地がいいものですから。
恋のドキドキも大切ですけど、そのために我慢してても長続きはしませんよね」
男性は察するのが苦手、と言われていますから、たとえ7%しか伝わらなくても、やっぱり言葉でのコミュニケーションは大事なんですね。
これは言わないほうがいいかも、なんて配慮が必要な時ももちろんありますが、それでも、非言語の表現では絶対に伝わらないことってあるはずですから。
Aさんもこう言っていました。
「それが、動物にはないヒトとヒトとのコミュニケーションの良さだと思います」
恋愛関係にこそ「平常心」が鍵
獣医さんの仕事における心構えにも、恋の極意があることがわかりました!
その名も「平常心」。
なんだか、禅の心みたいですが、これが恋愛関係にものすごくいい影響を与えるようですよ。
「動物園は、些細なミスが命に関わるような職場なんです。動揺していたら当然ミスも増えますから、昔は職場の規則に『出がけの夫婦ゲンカは厳禁』という項目もあったほど。それだけ平常心が大事ってことですね」
これは恋愛を始めとした人間関係でも同じことが言えますね。
例えば、仕事がうまくいかないと彼氏とのケンカが増えたりすることも。でも、「平常心」があれば、こうした悪循環も防げるし、少々のトラブルにも冷静に対処できますよね。
恋愛となるとどうしても、感情に振り回されて自分を見失いがちですが、そんな中でも平常心を心がけるということは、想像していた以上に大切だったのかもしれません。
「そのためには、友達や家族など、安心して胸の内を吐き出せる場所が必要だと思いますよ。やっぱり、溜め込むのはストレスになるので」
恋の裏技を教えてもらうつもりが、人としての在り方まで教えていただいたような気がしました。
淡々と、でも優しくお話ししてくれたAさんでしたが、獣医さんの考える恋愛には
「小手先のテクニックではなく、心でぶつかっていく」そんな静かな情熱が感じられたのでした。
せっかく人間に生まれたのですから、言葉をたくさん交わして、細やかな感情をやりとりして、恋を謳歌したいものですね。
(※2015年6月15日 10:45 公開記事)