恋愛、仕事、女としての自分をこじらせ、人生に行き詰まっては占いに駆け込む生活を続けてはや五年。自伝的エッセイ『女子をこじらせて』が話題の雨宮まみが、女子と占いの「ほど良い付き合い方」を考えます!
新年ですね。みなさん、読みましたか? 毎年恒例、元旦更新、石井ゆかりさんの星座別の「年報」(※一年の運勢を占う、かなり読み応えのある占いです)を……! ここ五年以上はこれを元日に読むのが私の恒例行事です。高熱を出して寝込んだ今年の元日も、ベッドの中からiPhoneを操作し、失いかけた意識の中ですがるように熟読しました。
石井ゆかりさんの占いは、まず言葉がすばらしく、読んで救われたような気持ちになることが多く、ネガティブな言葉、否定的な言葉をあえて使ってらっしゃらないように感じます。じゃああやふやなもの言いなのか、というとそうではなく、「な、なんでそんなこと知ってるの……!?」というくらいズバッと核心に切り込んでくるような言葉があります。なので、大変に信頼しているし、心の頼みの綱として大事にしているのですが、ですが……。
今年の私の占い(天秤座です)、いいこと書いてあるんです。成功するとか、チャンスが巡ってきて成果を挙げるとか。しかし、私はその先を読んで、がっくりとうなだれてしまいました。
2012年後半から2013年の前半は、必死で勉強を続けている人が少なくないと思います」
また、この期間、精力的に距離を越えて、旅をしまくっている人もいるかもしれません」
手にしたiPhoneが手からすべり落ち、額を直撃しました。勉強……やってるわけがないじゃないですか、勉強という勉強に挫折してきたから今があるわけで……。距離を越えて旅と言われても、年々ロングフライトが億劫になって出不精になるばかり……。
そして一抹の不安がこみあげてきました。
もしかして、冒頭に書いてある成功とかそういうのは、必死に勉強して、距離を越えていろいろ経験を積んでがんばってる人にだけ与えられるご褒美なんじゃないの!?」
……そうでしょうね、占いの中でどんな意味かどうか以前に、世の中ってそういうものですよね。
怠け者の性分がいきなり治るとは思えないし、いまから勉強といってもいったい何から手をつけたらいいのか……英会話とか? それか着付けとか? 人生で何十回と「やろうかと思ったけど挫折しそうでやってないこと」の数々が浮かんでは消えていきます。ああやっぱり、こんなに思いついたのに何ひとつやらない人間だったからダメなんだ……。心が折れそうになりました。
でも、こんなことでくじけてネガティブモードになっていては、2013年(後厄です)がひどい年になってしまう! そう思った私は、翌日熱が微熱になるや否や、貼るカイロにマスクのフル装備姿で芝大神宮に初詣に出かけました。ここには千木筥(ちぎばこ)という、「衣服が増え、良縁に恵まれる」ご利益のある、とてもかわいらしいお守りがあるのです。
風邪でよれよれになりながら、この千木筥を握りしめ「千木筥という味方を得たんだから、私も今年は……勉強とか、知らないところに行くとか、いわゆる人生の努力というものを……がんばれるはず!」と思いながら帰宅しました。占いのショックを神社で癒す! みなさんももし神社で凶とか引いてしまったら、いいことを書いてある占いが見つかるまでこのサイトを検索しまくって、心を鎮めてください!
と、いつものように連載の原稿を送信したあと、担当編集さんから「石井ゆかりさんのお話が出てくるので、石井さんに雨宮さんのことを占っていただけないか打診してみましたら、OKをいただいたのですが、雨宮さんはいかがでしょう」という、新年早々ノートブックの前で悲鳴をあげる嬉しい展開が巻き起こりました。
石井ゆかりさんは、私にとっては大好きな占い師であり、書き手でもあります。週報、年報、著書での石井さんの占いにはもちろん、その言葉の透き通った優しさのようなものに救われた気持ちになったことも数知れません。そんな石井さんに、私のホロスコープを観ていただけるとは……!
ということで続きます。
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