(E・M 30歳 神奈川県 公務員)
最近彼とのケンカが絶えません。昔は謝ってくれていた彼も、最近では「めんどくさい」という態度をとることが増え、ケンカの元となったことは解決しないまま、面倒だからうやむやにする感じで、ケンカする度に気持ちが遠のいていってるのを感じています。
昔は仲直りしたらきつく抱き合って愛を確かめ合うような感じでしたが、最近はかたちだけそうしてる感じです。
ケンカしたくないけれど、彼のいいかげんなところや心ない発言がいやなことはわかってもらいたいので、口に出さずにいられず、口に出すとケンカにしかなりません。怒ってもむなしいだけです。
どうすれば彼の気持ちを取り戻すことができますか?
取り戻したい、それは無理ですね(笑)
わかってもらいたいっていうのはよくあるとは思うんです。相手の態度や言い方とかが気に食わないっていう時に、自分が相手の都合の良いようにされているようで、「悔しい!」となるんでしょうね。
恋愛って、お互いを世界で一番大事な存在として扱う素敵な関係性のはずなのに、あるとき勝負みたいな感じになってきてしまうところがあって。
自分の言い分を相手に認めさせて勝ちたいとか、自分が相手にしてあげた量よりも向こうからたくさんしてもらって精神的に勝っていたいとか、そういう勝負事みたいな雰囲気。
例えば、「あなたのやりたいこと、それは嫌」「あなたの聴きたい音楽、それは嫌」「あなたが一緒に観に行こうという映画、それは嫌」「あなたの部屋の片付け方、それは嫌」という感じのことを言わせているのは、ただ自分が嫌だと思っていることをわかってもらいたい気持ちだけじゃなくて、実は「嫌だから、もし私のことを大事に思ってるんだったら、私の思うとおりにしなさい!」という支配欲なんですね。
相手のやりたいことをやめさせて、自分のしたいことに染めたいということです。ですから染物職人。相手を染めようとしている衝動だと思いますね。
じゃあ相手からすると、「あなたのやりたいことをしてはいけません!」といわれてるのと同じってことですよね。
その通りです。その“染めたい”っていう衝動は多かれ少なかれ男性にも女性にもありますよね。男性なんて特に、女性を自分色に染めたいという根強い衝動がありますよね。
それが男らしさみたいな時代もありましたもんね。
あったかもしれませんね。
我が国の古典『源氏物語』の光源氏の話なんて、「とても可愛くて将来は美人になりそうな子どもを見つけた!子どもだったら自分の色に染められそうだぞしめしめ」という思惑で紫の上に自分好みの教育をして育てて、奥さんにするわけですよね。
だからあれは美しい話っていうよりは、支配欲の極致ですね。
支配することができなかった恋愛遍歴の結果という感じですよね。
そうなんです。そのコンプレックスが支配欲になってるんですね。
それが1000年読み継がれるベストセラーなわけで。
この方も、彼を支配したいという欲求が強くありますが、男性のほうが女性よりも強く支配欲を持っていたりしがちなので、相手から支配されるのなんてすごく嫌なはずなんです。
彼だってこの女性を染めたいと思っているから何か言ってきたりすると思うんですけれどね。
つづく
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