「なんでわかってくれないの?」「なんで連絡をくれないの?」…。
本当は分かり合いたいのに、なぜかいつもすれ違ってしまう男女の気持ち。そこには「脳」の違いという、大きな溝がありました。今回は「男子脳」と「女子脳」の違いを探りながら、男性と女性がうまく付き合っていく方法を考えていきます。
男性の脳と女性の脳で、脳の形状的に違うのはたった1箇所。右脳と左脳を結ぶ「脳梁」と呼ばれる場所が、「男性脳」より「女性脳」のほうが太いのです。たったこれだけの違いが2つの脳の特性を生み、男女がすれ違うほとんどの原因を生んでいるのです。
私たちは、脳を通して世界を見ています。左目に映った映像は右脳の視覚野に、右目に映った映像は左脳の視覚野に、それぞれ別々に映し出されます。それを連合野という部分でひとつにすることで、人はモノを「見る」ことができます。左目で見た映像と右目で見た映像には左右の違いがあります。そして、このブレの大きさによって、モノの奥行きを無意識のうちに脳が算出しているのです。片目でモノを見ると遠近感がわからなくなるのはこのためです。
脳梁の細い「男性脳」は、「女性脳」と比べると、右脳と左脳の連携が悪いため、2つの映像の違いがくっきりと際立ちます。つまり「生まれつき、モノの奥行きに強い脳」ということ。男性脳が、俯瞰でものを見るのが得意で、遠くへ向かう好奇心が旺盛なのはこのためです。右脳と左脳のそれぞれを特化させなければいけない「地図を見ること(右脳を使って俯瞰の目線でものを見ること)」や、「複雑な計算をすること(左脳を使って論理的・数学的思考で考えること)」が、「男性脳」の得意領域です。
一方、「女性脳」は、左右の脳の連携がいいので、感じる領域である右脳と、言葉や記号を操る左脳を連携させて、感じたことを言葉にして伝えることが得意。ですから、言語能力が高く、状況を全体的に把握する力に長けています。おしゃべりしながら家事ができたり、いつもと少し表情が違うだけで「何かあった?」と気付いたりできるのは、女性脳ならではの働きです。
2つの脳の特徴をもう少し詳しく見てみましょう。
女性脳のキーワードは「時間」。具体的な成果や報酬がなくとも、うれしい作業を積み重ねれば、その時間の積み重ねの分だけ自分の人生が確かな重みで感じられるのです。たとえば、1週間後のデートを楽しみにして、美容室に行ったり、ワンピースを新調しようと出かけたりして恋の物語を紡ぐことで、幸せを感じます。このとき、実際にワンピースを買わなくてもうれしい時間としてたまるのです。
逆にいうと、マイナスの感情も同じようにたまります。ためにためて、ある日限界点に達したら一気に爆発!男性からすると急にキレたように見えるかもしれませんが、それは間違い。たいていはそのずっと前から、女性は怒りをためていたのです。この両者の脳の違いを理解できていないと、ケンカの絶えない関係になってしまうかもしれません。
【女性脳の特徴】
☆直感力に優れていてバランスがいい。
☆言語能力が高くおしゃべりが得意
☆同時にいくつもの文脈を理解できる
☆全体の状況をすぐにつかめる
一方、男性脳は、女性のように自分自身が五感で感じることが得意ではありません。おいしいものを食べて「明日もがんばろう!」と思ったり、美しい景色を見てしみじみと「生きててよかった」などと思ったりして、モチベーションを上げることは難しいようです。その代わり、目標を設定し、達成するという「成果」に喜びを感じます。自分の働きが給与に反映されたり、肩書きを得たりすることもそうですが、褒められることや期待されることだけでも十分がんばる理由になるのです。
【男性脳の特徴】
☆全体のバランスより部分的に特化しがち
☆空間認識能力に優れている
☆数学的、論理的思考が得意
☆おしゃべりは聞くのもするのも苦手
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