人は「しぐさ」や「表情」によって知らない間にメッセージを与えたり、受け取ったりしているそうです。日常的についやってしまうクセやリアクションの意味を科学的に読み解いていきましょう。
しぐさや動作は、人の内面と表裏一体。つまり、しぐさを磨くことは内面を磨くことでもあるのです。
『今すぐなれる「見た目」美人43のルール』の著者で演出家の竹内一郎さんに、自分を魅力的にプロデュースするためのルールをお聞きしました。
しぐさを美しく見せるためには丁寧さが大切です。 一つの動作を二回に分けることで、丁寧さが強調されます。
呼び止められて振り返るという動作をする際、振り返りざまに返事をすると、どうしても雑な印象になりますね。一方、まず返事をして、次に振り返れば丁寧に見え、相手を大切にしている気持ちが伝わります。
横にいる相手を見る場合も、まず目線をそちらに移してから顔を向けるようにすると、しぐさは二段になります。このように動作を二回に分けることを「二段モーション」と言います。
電話を切る時も、受話器をそのまま無造作に置くのではなく、電話機の上で一度手を止めてみてください。その後にゆっくりと置くようにします。この時、指先までしっかりと神経を行き届かせて、受話器を持つ手の指先は軽く揃えます。
大切なのは、意識が届いているということです。丁寧さを伝えるという意味で、しぐさや動作はその人の内面を表すものと言えます。つまり、細部にまで意識が行き届いている人は、その人自身がきれいだということになるでしょう。
男性が感じる女性の魅力の一つに、曲線の美しさがあります。しなやかでやわらかな曲線は、男性には無いものなので、男性たちは当然憧れますし、美しいと感じます。
曲線の美しさとは、斜めとカーブです。ですから、曲線を演出したいと思ったら、真正面よりちょっと斜めを見せることを意識してみてください。ほんの少し身体の角度を変えるだけで、斜めのラインが生まれてエレガントに見えます。
椅子に座っている時も、揃えた足は左右どちらかに振ると、斜めの美しさが演出されます。
手や足をクロスさせるしぐさも、曲線を美しく見せます。例えば右耳に触れる時、あえて左手を使ってみましょう。背筋という直線に対して手の位置がクロスになるので、そこに曲線が生まれ、そのしぐさは美しく引き立つのです。
ワイングラスを持つ時は、指先を揃えて少し斜めにして持つと、直線の持ち手に対して指がクロスされてエレガントです。手を膝の上で軽く合わせるしぐさが美しいのも、曲線とクロスが効いているからです。
マナーやしぐさの本には、美しい立ち方や座り方、歩き方などが書かれています。しかし、その一つ一つが完璧でも、一連の流れがスムーズでないと、点と点を無理やりつないでいるような、ぎこちない動きになってしまいます。
動作を「静止画」ではなく、「流れ」で組み立ててみてください。
はじめに美しい動作を頭に入れて、それを自分のものにしていけば、歩き方も座り方も流れるような動きになるはずです。頭の中にイメージを作り、そのイメージに重ね合わせるように動くと、目的意識が生まれるので気持ちも入ります。
なんとなくやるのではなく、到達点に向かってエネルギーを使えば、その分だけ自分のものになっていくし、オーラも出てきます。
まずは鏡の前で、自分がキレイに見える動作を研究してみてはいかがでしょうか。自分の動作を美しいと思って行動していれば、それが、あなた自身の「地」になります。
メイクや髪形には気を配っているけれど、足先や指先には意識が届いていないという人、意外と多いのではないでしょうか?
頭に近いところは脳が支配しやすく、脳から遠いところはコントロールしにくいと言われています。ですから、指先にはその人の本質や日常が出やすい のです。
初対面の男性は、一般的に女性の両目と口を結ぶ三角形の部分 を見ています。ここは「社交ゾーン」と呼ばれ、見ても失礼にあたらない無難なゾーンです。
親しくなると、見る場所は「親密ゾーン」へと広がっていきます。親密ゾーンは目からあご、胸元から足の付け根までの広い部分 です。そして、最後に手先と足の指先を見て相手を判断 します。
笑顔で話を聞いていても、手遊びをしていたり、足をぶらぶらさせていたりしたら、退屈なのが一目瞭然ですし、メイクや服が素敵でも、靴が汚いとだらしない女性だなと思われてしまいます。
神経が行き届かないところ、手足の指先にこそ、その人の本音が出る ということを忘れないようにしましょう。
顔の表情を作るのは右脳です。右脳の指令が届きやすいのは顔の左側なので、左のほうが表情を作りやすいと考えられます。
逆に言うと、右側には本心が出やすい のです。試しに顔の右側だけで笑ってみましょう。左側だけで笑うよりも難しいと思いませんか?
ですから、自分の内面を見せたくなかったら、顔の左側を見せるといいでしょう。反対に、相手の本心が知りたかったら右側を見る といいと言われています。
もし、相手の本心がわからず迷うことがあったら、右側に回って表情を観察してみてください。本人がコントロールできない「本心」を垣間見ることができるかもしれません。
夫婦やカップルの顔や雰囲気が似てくることを、ミラーリングの効果と言います。似てくるのは長い時間一緒にいるから、という年月の問題だけではありません。人間は、好意を抱いている相手や親密な相手に対して、無意識に真似をする傾向があるのです。
相手が笑っている顔を観察して、自分も同じように笑おうとする。だから親密な関係の人たちは、笑い顔や話し方が似てきます。これがミラーリングです。
もし、距離を近づけたいと思う人がいたら、ミラーリングを使ってみるといいかもしれません。
「おはよう」や「お疲れさま」の挨拶の時にアイコンタクトをして呼吸を合わせてからおじぎをすると、2人が同時に挨拶をする形になります。これもミラーリングです。
よく「フィーリングが合う」と言いますが、このフィーリングには呼吸が合うことも大きく影響します。
レストランで同じ料理や飲み物を注文するのもミラーリングです。また、自分の好きな音楽を伝え、しばらく経って相手がその音楽を頻繁に聴いているようだったら、それもミラーリングと言えます。
ミラーリングは、良い場合でも悪い場合でも同じ現象が起こります。だから、いつもつまらなそうにしている人とずっと一緒にいると、その相手にミラーリングしてしまいます。
よく「この人は私がついていないとダメだから」と言って、男性と付き合う女性がいますが、相手が本当に、尊敬できる部分がないような、だらしのない人だったら、彼女にとって、あまり良いこととは考えられません。
ミラーリングすれば、外見も内面も似てくるわけですから、その人に似たいと思うか、同じようになりたいかは大切なポイントです。
しぐさや立ち居振る舞いに関して言えば、お手本にしたいと思うような同性の先輩を見つけて真似をするのがおすすめです。素敵な女性は、さり気なく立っているだけでも、他の女性とは全く違うオーラを発しています。
そういった、好ましい相手とのミラーリングはどんどん取り入れていきましょう。
気品のある美しいしぐさは、男性からはもちろん、目上の女性から見ても好印象。彼ママと会う日までに身につけておくといいかもしれませんね。
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