大人気ライター・石井ゆかりさんによる、女性の心に寄り添う個人占い。恋愛や人生の悩みにお答えします。
毒女さん(36歳女性)
石井さんへ
私は昔からよく、言い方がキツイと言われるので、人との会話にはかなり気を使います。
でも、言わなければいけないことを言う時、ついバッサリと言ってしまう。
高圧的でプライドが高い人のワガママに対して、傷つけないよう、事実は事実として伝えようとするんですけど、相手の態度によってはついいらん感情が入ってしまいます。
口がキツイと嫌われるのはわかってますが、それでも相手のワガママな振る舞いを許し続けることにも限度がある。
伝え方が下手すぎたり、昔なら自分の思い込みを押し通そうとして、自分でも無駄な人間関係の亀裂を繰り返してしまってます。
我ながらもうちょっとどうにかならないものかと思い、ご相談させて頂きました。
毒女さんへ
毒女さんのホロスコープを見ると、まず、太陽と天王星が蠍座でぴたりとかさなっています。さらに、これに蟹座の火星が120度を作っています。
これは、毒女さんが非常に論理的な方で、個性が強く、負けず嫌いで熱い心を持った方だということを象徴しています。勇敢でタフな意志を持ち、自立心が強く、新しいことを好み、権力に引きずられない強さを持った方だということを示しています。
また、「怒りの感情」が非常に強い方であるということも、感じられます。
一方、人の「言葉」を象徴する水星は、天秤座にあって、こちらは基本的には、やはり論理的・客観的であり、人を公平に扱おうとする思考回路を象徴しています。
この星自体はどちらかと言えば穏やかで、物事を破壊するよりは調和させようとする傾向を持っているのですが、毒女さんのホロスコープでは、この星は牡羊座の木星と結びついていて、非常にボリュームが大きく、単純に「言葉が多い」というふうに解釈もできますし、さらに木星は牡羊座にあることから、言葉に「ファイティングスピリット」「勝ち負け」の問題が絡みやすいのでは、と感じられます。
もうひとつ、人の「心」を象徴する月は、毒女さんのホロスコープでは、獅子座に位置していて、土星と重なっています。
これは、毒女さんの中に、「自己主張したい、認められたい、自分を表現したい、注目されたい」という感情がまず、あって、「でも、そんなことをしてはいけない!」という激しい自制心が、その感情に覆い被さっている、と言うことを示しています。
月は、「子供時代」「母なるもの」の象徴です。土星は、社会的な厳しさや規律、権力などを象徴します。この2つが重なっているということは、毒女さんの内なる「こどもらしさ」や「感情」が、人生の早い段階から押さえつけられていた、というふうに解釈できるのです。
毒女さんはもしかすると、幼い頃から、「早く大人になりなさい」「子供らしい感情やワガママは徹底して押さえ込みなさい」というふうに、厳しいしつけを受けてこられたのではないかなと思うのです。
本来、甘えたい気持ちや愛されたい気持ちが人一倍強いのに、それを「許されない」状態で育てられた人に多い配置なのです。
土星は、「時間」を象徴しています。
土星と月がホロスコープの上で結びついている人は、自分の内なる子供らしさ、無邪気さ、柔らかな感情、生な喜怒哀楽などを、後天的に解放していくようなプロセスをたどります。そして、最終的には、非常に大きく強い心を得る事ができます。
獅子座の月は、自己表現への欲求やプライドの高さを示し、さらに、注目され認められ愛されることを望んでいます。
毒女さんが怒りを感じる「高圧的でプライドが高い人のワガママ」というのは、なんとなく、この獅子座の月と土星の姿を感じさせます。
自分で自分のワガママを押さえ込まされてきたがゆえに、人のワガママを見ると「自分とは関係ないや」と思えず、逆に、それが許されていることへの強烈な怒りを感じてしまうのだろうという気がするのです。
毒女さんの「内なるこどもらしさ、ワガママさ、注目されたいという無邪気な願い」を、何らかの形で認め、解放し、その望みを叶えるように大人として努力してみると、他者への激しくも厳しい怒りは、少しやわらかなものに変わるかもしれません。
毒女さんのなかで、本来、犠牲にされたり否定されたりするべきでないのにそうされてきてしまったものについて、それらを救い出す作業をしてみると、外に向かう怒りや緊張感が、次第に別のものに変わっていくのではないかと思います。
さらに、すくいあげられる毒女さんの「心」は、「欠点を直す」ような形ではなく、あくまで「新しい力に変わる」ような方向で、心のゆたかさや敏感さ、強さとして、毒女さんの新しい味方になってくれるだろうと思います。
石井ゆかり
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