9月1日は乙女座で新月になります。今回の新月は蝕が起こりますので金環日食でもあります。占星術上、次の日食(2017年2月26日)まで影響が続く特別な新月です。
日食は、地球から見ると月が太陽を覆い隠すように通過する現象です。地上世界から光が突然消滅し、その後、光の回復と共に太陽が復活する現象をいにしえの人々は「天の異変」「天からのお告げ」と畏れ、神話という形で象徴的に語り継いできました。占星術では、太陽を「(人生の主人公である)私」になぞらえます。そして太陽が消滅後再びあらわれる日食現象を、これまでの「私」が滅び、新しい「私」がよみがえるプロセスと読み解きました。占星術における日食は自己変容・自己再創造を意味しているのです。したがってこの時期の私たちは、天地(あめつち)と共に何らかの「生まれ変わり」を経験するのかもしれません。
日食図を読み解きます。乙女座新月(乙女座太陽&月)と、2016年の主要な星回りである射手座土星と魚座海王星の相克的な配置が組み合わさって直角三角形ができています。この直角三角形は地上的に目立つ位置にあります。また、射手座火星や山羊座冥王星がこの直角三角形に「決然とした」雰囲気を与えています。この時期、宇宙からの大いなる働きかけがキッパリとした形であらわれやすいでしょう。たとえば、この時期、滅びゆくものは自滅的に滅びていくし、残るべきものは必然的に残されるように思われます。
日食は「生まれ変わりを通じて自己真実に近づいていく」自己創造プロセスです。今回の日食では、「今、ここで滅びゆくものを見送る」「受け容れるべきことを受け容れる」ということをそれぞれ経験しながら、そのような経験を通じてあなたの内外で何かが生まれ変わり、本当の自分(自己真実)がよりあきらかになっていくでしょう。
最後にお知らせします。9月9日は吉星木星が天秤座へ1年ぶりに移動します。これにより社会的な風潮が切り替わります。また、9月17日は魚座で再び月食になります。私たちは今、9月半ばあたりまで続く大きな分かれ目を経験している最中なのです。
今回の乙女座新月の影響を強く受けるのは、双子座、乙女座、射手座、魚座です。「ある終わりによって新しい何かが生まれる」というプロセスを経験するのかもしれません。あなたの中で何かが決定的となり、その内的変化がその後のあなたや周囲へ反映していくでしょう。牡羊座、蟹座、天秤座、山羊座は「目標変更」「軌道修正」を経験するのかもしれません。あるいは「できないこと、やりたくないことはすべきではない」とあなたの中で結論が出るのかもしれません。そのような決定によって、次なるステージへ進んでいけるでしょう。牡牛座、獅子座、蠍座、水瓶座は、ある出来事を通じて「私は私にしかなれない」「私として生きるしかない」と強く感じるのかもしれません。「私」というかけがえのない存在として生きる責任を引き受けたとき、これから極めていきたいテーマが見つかるかもしれません。
次回は 9月16日 魚座の満月(9月16日更新)
こちらもおすすめ