「日本一歌詞が暗い美人シンガー」としてバラエティ番組などでも話題の柴田淳さん。彼女の作る赤裸々な世界観の音楽は、「思わず号泣する」と同世代の女性たちの痛切な共感を呼んでいます。この連載コラムでは、そんな"しばじゅん"が「39歳独身」の飾らないありのままを綴っていきます。
第1回:39歳ですけど何か?
第1回は39歳という年齢にとって大きなキーワードである「結婚」「出産」について。どこまでもリアルな想いが胸に刺さります。そして最近、柴田淳が辿り着いた境地とは…?
次回、しばじゅんがお気に入りの映画から「理想の恋愛」を妄想してみる!?(8月公開予定)
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プロフィール
シンガーソングライター。幼少の頃よりピアノのレッスンを受け、20 才の頃より作詞作曲を始める。
2001年10月31日デビュー。
これまでに10枚のオリジナルアルバムをリリース。シンガーソングライターとしての活動の他にも、中島美嘉「声」などの楽曲提供、ナレーション、ラジオパーソナリティと幅広く活躍している。
「いよいよ女の楽チンの領域に突入か?!」
みなさん、こんにちは。柴田淳です。
ココロニプロロでは、ステラ薫子先生と占いをしながらの対談で初登場させていただき、さらにこれから私のスッピン話を連載させていただくことになりました。
連載コラムを書くことは、本当に夢だったので、こうして綴っているだけでも嬉しくてたまりません。39才の今だからこそ思うありのままの本音を、是非とも同年代の女性、まだまだ39才には遠い若い方、そして既に次へ向かっている先輩女性と、そうそう、そうなんだ、あらまだそんなこと思ってるのね?と女子会をするかのごとく、綴っていけたらなと思っています。どうぞよろしくお願いします。
最近ね、ああもう本当に私は達観してしまったのかもしれないと思うようになったのです。というのは、結婚や出産の焦りが消えてきたということなんですが、それはいわゆる残念だけど諦めなんだろうか、ということも、なんだかもうどうでもいいというか、考えるのが面倒臭くなってきたんです(笑)。
アラサーになり、30代に突入する直前、とにかく私は結婚がしたかったです。結婚したい人がいたわけではなく、「結婚」がしたかったんです。なんか20代で結婚できないと売れ残り!というような価値観ですかね。世間体なのでしょうか。そういうのありません???私は、20代で結婚できないと一生結婚できない、とか思っていたんでしょうね。39才になった今、鼻で笑っちゃいますが(笑)。
やがて30を過ぎ、まさに苦しい時代がやってきました。周りがどんどん結婚していくんです。いつも時間を気にせず遊んでいた友達が、家族を優先したり、時間が合わなくなっていったり、淋しさが増していきます。そんな環境でいたら、おのずと結婚しなきゃと焦り出すのです。相手もいないのに(笑)。
そして、結婚ラッシュの次は出産です。同い年の友達に1人目が生まれ、次はどうするの?と聞いたら、「もう年だから次も早く作らないと…」と。もう年…か。私は1人目どころか結婚もしてないし彼氏もいないよ。私はどうすればいいのよ…。と、言いたくなるくらい捻くれる時代がやってくるのです。周りからも「なんで結婚しないの?」とかデリカシーのない言葉を沢山投げられてきます。「30過ぎて彼氏もいないってヤバくない?」とかね。
そしてそのうち、周りは何も思っていないのに、家族連れに混じって、独り身が自分だけのようなシチュエーションの時とか、勝手に疎外感や惨めさを感じ始めるんです。やがて、そのように勝手に嫉妬というか惨めになる自分が嫌になり、いちいち傷つく自分が嫌になり、幸せな家庭を築いている同年代の友達と距離を持つようになっていきました。
さぁ、そしていよいよアラフォーに突入するんです。まさに今ですね!
毎日毎日考えていますよ、パートナーが欲しいって(笑)。
淋しさやつまらなさに限界なんです(笑)。でも最近、気づいたんです。ぶっちゃけそれだけかも…と。
誰かに養ってもらう為に結婚をする人はいますよね。だから相手の年収を気にする女性がいるんでしょうから。その為には、自分の価値が下がる前に!ということで、武器の1つである若さがあるうちにと頑張るんでしょう。わかる気がします。
でも私は相手にそこをあまり求めていないのと、その武器である若さを遂に失いました。そうなると、もう今更感ですかね(笑)。ついこの前までは諦めに似た、もう人生こんなもんか、一人で生きていくのか、私は誰からも選ばれなかった女だ、と絶望感にも似たような心理状態だったのですが、それもいよいよ飽きるのです(笑)。今は、その結婚の呪縛から解き放たれて、ただただ恋愛したい!楽しい毎日が欲しい!という気持ちに移り変わってきました。そしたらもうパラダイスですよ(笑)。
ステラ薫子先生との対談でも当てられてしまいましたが、本気で結婚したいと思っていないのが、自分でもようやく認められるようになってきたというか。いや、結婚はしたいんです。だけど誰でもいいわけではないんです。結婚したい人が、結婚を考えていい人がいないんですね。考えたい人がいても、その人は私に興味はなかったりね。
つまり、《結婚したい相手がいるわけでもないのに「結婚」自体がしたい》という勘違いみたいな焦りに、いい加減振り回されなくなったってことですね。
20代で結婚しなきゃ一生できないと焦っていた私が、39になって、こんな呑気なことを考えているなんてね。20代の私が見たら、卒倒しそう(笑)。
今の自分を分析すると、淋しさやつまらなさが、恋人ができたことにより解消されたら、私は多分もう満足なんじゃないかと思うんです。
パートナーが出来て、毎日仕事と恋と楽しめたら、私はその先どんな心理状況になるだろうと、それは全く未知の世界ですね。
もしかしたら、仕事の為に、結婚を拒否することだってないとは限らない。それは今の私には想像し難い姿ですが、本当に今の私は、退屈さを紛らわしたいだけなのかなって。足りないのはそれだけなのかもって、最近凄く思うんです。それだけ充実しているというか、自分のことで精一杯なのかもしれませんが。
だって、経済的自立も果たし、好きな時間に好きなことが出来る。
疲れたら好きなだけ休める。
好きなものを食べ、食べたくなかったら食べない。
行きたいところへ行き、思い立ったら即行動出来る。
介護は自分の両親だけでいい。
お金は自由。時間も自由。
疲れる嫉妬も、束縛される不安もない。
同年代がもうそろそろ育児を終えて帰ってくる!(笑)
超わがまま自己中人生(笑)!!!
満たされた後の自分を私は知りません。早く見てみたいです。
もしかしたら、誰よりも結婚願望が強くなって、バカップルになるかもしれませんが(笑)。
武器は使うもの。
武器を使いたくても使えないなら、武器があるだけ辛くなる。
いっそ武器を失えば楽になる。
武器を失えば、自分を取り戻せる。
そして本当に失って、ようやく自分自身で戦えるようになってきた。
なんだか今、そんな風に思う柴田淳でした。
今回のすっぴんでひと言。
若さという武器を失って、ようやく自分自身で戦えるようになってきた。