富士山、ついに世界遺産に登録されましたねぇ!
私のまわりでも、5~6年前から富士山に登る人が増えてます。山が持つ霊力のせいでしょうか。皆、目を輝かせて、いかに富士山がすばらしいか語ります。
そんな気迫にもろに影響された私は、当時連載していたスピリチュアル系のルポにかこつけて、富士山に登ってみることにしました。が……いろいろ調べるうち「自分には到底ムリだ……」という気になり、計画は白紙に。じっさい富士登山はなかなかにハードなようで、高山病になった人の話もよく聞きます。
富士山に登る体力も根性もない残念な私ですが、今年に入って富士山に行かずとも、富士山に登ったのと同じ御利益がある行事のことを知りました。それが、7月1日の山開きに合わせて行われる「お山開き」。前置きが長くなりましたが、今回はそんなバーチャル富士を体験しに、小野照崎神社に行ってきました。
この日は6月の末日。
まずは半年分の穢れをはらう「大祓(おおはらえ)」の儀式からスタート。「形代」とよばれる人の形をした紙をもらいうけ、全身の穢れをその形代に移します(「陰陽師」でこういう場面見たな~)。
その後、宮司さんとともに「大祓詞(おおはらえのことば)」を唱え、先ほどの形代を清めていただき、茅の輪をくぐる。なるほど。昔の人は半年無事に生きてこられたことに感謝しつつ、こうやってリセットして、また元気に残りの半年を過ごしていたんですねぇ。
その後は、お山開きの儀式です。
宮司さんがお酒を奉納し、祝詞をあげ、龍神様にお祈りをします。なぜ龍神様かといえば、富士山頂には噴火を絶つ水神・龍神と崇められるタツタヒメが鎮座しているため。
そしていよいよ……境内にある富士塚の扉が開かれた!!
この富士塚、国の重要有形民俗文化財で、開放されるのは年に2日のみ。
神官の方々が頂上でお祓いをしたのちに、氏子さん、一般の参拝者が登っていきます。登るときは、「六根清浄(ろっこんしょうじょう)」と唱えながら。ゴツゴツした足場はけっこう危険です。
「前に富士山に登ったときってさ~」「今年はいつ行く?」
前後から聞こえてくる会話からすると、今日来ている人たちは、手軽に富士塚ですまそうとしているわけじゃなく、本格的な登山者のようです。意外!いや、実はほとんどの人たちが登山ファンで、案外私の方が少数派なのかも……。
頂上に着いたら、富士山の方角に向かって手を合わせます。江戸時代は、ここから本物の富士山が見えたんでしょうね。現在は高い建物にはばまれていますが、高いところはやはり気持ちいいです。そして注意深く下山。社務所で、やはりこの2日間しか授けられないお守りと、富士塚登頂の御朱印を購入。富士登山にはとうてい及ばないものの、その1割くらいの雰囲気は味わえた気がします。う~~ん、でもやっぱり体力つけて、死ぬまでに一度は本物の富士山に登ってみたい!