気候のいい5月から6月は、あちこちの神社で例大祭が行われます。例大祭とは、その神社で行われるお祭りでいちばん重要なもの。神社的にもいちばん気合いが入る時期です(と、もっともらしく書いてますが、実は私も今回初めて知りました)。都内のお祭りカレンダーを見ると、この時期のスケジュールは真っ黒! 今回は谷根千エリアにも近い、湯島天神の例大祭に行ってきました。
地下鉄湯島駅を降りて歩いていくと、さっそく地下足袋+はっぴ姿の男性たちが、近代的なビルの前にたむろしています。うわ~神輿担ぎの衆だっ! ドキドキ。 湯島天神入り口に到着し階段を昇っていくと、いるわいるわ。背中に大きく町名を染め抜いた、いなせなはっぴ姿の老若男女が! こんなにまとまった数を見るのは、初めて。迫力ですねぇ。
実はこの日は病み上がりでどんよりしていたのですが、境内に入って活気のある清涼な空気を浴びた瞬間、カラダがスーッと楽になっていきました。やっぱり神社ってパワースポットなんですね。昔は病人が回復を願って、這うように神社に参拝していたようですが、その気持ちがよーくわかりました。
境内を歩いていると、女の子だけの白梅太鼓や江戸里神楽の奉納に加え、ときどき御神輿が入ってきます。地元の人たちの仲睦まじい様子に、外部の人間である私も顔がほころびがちに。鳥居をくぐってすぐの宝物殿では、安藤広重や月岡芳年の浮世絵、江戸時代の火消しの装束などを見ることができます。当時の湯島天神周辺の風景から、昔は海が今よりもグッと近かったことを知りました。さらに、たくさんの美しい櫛やかんざしも展示されています。
境内と外を何度か出入りしつつ、神社周辺の路上でくり広げられるド迫力の神輿担ぎを見学。はっぴを着た人たちの熱気に、こちらの血も騒ぎまくり!
ふと気づけば日は落ちかかっていて、提灯に灯りがポツポツと点りはじめました。
少々肌寒くなってきたので、名残惜しみつつ、鳥居をあとにすることに。それでもなお、境内に入っていく人たちは絶えず、御神輿と神楽の音はいつまでも続いているのでした。