5月1日は牡牛座新月です。今回の新月は部分日食になります。この特別な新月の影響は次の日食(10月25日)まで続くでしょう。
日食は地球から見ると月が太陽を覆い隠すように通過する現象です。地上世界から光が突然消滅し、光の回復と共に太陽があらわれる現象をいにしえの人々は「天の異変」「神のお告げ」と畏れ、神話という形で象徴的に語り継いできました。
占星術では太陽を「(人生の主人公である)私」になぞらえ、太陽が復活する日食現象をこれまでの「私」が滅び、新しい「私」がよみがえるプロセスと読み解きます。占星術における日食は「私が新しく生まれ変わる」タイミングと言えるのです。
したがってこの時期、私たちは天地(あめつち)と共に何らかの「生まれ変わり」を経験することになるでしょう。今回は牡牛座で起こる日食ですから、「からだやいのち」「生まれ持ったもの(資質・容姿・才能・能力・五感など)」「美意識・価値観」などにまつわる「生まれ変わり」がなされるのかもしれません。
新月図を見てみます。牡牛座新月(牡牛座太陽と牡牛座月が重なり合っている配置)と牡牛座天王星がゆるやかに重なっています。これらの天体を魚座火星が加勢しています。「私はこういう存在(生き物)なんだ!」と気づいて元気になりそうな星回りです。
エンパワメント(本来持っている力を引き出すこと。権限や自信を与えること)というキーワードも思い浮かびます。具体的な出来事はいろいろ考えられますが、この時期の牡牛座新月は「あなたはあなたを生きてね!」と私たちをエンパワメントしてくれるでしょう。
木星についてお知らせします。木星は2021年5月に魚座に入って以来、魚座木星時期(2021年5月~7月、2021年12月~)が続いていました。その木星が5月11日に牡羊座へ入ります。今後10月~12月に木星は魚座へ少しの間戻ってきますが、基本的にはあと10日ほどで魚座木星時期が終わることになります。そういう意味で今は魚座木星時期を振り返るのに良いタイミングと言えます。魚座木星時期には霊性(スピリチュアリティ)、個を超えた大きな物語、プライスレスな価値、弱さや愚かさの受容や赦し、はかなく失われゆくものへの慈悲やあわれみなどに社会や人々の意識が向かっていたのかもしれません。
昨年5月以来あなたは自分の人生において目には見えないつながりや個を超えた大きな物語をどのくらい見出せたでしょうか。自分や誰か何かを赦したでしょうか。はかなく失われゆくものへあわれみを感じることがあったでしょうか。
今回の牡牛座新月の影響を強く受けるのは牡牛座、獅子座、蠍座、水瓶座です。前向きな変化に背中を押されるとき。「もっと良くなるためにはどうしたらいい?」と欲が出たり、「もう少しがんばってみよう」とやる気が出てきそう。未自覚な素質を誰かに推してもらえる暗示もあります。
牡羊座、蟹座、天秤座、山羊座は何げない行動が相手の役に立ち、とても感謝されそうです。生来の資質や自分の強みに気づくことにもなるでしょう。またこの時期身近な人に褒められたり、「あなたに向いている」と勧められたことは本気に受け取りましょう。
双子座、乙女座、射手座、魚座は良い意味で迷ってみるとき。新しい可能性を見つけるつもりで、「何か良いプランはある?」とあれこれ想定してみましょう。しっくりくるものを焦らずに探すうち、ちょうど良いタイミングでベストプランがまとまるでしょう。
次回は、5月16日 蠍座満月 (5月15日更新)
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