11月19日は牡牛座満月です。今回の満月は部分月食になります。月食は、地球の影(本影)が月にかかることで満月が欠けて見える現象です。占星術上、満月はいつも何かが「満ちて形になる」「あらわれる」タイミングであり、とくに月食については「心の陰影を何かに投影して見るタイミング」「(無意識下に)隠されていたことがあらわれるタイミング」と読み解きます。この時期、牡牛座で月食となって何かが印象深くあらわれるとしたら、それはあなたや誰かの「内なる我欲」「心の奥にしまっておいた思い込み」「満たされていないという(古い)感情」などと、どこか関係しているのかもしれません。そして今回の月食ではそれらを精算、浄化するための何かがもたらされるように感じます。
月食図を見てみます。牡牛座満月(蠍座太陽と牡牛座月が向かい合っている配置)と蠍座水星、水瓶座木星によって直角三角形ができています。また山羊座冥王星や魚座海王星が牡牛座満月をサポートしています。2020年12月に公的承認を象徴している木星が水瓶座へ入宮して以来、私たちの社会では「多様性と包摂」が「善きこと」「公共的な理想」とされるようになってきています。そしてとくにこの時期、私たちの心の中で「ひとりひとりが自由に生きること」「どんな個性も社会から受け容れられること」が大切だという思いが強まり、そういう社会を目指そうとするムーブメントも広がるでしょう。
さらに蠍座火星と牡牛座天王星、水瓶座土星によって直角三角形ができています。また山羊座金星が蠍座火星と牡牛座天王星をサポートしています。私や誰か、みんなの自由と個性を認めようとするとき、それとは異なる立場、異なる価値観の人と対立することがある一方で、賛同してくれる人もいるでしょう。
以上の星回りを考え合わせていると、「分からないけど、分かりたい」というドラマのセリフが思い浮かびます。異なる個性や価値観を有している私たちが各自自由に生きようとするとき、お互いを隔てている何かが広がる一方のように見えるかもしれません。それでも今、分かり合えないことを恐れるのみではなく、それでも誰かと分かり合いたいという気持ちが求められているように思います。「分かり合えないこと」を受けいれたうえで、それでも「分かり合いたい」と互いの隔てを超えていく…。理想論に聞こえるのかもしれませんが、今、宇宙が示唆しているのはそういうメッセージなのだろうと感じます。
今回の牡牛座満月の影響を強く受けるのは牡牛座、獅子座、蠍座、水瓶座です。あなたの内外で「障壁」「おそれや思い込み」「古い感情」などと向き合うことがあるのかもしれません。今はそうでしかないのかもしれませんが、それらはこれまでのあなたを守ってくれていたようにも感じられます。それを打ち破って超えていくのもいいし、今はありのままに受けいれるのもよいでしょう。どうするのかはあなたの自由です。
牡羊座、蟹座、天秤座、山羊座は、宇宙から「それで?」と問われるとき。ある出来事を通じて自分自身や誰か、何かに対して「こういうところがダメだなぁ」と落ち込むことがあるのかもしれません。その感慨はおおむね妥当ですが、宇宙はその後のあなたに注目しています。なぜならこの時期はリカバー(回復、取り戻す)につながる、できる限りの行動をとるチャンスでもあるからです。
双子座、乙女座、射手座、魚座は「自分に厳しくする」「自分に妥協しない」とよいとき。仕事や目標達成のためにがんばらなくてはならないのかもしれません。プレッシャーは感じるものの、熱い気持ちがそれを上回っているでしょう。持てる力を全てぶつけるつもりでがんばってみてください。真正面から何かに挑む行動があなたの殻を打ち破り、さらにはその先にある新たな扉を開いていくと思います。
次回は、12月4日 射手座新月 (12月3日更新)
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