明るく前向きな言葉で多くの女性から支持を集める占い師、ルーシー・グリーンさんの連載コラムをお届け! 恋愛マンガの印象的なシーンを占星術の視点で読み解いていきます。
マンガの中の恋愛関係から、あなたの恋に役立つヒントも得られるかも!?
こんにちは!
占い師のルーシー・グリーンです!
わたしたちを笑わせたり、泣かせたり、時にはげしく心を揺さぶる、名作マンガを星占いの視点で読み解いていこう!と思います。
今回お伝えするのは、コナリミサトさん作「凪のお暇」。
2019年に黒木華さん・高橋一生さん・中村倫也さんでドラマ化もされていましたね。
「空気を読む」ことをがんばるうちに、恋も仕事もいっぱいいっぱいになってドロップアウトした主人公・凪の「お暇」時間と心の成長が描かれています。
…ひとごとと思えなくないですか?
空気を読んでがんばっているのに、疲れてしまう。
え?あなたもそう?
凪は、多くの現代女性の心の中にいる女の子かもしれませんね。
『凪のお暇』(秋田書店)
作者:コナリミサト
常に空気を読むのに必死なOL、大島凪。営業部のエース、我聞慎二と隠れて交際していたが、ある時、偶然にも慎二と同僚たちの会話を聞いてしまい、今まで溜め込みすぎたストレスが爆発! 慎二との関係も、仕事も、住まいもすべて捨てて新しい生活を始めることに……
大島凪:社内でも恋人の前でも空気を読んでばかりで思うように振る舞えない28歳OL。
我聞慎二:空気を読むのか得意で、仕事ができる会社中の人気者。
星占いでは12星座を4つに分ける考え方があります。
「火」「風」「地」「水」のグループに分けられ、それぞれ大切にしていることが違います。
◎火の星座:
牡羊座・獅子座・射手座
直感や情熱を大切にする星座グループ
◎風の星座:
双子座・天秤座・水瓶座
思考や協調性を大切にする星座グループ
◎地の星座:
牡牛座・乙女座・山羊座
現実や実感を大切にする星座グループ
◎水の星座:
蟹座・蠍座・魚座
感情や共感を大切にする星座グループ
今日はこの4グループの中の「風の星座」に注目して、お話ししてみましょう。
風の星座グループが大切にするのは「思考や協調性」。
たとえば物事をよく考えたり、情報発信したりですね。
人間関係でいえば、相手の考えを尊重したり、気遣ったり、かといって相手に踏み込みすぎずほどよい距離感で接したり。
協調性を大切にする星座グループだけあって、さりげないコミュニケーションがとても素敵です。
この漫画の主人公・凪も、和を乱さず、周囲を気遣い、空気をうまく読んできた…はずなのに、恋も仕事も友情もうまくいきません。
これは、「風の星座の落とし穴」と言えるかもしれません。
ここでは、生まれたときの星座(太陽星座)ではなく、凪に見られる“風っぽい”気質を参考に、風の星座のお話をしていきたいと思います。
風の星座の落とし穴。
それは「相手に引っ張られて、自分を見失うこと」です。
あなたもこんな経験はありませんか。
相手に嫌われたくないあまり、思ってもないお世辞を言ってしまうこと。
ほかにも、好きでもないものを相手に合わせて好きと言ったり、したくないことを笑顔で引き受けたり…。
こういう経験は誰にでもあります。時々ならいいと思うのです。
だけど、それがいつもいつもではやっぱり疲れてしまいます。凪も体調を崩してしまいました。
相手を大切にしているはずなのに、どうしてうまくいかないのか。
それは相手との間に「自分」がいないからなのです。
相手の期待にばかり応えている時とは「自分」ではなく「相手の求める誰か」を演じている時です。
自分じゃない人を演じ続けるのは骨の折れることですね。
そして、期待に応えてもらっているはずの相手にとってもどこか楽しくないものなのです。「YES」の言葉も心に響かずさびしく漂います。
これが「風の星座の落とし穴」です。
12星座には順番にも意味があります。
今お話ししている風の星座の「双子座・天秤座・水瓶座」の前には、それぞれ「牡牛座・乙女座・山羊座」と地の星座グループが並びます。
地の星座は「現実や実感」を大切にするグループです。
生活や任された仕事のこと、自分がどう感じたのか、などを基本にする星座です。
風の星座の「空気を読む」は、そんな地の星座をまっとうした後に来るものなのです。
凪は仕事からも恋人からもドロップアウトして、「お暇」を始めます。
都内のマンションから六畳一間の小さなアパートへ引越し、そこでラフな服装や髪型で過ごしたり、ゴーヤを育てたり、ささやかだけど自分自身が心地よいと思える生活を立て直そうとするのです。
個性的なアパートの住人たちとの出会いを通して、感化され、「相手に合わせた好きなこと」を手放し「自分の好きなこと」を取り戻していきます。
そして隣人たちも凪との出会いを通して、それぞれ変化していくことに。
「恋の方程式」という言い回しがありますね。
好きな人と自分の関係のもどかしさを「x=y」という計算式になぞらえたものです。
当初、凪の「方程式」には、相手はいても自分がいませんでした。
相手の期待に応える自分、相手に嫌われない自分を演じて、本来の自分から遠く離れてしまっていました。
もしあなたも、相手のことを思って行動しているはずが疲ればかりが溜まっているようなら「お暇」が必要かもしれませんね。
そしてそのお暇ではぜひ、地の星座を思い出してください。
ささやかだけど、心地いいもの。
誰と比べるわけでもない、自分が好きだと感じるもの。
そういうものがあなたに「自分」を思い出させてくれます。
あなたにはあなたの良さがあります。
可愛さ、やさしさ、おもしろさ、不思議さがあります。
あなたが「うれしい!」と心から感じた時の笑顔はとても素敵です。
相手に合わせてばかりで、それらを隠してしまっていませんでしたか。
自分の目からは自分の良さは見えにくいものですが、あなたといると楽しいと感じる人たちがいるのです。
人間関係の方程式。
それを解くためには相手ばかりでなく、「自分自身」も忘れずに。
※次回もお楽しみに(第2、4火曜更新)
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