よく「目が合う」から、俺に気がある…というのは勘違い? 【カレー沢薫 アクマの辞典 第51回】

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カレー沢薫 「アクマの辞典」

漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」
このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!

第51回 アクマの辞典 マ行


【メ】
➤「目が合う」(めがあう)

…コミュ症は大体、襟あたりを見ているので、胸元が開いていない服を着て来てくれるとありがたい

今回のテーマはマ行から「目が合う」だ。

昔「目と目で通じ合う」というような歌もあった。

知らない? あの『闇金ウシジマくん』1巻で、風俗に沈められて妖怪人間ベラみたいになったOLが歌ってたやつだよ、と力説しても仕方ないのだが、目が合うことで始まる恋もあるらしい。

一度目が合っただけで「俺に気がある」などと思うようなヤツは完全に危険人物なのでGPSを埋め込むべきだと思うが、俺に気があるのではと思うことで、逆に相手のことが気になり、いつの間にか好きになっている、ということもあるようだ。

しかし、元来人間は、自分の見たいものを見ようとする生き物である。
コンサートでアイドルがアリーナ2階席に視線を向けたら150人ぐらいが「自分を見た」と感じるだろうし、推しカプが同じコマにいたら「付き合っている」ように見えるのだ。

よって「よく目が合う」というのも、既に相手に好意を持っているがゆえの錯覚である場合も多い。
そもそも、よく目が合うのは、自分も相手をよく見ているからなのだ。
もしくは、自分か相手が「後頭部に目がある系女子」の時だけである。

たかが「目が合う・合わない」で、恋愛にまで発展するものかと疑問が生じるかもしれない。しかし、何とも思ってなかった人が夢に出てきたり、好きなガンダムが自分と同じGだったりしただけで相手のことが気になりだすように、人間は割とちょっとしたことで相手に興味を持つものなのだ。
相手の気を引くために、頻繁に目を合わせる、というテクニックがないこともないだろう。

それに「目を合わせない」というのは、常にコミュ症あるあるランキングのトップに食い込んでくる条件である。
コミュ症あるある全部当てるまで帰れま10でも大体最初に出てくる。
ちなみに当てづらいのが「『フヒっ』ではなく、よく聞いたら『ンフっ』が多い」だ。

つまり、コミュニケーションにおいて「目を合わせる」ことが重要であることは否定できない。
逆に言えば、コミュ症と目が合うようになったら相手はかなり自分に心を開いている、もしくは相手が「目を合わせたまま完全に心を手放す術」を習得したかである。

そういう相手にムリに視線を合わせようとしてはいけない「コミュ強がマウントをとってきている」としか思われないので、ますます閉じてしまう。
野生動物がいきなり人間の手から餌を食ってくれないのと同じだ、まずは100メートルぐらい離れるか、壁を3枚ぐらい隔てて目を合わせることから始めよう。

なぜコミュ症が人と目を合わせないかというと、恥ずかしい、緊張する、怖い、など様々理由もあるが、じっと見られることにより悪事を見透かされそうで嫌というのもある。

これは、コミュ症が全員時効待ちの連続殺人犯というわけではない。
特に悪い事もしていないのに、交番の前で早足になってしまうように、コミュ症やネガティブな人間は「見られる」=「悪いところを見られる」と思ってしまうのだ。

よって目を合わせたり、見つめたりすることで相手の気を引く方法というのは、それなりにポジティブで自分に自信のある人間にしか通用しない。

ネガティブな人間を見つめても「格好がダサいと思われている」「そんなに俺がPIKOを着ているのがおもしろいか」という被害妄想を爆発させてしまうだけだ。

郷に入れば郷に従えだ、もしコミュ症の気を引きたいという奇特な方がいたら、まず目を全く合わさずに会話するところから始めよう。
そうすれば「珍しく話しやすい人に会った」と思われるだろう。


【マ】
➤「マクラ営業」(まくらえいぎょう)

…すぐ相手がSNSに書くので減ったらしい


【ミ】
➤「見合い結婚」(みあいけっこん)

…そのうちマッチング結婚と言われるかもしれない


【ム】
➤「無人島」(むじんとう)

…「無人島に持って行くなら何?」という質問、「宝くじ当たったら…」に次ぐ虚無


【メ】
➤「目が合う」(めがあう)

…コミュ症は大体、襟あたりを見ているので、胸元が開いていない服を着て来てくれるとありがたい


【モ】
➤「モブキャラ」(もぶきゃら)

…モブおじさんのように主役と絡めるモブもいるので希望を捨ててはいけない

プロフィール

カレー沢薫
漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『クズより怖いものはない』(大和書房)も発売中。

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