季節が移り変わるように、私たちを取りまく運気も流れ、変化していきます。この運気の流れを読み解き、私たちの毎日をより良い方向へ導いてくれるのが、「五行」という考え方です。
今月から、「五行」の思想をもとにした連載企画「五行でパワーチャージレッスン」がスタート!風水講座の講師として占い師にもレクチャーを行う風水ライター・samoさんに、今月の運気の流れや5つのエレメント別に運気を整えるヒントを解説していただきます。
本編の前に、まずはプロローグとして、「五行」に関する基礎知識をご紹介します。
世界を構成する物事の見方の1つです。「五行」では、この世界の全てのものに「木・火・土・金・水」の5つのエレメントがあると考えます。私たちの身の回りの物や食べ物、色や方位、季節などありとあらゆるものを成り立たせている根本の要素と思ってみてください。
◎キーワードは“巡る”こと
そして、五行の「行」は巡るということを表します。水が木を育て、木が火を起こし、火が土の素を作り、土から金が生まれ、また金が大気から水を集める、そんな自然の循環をもとに生まれた思想が「五行」なのです。
◎身近なものもすべて5つに分けられる
先ほども述べましたが、「五行」ではなんでも5つのエレメントに分けることができます。
わかりやすいのは色ですね。「木」は青、「火」は赤、「土」は黄、「金」は白、「水」は黒と割り当てられます。
季節では、「木」は春、「火」は夏、「金」は秋で「水」は冬。「土」はみなさんもご存知の土用ということで、四季の変わり目に割り当てられます。他にも方位や食べ物、音などもあります。
そしてそれが人体に割り当てられると、臓器の「五臓」や、目舌口鼻耳の「五官」、味覚の「五味」などと言われ、鍼灸や漢方など東洋医学の分野によく取り入れられます。
さらに、怒りや悲しみ、喜びなど人間の感情でさえも5つに振り分けることができるのです。そう聞くと、「五行」が身近なものに思えてきませんか?
◎人間にも5つのエレメントがある
全てのものが5つに分けられるということは、もちろん私たち自身にも五行のエレメントが宿り、生まれた年月日によって、その五行の配分(ブレンド)があるということです。
◎心やカラダに表れる影響
春夏秋冬と移り変わる季節にも、それぞれ5つのエレメントがあり、その配分が強くなったり、弱くなったりしながら巡っています。例えば、冬の時期は「水」のエレメントが強くなるというように、私たちを取りまく自然エネルギーも変化しているのです。そしてそれは、私たちの心やカラダに変化をもたらすきっかけとなります。
冬は「水」の要素が強くなるので、「水」のエレメントが足りない人にとってはプラスになり、いい働きをすると言われます。逆にもともと「水」のエレメントが足りている人は、「水」の要素が増えすぎて、マイナスな影響を受けやすくなると言われます。
◎5つのエレメントの偏りを正すこと
このような場合、「五行」では「水」の要素をうまく逃す「木」の要素を使って、マイナスな影響を緩和しようとします。自然の流れと「五行」をうまく組み合わせることで、世界と自分の関係性をうまく築くことができるんですね。
多いものはうまく逃し、足りないものを補完する。そういった対処法が「五行」でできるということです。
もともと「五行」では、5つのエレメントが整っている(=バランスがとれている)ことが良いとされています。しかし、多くの人は何かしらに偏り、足りないエレメントがあるものです。
今月から始まる連載企画「五行でパワーチャージレッスン」では、毎月この「足りないエレメント」ごとに、五行エネルギーの流れを整え、良い方向に導くヒントをお届けします。
◎足りないエレメントを知る方法
ここでは四柱推命の理論に沿って、あなたの基本を構成する生まれ日の五行(十干)と生まれた月の五行(月の支)から、あなたに足りないと考えられる五行を導き出しています。
まずは、生年月日であなたに足りない「五行」のエレメントをチェックしてくださいね。
◎六十干支とは?
十干・十二支の組み合わせで六十干支という暦の表記として使用されています。ただの記号ではなく、そこに五行の要素も含まれています。
十干
甲乙丙丁戊己庚辛壬癸という10個で構成されていて、日の数え方からきています。東洋の暦を構成する要素の1つです。樹木の成長する過程を表しています。ちなみに甲(きのえ)乙(きのと)は五行の木、丙(ひのえ)丁(ひのと)は火、戊(つちのえ)己(つちのと)は土、庚(かのえ)辛(かのと)は金、壬(みずのえ)癸(みずのと)と呼び、五行に割り当てられ、陰陽でそれぞれ分かれています。
十二支
一般的に知られている「えと」と呼ばれているものですが、干支と書いても「かんし」と読みます。子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥の12種類で構成されています。なんとなく動物たちをイメージしがちですが、元々の意味としては枝葉の生い茂る様を順番に表しています。
またそれぞれの十二支にも五行が割り当てられ、季節も割り当てられています。例えば子の季節は冬で方位は北、水の五行を含んでいます。
◎東洋の暦について
東洋の暦では、六十干支を年月日で循環させ構成しています。これは順番に巡るだけでなく、その年の意味や起こる出来事、五行の要素なども表しています。
数字で表されるだけではない、目に見えないエネルギーの流れも表している暦というところでしょうか。
甲から始まる十干と、子から始まる十二支の組み合わせで、甲子(きのえね)から始まり、甲子園球場も「きのえね」の年に完成し縁起がいいことからその名前がつきました。逆に丙午や庚申など、五行の火の要素や金の要素が強すぎるものにはあまり良いイメージがないものもありますね。
普段あまり意識することがない東洋の思想も、昔ながらの風習や地名など様々なところに息づいているようです。少し意識を変えることで、今まで見えなかった幸せのヒントが見つかるかもしれません。
次は、東洋の暦に合わせて、毎月の運気の流れや、運気のバランスを整えるためのアドバイスをお届けします。
本日公開、12月の「五行でパワーチャージレッスン」をお楽しみください♪
プロフィール
samø
祖母の代から四柱推命を極める家系に生まれ、自身も風水講座の講師として、一般の方々だけでなく占い師にもレクチャーを行う風水ライター。「食」への愛ゆえに、研ぎ澄まされたグルメセンサーでおいしい食事を日々探究中!
祖母から受け継いだ東洋占術の知識から、「五行」思想を日常生活や食卓に取り入れるコツをアドバイスします。
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