悲劇のヒロイン思考がストレスの元!? 【辛酸なめ子 レーネンさんへ質問】第2回

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辛酸なめ子の なめココロ

(※2018年8月29日 13:00 公開記事)

斜め上ゆく妄想力で世の中を斬るコラムニスト・辛酸なめ子さんと共に噂のサイキックカウンセラー・ウィリアムレーネンさんに、いろいろ聞いてみようというこの企画。

前回は、テレビやネットに溢れる悪口や誹謗中傷を見て落ち込んでしまう理由や、その対処法について色々お話を伺いました。レーネンさんならではのビビッドな意見に驚いたり、反省したり…凝り固まった頭もだいぶ柔らかくなったかも!?

そして、まだまだ続く人間関係のお話。今回は、身近にいる「嫌いな人、困った人」との付き合い方について深堀りしていきます。気になるお話の続き、さっそくいってみましょう!

人間関係で悩むのは「他人を責める」クセのせい?

人間関係の悩みの大半は、身近にいる「嫌いな人、困った人」と付き合う上で感じるストレスではないでしょうか。そういった問題にはどのように対処していくべき?

なめ子:身近な人間関係がうまくいかないと「辛いな」と感じてしまいます。こんなときは、どうすればよいのでしょう?

レーネン:簡単な答えがあれば私も知りたいところですが…。まずは、人間関係で悩む人の多くに共通する考え方についてお話しますね。

それは、「自分の中で起きていることに対して、他人を責める」というクセを持っていることです。

なめ子:「他人を責める」?

レーネン:たとえば、職場の人間との関係がうまくいかず転職を繰り返す女性は「私はどこに行っても嫌われてしまう」と考えているかもしれません。しかしこれは、彼女のことを嫌いな人たちに問題があるのではなく、「みんなが嫌うなにか」を無意識にしている彼女自身に原因がある可能性も。
それなのに、彼女はそのことに気付かず、自分以外にネガティブな原因を求めてしまうのです。それが「他人を責める」ということです。

なめ子:確かに「周りの環境が悪いから」って話、よく聞きますね。周りを責める気持ちを持っていると、その人たちの人相まで悪く見えるバイアスがかかったりします。

レーネン:もうひとつ例を挙げてみましょう。もし恋人が浮気していたら、あなたはどのように感じますか?
パートナーであるあなたから見ると、浮気相手や彼氏が悪でしょう。しかし、彼が浮気するまでにあなた自身が知らず知らずに、そういった結果へと導く行動をしている場合もあるのです。

単に相手が甘えているだけの場合もありますが、人間関係は相手があって成立するもの。一方的に誰かが邪悪で、もう一方がまったく悪くないということはありません。
多くの場合、もともとの種は自分が蒔いているものなのです。

いざこざの種は自分で蒔いているという言葉、グサッときますね。相手が悪いと思い込んでいると、本当の原因に気付けないのかもしれません。

誰かを「嫌い」と感じる理由は?

人間関係において一方だけが“悪者”とはいえないけれど、誰かを「嫌い」と思う気持ちはなかなか止められないでしょう。この点について、レーネンさんの意見は――

レーネン:「あの人、私のことを嫌いみたいだから、嫌い」
「私に対してだけ、すごく無愛想だからあの人ヤダ」
「やって当然なのにやらないなんて!非常識であの人苦手」
このような言葉、よく聞きますよね?

なめ子:確かによく聞きます。「この人感じ悪い」とか勝手に決めつけたり……。私も昔はよく被害妄想に囚われていました。

レーネン:「あの人が嫌い」その気持ちの裏には、自分が「こうあるべき」と思うことを、相手がしていない・できていないことが気に入らないという感情があるんです。

気に入らないからといって、他人の行動や考え方を変えようとする行為は「支配」なのです。

「誰かを嫌い」だと感じたときは、まずは自分にフォーカスを当てましょう。人のあるべき姿にばかり想いをめぐらせているのは、ナンセンスです。
自分と異なる人の個性を100%そのままでリスペクトするということ、それは相手にとってはもちろんですが、みなさん自身にとっても大事なことなのです。

悲劇のヒロイン思考がストレスの元

さらにレーネンさんによると、善意のつもりでやっていることが、ストレスの元凶となる場合もあるんだそう。

レーネン:「他の人が全然働かなかったから、代わりに私が遅くまで残業しないと」なんて話、日本ではよくありますよね。
このような人たちの心の声を聴くと、実のところは「大変ね」と言ってもらいたいのです。

他人の仕事をカバーすることで、自分にお金が入るわけではありません。他人が仕事をしないのは、あなたではなくその人自身の責任なのです。

なめ子:他人が仕事をしないと自分に影響が及ぶ場合もありますが…。

レーネン:自分が楽になるために、やっているのであれば「自分がやりたいから」やるのです。もっとみなさん、自分と人を切り離して考えるようにして、自分とは関係のないところにいちいちフォーカスするのをやめるようにしましょう。

なめ子のひとこと
以前に比べて、仕事をする上で「この人苦手」とか「嫌い」と思うことはおかげさまで減ってきた気がします。その代わりと言ってはなんですが通りすがりの見知らぬ人、例えば電車で足を踏んできたりぶつかってきたりする人に対して、突発的に嫌悪感を抱いてしまうことが…。
でも、誰かを嫌いという強い念は自分に返ってきてしまうのかもしれません。「あの人嫌い」と思っている時の自分は確実に人相が悪くなっているので注意したいです。

よもやま スピ話

インタビューの間も、レーネンさんからバンバン飛び出るスピリチュアルな話題。その中でも印象的だったものをご紹介していきます。

◎子どもを産まない女性は肩身が狭い!?
子どものいない女性は「先祖に申し訳ない」という気持ちがあるというなめ子さん。対する、レーネンさんの回答は――

レーネン:あなたの先祖は、今この世界に生きているのですか?彼らのパーソナリティーは体の死と共に終わるのです。この世を去った人たちはスピリットワールドで魂の成長、進化を遂げています。先祖にとって今の世の中は過去の状態です。だから、彼らは「自分の子孫が途絶えてしまう」といったことを気にはしません。


今回も目からウロコの情報がたくさん飛び出しました。ストレスを引き寄せているのは、自分自身だったのかもしれません。誰かのことを「嫌いだな」と感じたら、まずは自分の心を振り返ってみることが大事なんですね。
人間関係の極意を一つ学んだところで、次回は、それでも状況が良くならない場合の対処法についてお伝えしていきます。

>>次回へ続く…

辛酸なめ子

漫画家・コラムニスト。東京都生まれ、埼玉県育ち。
武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。近著は『大人のコミュニケーション術』(光文社新書)『おしゃ修行』(双葉社)『魂活道場』(学研)など。
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ウィリアム・レーネン

アメリカ生まれ。1960年代よりワールドワイドに活躍するサイキックトランスミディアムの第一人者。これまでアメリカを中心に、マスメディアや教会、企業、大学 などでのワークショップ、個人セッションを展開。数十万人の人々に、幸福に生きる方法を伝授してきた。日本でも、よしもとばなな氏などの対談を収めた著書も多数。
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