気鋭の僧侶でありベストセラー作家でもある小池龍之介さんが、悩める女性の悩みにお答えするコーナー「恋愛成就寺」。恋に振り回される女心を諭す的確すぎる回答は、腹落ち感をもたらした後、ボディブローのようにじわじわ効いてきます。
(M・M 29歳 東京都 会社)
付き合って8ヶ月の彼氏がいます。平日はほとんどメールだけですが、週末は彼が忙しくない限り、うちに来ます。付き合いはじめはデートとかもしたのですが、最近ではもっぱら家でまったりしている感じで、会話とかもあまりなく、良くいうと落ち着いた感じ、悪く言うと倦怠期?みたいな感じです。
私はあと2ヶ月で30歳になるので結婚したいのですが、プロポーズしてくれそうな雰囲気はありません。
うちでごはんを食べているときに「なんか夫婦みたいだね」と言ってみたら、「そう?」とはぐらかされてしまいました。彼は結婚する気がないかもと思うと不安です。どうすれば彼にプロポーズしてもらえるでしょうか?
これはよくありますよね。いわゆる「結婚のプレッシャーのかけ方」。
そうですね。「わたし、もうすぐ30歳なのにィーッ」っていう・・・。
彼の気持ちは一切わからない…けど、30歳までに結婚したい。
これをすると男性側のほうが一気に気持ちが冷める場合があるので、危険なんですよね。 多くの人が自分をモノみたいに扱われたくないという感情を持っています。
「自分のことを好きでいてくれるんじゃなくて、結婚相手という都合の良い道具」がほしいんだな、というふうに思わせてしまうと、モノみたいに扱われている気がする。
「『結婚』がほしいんだったら、別に僕じゃなくてもいいじゃん。なんで僕じゃなきゃだめなの?」っていう話になると思うんですよね。多くの男性が。
「君がほしいのは『結婚』であって、『僕』じゃないでしょ」、という感情にさせてしまって、相手がすねちゃう可能性があるんですよね。
機械的に30歳までに結婚しなきゃいけないというのは、彼女の脳内ストーリーであって、そんなの彼にとってはあんまり関係ないことだったりするので、単にその物語に彼を無理矢理キャスティングしようとしているだけみたいな感じでしょう。
そんなにうまくいっていない関係ではないような感じがするんですが。
ええ。それに結婚する気は無い!とか明言しているわけではなさそうだし。
はぐらかしてしまったのも、たいして意味が無いような。
そうですね、これはね、「そうだよね、結婚しようか」みたいな話になる呼び水を出しているつもりなのかもしれないですけど、夫婦みたいだね、っていってそれがきっかけで、結婚しよう!って話にならないでしょう、普通(笑)。
彼もどう答えていいか困ったんじゃ…。
現代ですから、別にどっちからプロポーズしなきゃいけないとかいうのもないでしょう。
まあ、プロポーズされたほうが、女性として自信が持てるとか、そういうのはあるでしょうけど。それって単に、「愛されて自信にしたいの」というナルシシズムにすぎない。
そんなに結婚したかったら、自分からプロポーズしたらいいんじゃないですか「結婚したいの」って。
つづく
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