乙女座は「片思い」が上手?乙女座らしい恋の仕方は…【12星座の恋 まついなつき×文月悠光】vol.3

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まついなつき×文月悠光

史上最年少の18歳で中原中也賞を受賞した詩人の文月悠光さんは、以前から占いに興味があったそう。そんな文月さんが、このたび12星座にまつわる「恋の詩」を綴ることに!

執筆にあたり、占星術家・まついなつき先生から、「恋」に焦点を当てた「西洋占星術」のレクチャーを受けました。ここでは詩の連載を前に、その内容をレポートしていきます。

まついなつき×文月悠光

【第3回】天体の意識~火星・木星・土星

前回に続き、まつい先生が天体の意識についてお話ししてくださいます。今回登場するのは「火星」「木星」「土星」。火星も金星も乙女座の文月さんは、どんな恋をしやすい…?なんてお話も。

火星は心が動くと湧き上がるエネルギー

火星は「エネルギー」の天体です。先ほどの太陽もそうですが、太陽のエネルギーは自発的でありプライドを汚されると死にます。

太陽の関連星座である獅子座は、誰かが見てくれたり、ほめてくれたり、ということがなくなって本当に寂しいと、死に至るくらい自発的な、内部から湧き起こるエネルギーを発します。

一方、火星のエネルギーは何かきっかけがあったり「お、いいな」と心が動いたりしたものに対して、やる気を出していくのです。関連する星座は牡羊座、色はですね。

12星座の恋 まついなつき×文月悠光

◎火星、金星で占えるものは?
文月さんは火星も乙女座。女性のホロスコープの中で、火星は「好みの男性」を占うのに用います。「この人いいな」と思ったら、そこにエネルギーがパッと入っていくイメージです。

それに対して金星は「女らしい自分」を表す部分。文月さんは金星も火星も両方、乙女座なので、ネクタイを締めて丸の内でガツガツ働いていて、上司の覚えもめでたいような、きちっとした雰囲気の男性を好きになり、自分もその人の役に立ちたい、と願う傾向があります。

ちなみに昔の女性はみんな25歳までに結婚していたので、火星・金星は使い道がありませんでした。でも今はみなさん働いているため、火星・金星を仕事に使うことが多いですね。

文月さんの場合は火星・金星が同じで「理想の男性像はこんな感じ」「こういうのが女らしい」というのが完全に一致しているので、わりと理想が高くなります。ですから、うっかりしていると嫁き遅れるかもしれません。

心の中では完璧なパートナーをつくりあげていても、なかなかお眼鏡に適う男性とは出会えないんです。火星と金星がずれていたら、現実のずれにも対応しやすいのですが、文月さんの場合はくっついているため、なかなか対応しづらいんですね。

そして、理想の男性が見つからないなら、無理に出会いを作るより、仕事を頑張ったほうがいいかな、と考える可能性が高そうです。

◎乙女座は片思いが上手
乙女座は片思いの星座です。例えば『3月のライオン』を描いた漫画家の羽海野チカさんは乙女座の人。彼女の片思いの描き方は乙女座ならでは。天下一品です!

頭の中で、相手に対して自分がどういうふうに振る舞えば一番いいかと考え続け、がんじがらめになりがち…と言えば伝わるでしょうか?

片思いは妄想するのが楽しいけれど、両思いになると、現実と対峙しなければならないので、乙女座の計画性が崩されてしまいキツくなるみたいですね。

【Yumi’s Voice】
「私は『わたしたちの猫』という恋愛の詩集を出しているのですが、その本の推薦文に雨宮まみさんが寄せてくださった言葉が“恋はすべてどこまでも片思いだ”という一文でした。確かに詩集で描いた恋愛は、ほとんどが片想いなんです。そのことを思い出して、すごく腑に落ちました。
まつい先生のお話は、個人的にも心当たりがあることばかりです。嫁き遅れる予感、ひしひしとあります(笑)」

木星は「寛容」の天体

木星は「寛容する」という意識の天体ですが、若いお嬢さんにはあまり関係ありません。おばさんになってから「私の寛容度はここだな」とわかってくるイメージ。だいたい45歳を過ぎないと、自分の木星の感覚は自分ではわからないんです。

ただ「今年は蠍座に木星が来たから蠍座の人は運がいい」などと言う通り、木星は1年くらい同じサイン(星座)。ということは、同年代の人の同じ位置に木星があるので、学校の先生が「今年の1年生はこんな感じ」と言う、その「こんな感じ」が木星に表れるんです。

だから学生の頃は、みんな同じで気づかなかったけれど、社会に出ていろいろな年齢の人と付き合ったり、仕事をしたりするようになると「ここがこの人の寛容度の高いところだから、そこを攻めれば言うことを聞いてくれる」というのがわかってきます。

12星座の恋 まついなつき×文月悠光

◎射手座は全てを受け入れる
木星に関連するのは射手座。射手座は寛容の星座です。金星や火星がガチガチに「計画通りでやろう」としていても、射手座は結構、何でも許してしまうので、最終的には「いいよ」と言ってしまうところがあります。
なお、色は紺色や紫です。

◎木星獅子座は誘いを断れない!?
文月さんは、木星は獅子座です。誰かが「これ面白いよ」と提案すると「仕方ない、いいですよ」と受け入れるイメージ。すごく忙しく働いていても、面白そうな仕事や遊びの誘いが来たら、もうボロボロになりながらも行くしかない、みたいな感じ。これは弱点になるので、あまり言わないほうがいいですね。

土星は社会の要求に応える天体

土星は「社会に合わせて形を作る」天体です。世の中に合わせるためにムダなものを削る、抑え込む、などの意味があります。また、「社会が要求している形にすると、通用しやすい」ことを表します。

例えば400字の原稿を依頼されたのに、ノリにノッて2000字書いてしまった場合、400字に削りますよね?そうしなければ世に出せないですから。

また、就職活動のときはリクルートスーツを着たり、髪を整えたりして、社会に合わせるでしょう?そのように抑圧されて重いのが土星の特徴。関連する星座は山羊座で、色は黒や茶色です。

◎水瓶座の理想は国境を越えた自由
文月さんの土星は水瓶座ですね。水瓶は自由の星座。「自由・博愛・平等」、要するに土星が管轄している山羊座のルールや、社会はこうなっているという、ガチガチの型にハマったところから解き放たれるのが水瓶座です。だからこの土星は、ちょっと矛盾した場所にいます。

まだ若いので、自由にするのが苦手、という部分が出るのではないかと思います。その自由とは、文化に合わせたバラバラなものではなく「国境や文化に関係なく自由であればいい」という考え方。

例えばマクドナルドやコカコーラは、世界中どこにでもありますよね。そんなふうに、国境を越えて自由だと言える世界が水瓶座の理想なんです。その水瓶座に土星があるので、今お話ししたようなイメージを形にしなきゃっていう想いがある感じです。

≪今回登場した天体≫

今回登場した天体

≪文月さんの星座≫

火星…乙女座
木星…獅子座
土星…水瓶座

8月23日「乙女座生まれのための恋愛詩」公開!

星座が切り替わる時期に、文月さんの詩の連載がスタートします。その第1弾は、誕生月を迎える「乙女座生まれ」に捧げる恋愛詩!

太陽星座が乙女座ではないあなたも、ホロスコープの中に乙女座があるかもしれません。例えば水星が乙女座ならば、「コミュニケーション」の面でこの乙女座の詩とリンクしています。ぜひご自身の中の乙女座の部分を見つめながら読んでみましょう。

あなたのホロスコープで、ご自身の月・水星・金星などの星座をチェックしてみて!

【次回へ続く…】

監修者紹介
まついなつき
1998年より占星術、古代哲学、スーフィズムなどの研究者、松村潔氏に師事。 2000年より松村氏の西洋占星術のプロ用研鑽研究会である「虎の穴」に参加、東放学園オンデマンド「西洋占星術講座」のテキストに執筆メンバーとして加わる。 直後に初級テキスト『しあわせ占星術』(情報センター出版局)上梓。

プロフィール
文月悠光(ふづき・ゆみ)
詩人。1991年北海道生まれ。16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年の時に発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞。詩集に『屋根よりも深々と』(思潮社)、『わたしたちの猫』(ナナロク社)。近年は、エッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)、『臆病な詩人、街へ出る。』(立東舎)が若い世代を中心に話題に。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩作の講座を開くなど広く活動中。
★オフィシャルサイト「Fuzuki Yumi Website」
★Twitter「文月悠光@luna_yumi」

 

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