「感情を思うように言葉で表現できない」【石井ゆかりの星の相談室】vol.72

ひろさんへ
一般的な「12星座占い」では、ひろさんは天秤座にあたる方です。
「思ったことを声に出せない・言葉で表現できない」
という悩みを抱えていらっしゃいますが、
決して消極的だったり、依存的だったりするわけではなく
むしろ、責任感に富む、自律的な方であることが示されています。
おそらく、積極的で責任感があり、自立心に富む方だからこそ、
逆に「言葉を発するときに立ち止まってしまう」ということに
強いストレスを感じられるのかもしれません。
アイデンティティとしては「動ける自分」であるはずなのに、
心の中にあるものを出そうとすると「動けなくなる」というそのギャップに、
苦悩されているのだろうな、と思いました。

ひろさんのホロスコープでは、
火星が天秤座、月が牡牛座にあります。
火星は意欲と戦い、怒りの星ですが、
この星は天秤座では「あまり持ち味が出ない」とされています。
月の位置する牡牛座は、金星の支配する星座です。
つまり、月は「金星の支配下にある」と言えます。

火星は戦いの星で、金星は平和と愛の星です。
火星が「持ち味が出ない」状態に置かれ、
月は平和を求めています。
つまり、ひろさんは、
怒りや自己主張、権利の主張などがストレートに出にくく、
心では基本的に、愛と平和を重んじているのです。
ひろさんが「感情を出しにくい」と言われるシチュエーションは、
おそらく、喜びや感謝の「感情」ではなく、
怒りや違和感、悲しみなどの「感情」が胸に湧いた場合なのではないでしょうか。
一般に、
目の前にいる相手が「受け入れにくいだろう感情」を出せば
当然、ケンカや仲違いに結びつく可能性があります。
ひろさんは、そのことが非常にストレスなのだと思います。
相手とは違う意見を出す、ということを
反射的に避けてしまうため、
心の中に自分の思いを抱え続けてしまうことになる、
ということなのかな、と思いました。

では、どうすべきか
ということは、なかなか難しいことですが、
基本的に
「ケンカしてもいいんだよ」
ということは言えると思います。
私たちは誰ともぶつからずに生きていくことはできません。
ひろさんがこのような「悩み」を私にぶつけてこられたのは、
そろそろ、ケンカや諍い、行き違いなどを
「避けられなくなった」ということなのではないかと思うのです。

ひろさんはどちらかと言えば、
争いを完全に避けてきたわけではなく、
行き違いが生まれることも覚悟で、
感情表現を試みてこられたところがあります。
戦いの星座・牡羊座にふさわしい、率直な態度だなと思います。
でも、孤独感を感じ、戦いの末に行き違ってしまうことがつらいと思われている、
という現状です。
ひろさんの水星は魚座にあり、蠍座に木星が位置しています。
ひろさんの「言葉」は、型にはまらず、非常に自由なところがあって、
詩的・文学的な面もあるため、
表面的な会話のやりとりの中ではたしかに、
誤解されやすいところがあるかもしれません。
感情が非常に豊かでいらっしゃいますが、
人並み以上の感情の量に、ご自身で気づいていないところもあるのかな、と思いました。
ひろさんは正義感が強く、物事を客観的に見る才能があり、
批判精神に富んでいます。
ですがその一方で、人の弱さや悲しみに対する共感力も
人一倍強いものをお持ちです。
今、ひろさんはその部分、つまり人の弱さに共感しようとする部分を
大きく育てようとしていらっしゃる最中なのかもしれません。
正しさや強さよりも、「人の弱さ」に目を向ける時、
コミュニケーションのあり方が大きく変わる方だろうなと思いました。

以上、ご参考になれば幸いです。

石井ゆかり