史上最年少の18歳で中原中也賞を受賞した詩人の文月悠光さんは、以前から占いに興味があったそう。そんな文月さんが、このたび12星座にまつわる「恋の詩」を綴ることに!
執筆にあたり、占星術家・まついなつき先生から、「恋」に焦点を当てた「西洋占星術」のレクチャーを受けました。ここでは詩の連載を前に、その内容をレポートしていきます。
サイトの記念イベントでの講演、「12星座別 恋の詩」の対談など、様々な企画でご一緒させていただき、本当にありがとうございました。
心からご冥福をお祈りいたします。
ココロニプロロ編集部
【第1回】12星座のグルーピング
「私は〇〇座」と言うとき、一般的に私たちが思い浮かべるのは「太陽星座」。自分が生まれたときに太陽がどの星座の方向に見えていたかを示す星座ですね。実はこれ以外にも「月星座」「金星星座」など、様々な星座が存在します。
まずはそのあたりの説明から。西洋占星術を語るうえで欠かせない「4元素」や「3区分」についても伺います。
「太陽星座」が表すものとは?
ホロスコープを読む際は、太陽以外にもたくさんの星を見ます。基本的には10個の天体を見ますが、「太陽星座」はそのうちの1つ。そして「西洋占星術」は、その10個の組み合わせを見て読んでいくものです。
ただ、生まれた時間や場所がわからないと見られないため、雑誌の占いページなどでは、誕生日だけわかればチェックできる「太陽星座」がお手軽、ということでよく使われます。
10個の天体にはいろいろな役割があります。太陽は「自分の意識」などを統合する役割を担っていて、恋愛においては「プライド」を表します。
一般的に恋愛は「火星」「金星」の2つで見ますが、雑誌などでは仕事もお金も恋愛も太陽星座で見るため、「恋愛におけるプライドは何か?」ということを言葉にしていく場合が多いですね。
西洋占星術には「4元素」「3区分」という2つのグループがあります。それらに関してお話ししていきましょう。
4元素…火・風・水・土
「4元素」は、最終的に何を手に入れたいのか?という目的別に分類されているもの。「火の星座」「風の星座」「水の星座」「土の星座」の4つに分かれています。
≪4元素≫
火…牡羊座、獅子座、射手座
風…天秤座、水瓶座、双子座
水…蟹座、蠍座、魚座
土…山羊座、牡牛座、乙女座
◎火の星座(牡羊、獅子、射手)
「生きていて喜びがあった、楽しかった」ということを目的にしたいタイプ。「面白かった」「ワクワクした」と思えれば、最終的には何でもいいのが火の星座です。
◎風の星座(双子、天秤、水瓶)
「知らなかったことを知りたい」「あの人が何を考えているかを知りたい」という気持ちが強く、わからないことを知って「知的好奇心を満足させたい」のが風の星座。
◎水の星座(蟹、蠍、魚)
「私の考えとあなたの考えは同じだね」と感じられたときの気持ちよさを望んでいて、最終的に「共感を手に入れたい」のが水の星座。
◎土の星座(牡牛、乙女、山羊)
結婚したい、カラダの関係を持ちたいなど、具体的で目に見えるもの、形になっているもの、触れられるものを求めるタイプ。要は「リアルなものを手に入れたい」のが土の星座。
3区分…活動宮・固定宮・柔軟宮
「4元素」の目的をどのようにして手に入れるか?という方法別に12星座を3つに分ける考え方があり、こちらは「3区分」と言います。
≪3区分≫
活動宮…牡羊座、山羊座、天秤座、蟹座
固定宮…獅子座、牡牛座、水瓶座、蠍座
柔軟宮…射手座、乙女座、双子座、魚座
◎活動宮(牡羊、蟹、天秤、山羊)
「活動宮」の人たちは後先考えず、早く結果が出ることを求めて動きます。
例えば、文月さんや私(まつい先生)の「蟹座」は共感を求めて早く動くので、誰かに会ったら、とりあえず「今日、髪型すてきだね」とほめたり「昨日食べた〇〇がおいしかったの。今度一緒に行かない?」と言ったりして、相手が、自分が出したお題に対して共感してくれるかどうかを見るんですね。
恋愛に関しても、とにかく早く結論を知りたいから、告白した後、相手の回答を待てません。もう少しリサーチしたり、周りの人に意見を聞いたりしてゆっくり動けば手に入るかもしれないのに、焦って「早く結論を出して」と言うため、当たって砕けるケースが多いんです。
結局、手に入れたいのは共感なので、蟹座の場合、自分のその気持ちに共感してくれないことにはエネルギーのムダなんですね。だから早く結論を出してもらい、ダメだったら次に行こうとします。
牡羊座は「楽しさ」、天秤座は「知りたい」、山羊座は「具体的なこと」を求めます。
山羊座の人はお付き合いするとき、「結婚できるかできないか」を先に知りたがりますね。「彼は私と結婚してくれる?」「収入はどれくらい?」「どんな家に住んでるの?」ということをすぐに知りたいんです。
活動宮はそんな、せっかちなタイプだと覚えておいてください。
◎固定宮(牡牛、獅子、蠍、水瓶)
「固定宮」は自分はなるべく動かず、じっとしていると相手や環境が根負けするタイプ。特徴として言えるのは、最初から自分の中に答えを持っているということ。相手がその答えに合わせるまで、時間をかけて待つんです。鳴かぬなら鳴くまで待とうの「固定宮」ですね。
ホロスコープで相性を見る際は、時間の感覚が大切です。星座の本には、牡羊座と獅子座は「火の星座」同士だから相性がいいと書いてあったりしますが、牡羊座は早く結論を知りたいのに、獅子座はなかなか結論を出さないから上手くいかない、なんてこともあるんです。
でも、牡羊座と獅子座は「活動宮」と「固定宮」だけれど、「火の星座」同士で目的は一緒なので、この目的に向かう中で獅子座が「まあ待てよ」と牡羊座を焦らして楽しむ、みたいなこともあります。
獅子座の中には「恋愛とはこうだ」っていうドラマがしっかりとあって、相手がそれに従うまでヤキモチを妬かせたり、すぐに返信しないで様子を見たり。獅子座としては自分はなるべく動かないで、面白さを維持できるドラマを作ればいいわけです。そうすると牡羊が「早く早く」と焦り、どんどん夢中になっていきます。
◎柔軟宮(双子、乙女、射手、魚)
「柔軟宮」は相手や状況に合わせてその都度、方法を考えます。この人たちは自分の中に「こうしたい、ああしたい」という自発的なものはありません。相手がそう出るなら自分はこうしようとか、相手がこんな状況なら、自分はこっちにずれていたほうが楽だろうな、という感じで漂流しています。
せっかちな「活動宮」と動かざること山のごとしの「固定宮」の間でクッション役をする人たちでもあるため、仕事においては調整役になってくれて、わりと上手く進みます。
けれど恋愛では、自分のことなのに調整しようとするから、相手を苛立たせます。「君に合わせるよ」と言いがちなので「何を考えているのかわからない」「あなたはどうしたいの?」と怒られたりしますね。
8月23日「乙女座生まれのための恋愛詩」公開!
星座が切り替わる時期に、文月さんの詩の連載がスタートします。その第1弾は、誕生月を迎える「乙女座生まれ」に捧げる恋愛詩!
太陽星座が乙女座ではないあなたも、ホロスコープの中に乙女座があるかもしれません。例えば水星が乙女座ならば、「コミュニケーション」の面でこの乙女座の詩とリンクしています。ぜひご自身の中の乙女座の部分を見つめながら読んでみましょう。
あなたのホロスコープで、ご自身の月・水星・金星などの星座をチェックしてみて!
【次回へ続く…】