OL兼漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」
このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!
第12回 アクマの辞典 ザ行
【ザ】
▶「雑魚モテ」(ざこもて)
…雑魚すら寄ってこない漁場も多数ある
今回のテーマはザ行から「雑魚モテ」である。
この言葉、私は知らなかったのだが、おそらく知らないまま死んだほうがマシな言葉な気がしてならない。だが仕事上そうもいかないので調べたところ「どうでもいい男にばかりモテる女」という意味だそうだ。
つまり、低スペック男=雑魚である。
人様がキンタマを痛めて生んだご子息を雑魚とは思い切ったことを言うな、と思うが、こちらが男を雑魚扱いしている時、男もこちらを雑魚と見ているという深淵の法則があるのでお互いさまかもしれない。
だが、実際「雑魚モテ」というか、合コンにいたら爆弾処理班がフル装備で出動しだすような男にばかりモテる女というのは存在する。
そういう女はまず自動魚選別機能が故障している場合が多い。
その機能が発達している女なら、瞬時に相手が雑魚なのかサバなのか本マグロなのか、選別しそれに見合った態度をとる。
当然、塩対応どころか「雑魚対応」された男はよほど鈍くない限りそれ以上その女に近づかないだろう。
普通の女でも「こいつ絶対アニサキス持っている」という男には距離を置いた態度をとるだろう。
それがぶっ壊れている女というのは、男を見ても全部「お魚さんだ」としか思えないか、雑魚と本マグロの見分けはついても、対応を変えることができず、全部刺身についてるしょうゆで食ってしまうのだ。
つまり悪い意味で「わけへだてない」
前にも書いたが、モテない人間というのは、異性からの好意どころか「普通に接してもらう」ことにすら慣れてないため、過剰に警戒するか、すぐ好きになってしまうかの二択になってしまいがちなのだ。
選別機能がない女は、そういう男にも普通に接してしまうため、出会って4秒で好きになられて、あっという間に雑魚サーの姫になってしまう。
そして本人自身も自分に自信がないタイプだと「こんな私を好きって言ってくれるんだし」とそのまま雑魚とつきあってしまうそうだ。結果、雑魚しか回ってこない回転ずしの皿を重ねることになってしまう。
こう見ると「自分に自信がない」というのは、百害しかない。満々過ぎるのも良くないが、なさすぎると、ちょっと優しくされただけで「す…好き!」となってしまったり、緑色に変色したマグロを「せっかくだし…」と食ってしまったりする。
「生きてるだけで丸儲け」と同じぐらい「息しているだけで偉い」という思想が我々には必要なのかもしれない。
【ザ】
▶ 「雑魚モテ」(ざこもて)
…雑魚すら寄ってこない漁場も多数ある
【ジ】
▶ 「地雷」(じらい)
…いきなり「それ私の地雷なんですけど」と怒り出す女は大体の人間にとって地雷
【ズ】
▶ 「ズボラ女子」(ずぼらじょし)
…つまり衛生観念が低い女なので、手料理などには注意
【ぜ】
▶ 「絶食男子」(ぜっしょくだんし)
…セックスしなきゃ死ぬ男のほうが生物として弱いと思う
【ゾ】
▶ 「ぞっこん」(ぞっこん)
…「こいつ俺にぞっこんなんで」と言った瞬間ぞっこんじゃなくなる