大人気ライター・石井ゆかりさんによる、女性の心に寄り添う個人占い。恋愛や人生の悩みにお答えします。
コアラさん(34歳女性)
自分がない空っぽな感覚がずっとあり、自分はこれだ!というもの(価値)を求めて生きてきました。今まで沢山のことに挑戦(習い事など)してきましたが何一つ究める事が出来ず、それどころか人から認められようとする事でボロボロに疲れてしまう繰り返しでした。まずは、ありのままの自分を自分が認めようと向き合いあってみましたが、空っぽな感覚が大きくなるばかりでした。この空虚感、不足感と、どのように付き合っていけば良いのでしょうか?アドバイスを頂きたいです。お願いします。
コアラさんへ
コアラさんのホロスコープを見ると、水星と木星が獅子座に位置し、さらにこの水星が火星とぴったりした角度を作っていて火星は「他者」の場所にあります。おそらく、コアラさんは「自己表現」の才能に恵まれ、自分をなにか高い技術や知識、あるいは魅力によって「表現したい」というお気持ちがとても強い方だろうと思います。ですが、その「表現」の結果として、「他者と比較して勝利する」ことを目的としてしまってきたがために、人と比較したり、人から見てどう見えるかという事を気にしたりして「これでは勝てない、じゃあ、次、次」というふうに目標をどんどん変えてきてしまったのかなあ、と思われます。
コアラさんがおそらく、一番やりがいや充実を感じることは人のために、何か大きな責任を背負う、ということだと思います。天頂という、社会的な目標を象徴するポイントが乙女座に位置しておりここに、月と土星が重なっています。これは、「誰かを助けたり、変えたり、育てたりし、そこに責任を持ちたい」という事だと思います。それも、なにか一時的な流行や新規なことではなく社会的にしっかり根付いた、誰かが必要としているようなことだと思います。人に教えたり、人を助けたり、人の面倒を見たりするということはイコール、人に対する自己表現ということになります。ですから、自分を他者に向かって表現する、与える、ということは結びついているわけです。
海外に関すること、外国語を教えることなどは向いているかもしれません。でも、「習って完璧に出来るようになれば、自然にレールに乗れるように自己実現できるだろう」というような感覚だと、あまりうまくいかないかもしれません。多くのことは「できるようになってからやる」のではなく「出来ない状態で飛び込んで、実地で覚える」かたちで、身につけられます。たとえば、料理を覚えたいと思ったら、料理教室に行くのではなく、レストランでアルバイトをしてみる方が最終的には「早い」わけです。これは単純化した「例」ですが、コアラさんは「生徒」からはじめるより「スタッフ」からはじめるほうがなんとなく、向いているのではないかと思います。そこには、コアラさんがもっとも必要とし、目標としている「責任」があるからです。「責任」とは、英語では「レスポンシビリティ」で、つまり、他者に対して反応していくということです。自分がどう見られるか、ではなく自分が他者に対してどう働きかけるか、というところに軸足が置かれるほうが、コアラさんは「やりやすい」のではないかと思うのです。
「自分はなんだろう」「自分はどうしたら認められるだろう」とばかり考えてしまうと、他者はコアラさんにとって、競わなければならない「敵」でしかありません。でも、「誰かのために」「そのひとのために」と考えれば、他者が、情熱を注ぐべき対象となり、目標となり、大切な存在となります。どんな形でそれが可能か解らないのですが、ボランティアのような形でも、なにかしら「自分を誰かのために使ってみる」事をためされてはいかがかと思います。「自分を生かす」ことについて考える事をやめて、「他者を生かす」ことに、視野を転換してみると、いつのまにか、自然に、「自分が輝いていることに気づく」ことになるのではないかとおもいます。
石井ゆかり
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