気鋭の僧侶でありベストセラー作家でもある小池龍之介さんが、悩める女性の悩みにお答えするコーナー「恋愛成就寺」。恋に振り回される女心を諭す的確すぎる回答は、腹落ち感をもたらした後、ボディブローのようにじわじわ効いてきます。
(M・Y 25歳 群馬県 販売員) )
ずっと好きだった先輩と飲み会の帰りに体の関係を持ちました。それまで二人きりになったこともなかったのですが、それ以降は何回か誘われるようになり、付き合ってるような感じだったのですが、このあいだエッチした後に「俺と付き合いたいの?」と聞くので「うん」と言ったら「それは無理」と言われてしまいました。
悲しかったのですが、やっぱり先輩のことが好きなので、その後も誘ってもらうとうれしくて、いつもどおり会ってしまいます。
本命の彼女がいるのか、私のことがそれほど好きじゃないのか、気になりますが聞けません。ちゃんと聞いたほうがいいのでしょうか?どうすれば本命になれるのでしょうか?
男女を問わず、自分のことを好いてくれる相手をキープしておきたいという人っていますよね。
付き合っている相手から愛されているだけだと「足りない」と感じるから、ほかのいろんな人から好かれていることを通じて、プライドや自信を保とうとする。
自信をつけるために「自分が掌握して弄べるような人をキープして愛情を注がせる」という状態を保ちたいわけです。
ある意味、道具のような。
そうです。道具ですから、彼女じゃなくても別にいいわけです。本命がいて、道具としてこの人がいて、それ以外の人もいるかもしれない。
キープしておきたいという気持ちで、やや親密な友達づきあいを続けているというのは身に覚えがある人が多いのではないですか(笑)
単にキープするためだけでしたら、別にカラダの関係を持たなくても「相手が自分を好いてくれているな」とか「しょっちゅう会おうっていってくれるな」とか感じられるわけで、自分に自信を持ちたい人に実際よくある事象なんですが、この男性の場合、さらにカラダの関係も持っている。
これはある意味、搾取みたいなところまであって、キープするってだけでもあんまりいいことじゃないのに、さらにひどく扱われています。
「自信を持つために」ということは、裏返せば「自信がない」ということ?
そうでしょうね。だから「道具としての彼女」に依存しているんでしょう。
依存してるんだったら、こっちが強いような。
今はいろんな道具があって、どの道具でもいいという感じくらいに彼女を適当に使っているんですけども「この道具じゃなきゃだめだ」っていうくらいまで依存させるような感じに出来れば、そうも言えますけれど、ね。
そこまできたときに身を引いてみたり、こちらから連絡とらないようにしてみたり、会えないっていってみたりしたら、だんだん話が変わってくると思います。
いつもあると思っていたものがなくなった感じ?
ええ、強く執着がわく。でも結局それは単に「どうでもいい道具」だったのが、「すごく大事な道具」に格上げしてもらえるだけのことで。道具としての出世を目指すだけになってしまいます。
そんなかたちで本命になったら幸せになるかっていうと、この男性の精神構造がそうである以上、なかなか幸せにはなれないでしょうね。
つづく
自分も相手のことをモノとして扱っている、っていう人も多い。
彼がストレスを感じたり、うっとうしいと感じたりすることは避けたほうがいい。
こちらもおすすめ