はじめまして。イラストレーター&漫画家のアオノミサコです。今回から毎月読者の皆様に代わって、都内各地のおまつりや神事をレポートしていくことになりました。どうぞよろしくお願いします。
ところで新年早々、財布を落としました……。
一瞬「身代わりになって厄を落としてくれたのかも」とポジティブ方向に考えてみましたが、2万円弱の喪失は痛い……それにツモリチサトの財布、気に入ってたのに。
そんなとき、「前年のよくないことをウソに変える」という、神社の行事があることを知りました。木彫りのウソを毎年買い替えることで、その年の吉兆を呼びこむのだとか。微妙にご都合主義な感じもしつつ、このさい福々しいことならのっかってみようじゃないの、と亀戸天神社の「うそ替え神事」に行ってきました。
錦糸町駅を降りて少し歩くと、どーんと目に飛びこんでくる東京スカイツリー。
そう、ここは江戸の下町。川を越えて鳥居をくぐると、そこには初詣並みのすごい人が。
「去年をなかったことにしたい人が、こんなに……」と、呆然としかけましたが、私もその一人でした(しかも去年ですらないし)。
先を争うようにうそ替えの鳥を求める人々に混じり、30分ほど並んで木彫りのウソを購入。最小サイズは早々に売り切れていたため、下から3番目のものをチョイス。900円也。
そして心をこめて、お参り。厄が浄化されて吉事がやって来ますように。
木彫りのウソは一見素朴なようでいて、なかなかにモダンなデザイン。北欧風、ロシア風、和風、どのインテリアにもマッチしそうです。
底には「亀戸天満宮」の刻印が。境内の片隅には、去年のウソを納める場所も設けられていました。
菅原道真みくじというものを引いたら大吉(!)で、失物は「早く出る 物の間」とのこと。おお!財布は植え込みの間にでも、はさまっているのでしょうか。
「ゴメン、財布無くなってなかった」と周囲に報告する場面を想像しつつ、もう一度探してみようと思います。