気鋭の僧侶でありベストセラー作家でもある小池龍之介さんが、悩める女性の悩みにお答えするコーナー「恋愛成就寺」。恋に振り回される女心を諭す的確すぎる回答は、腹落ち感をもたらした後、ボディブローのようにじわじわ効いてきます。
(S・W 36歳 埼玉県 会社員) )
彼こそが運命の人という男性に出会ってしまいました。去年、入社してきた職場の同僚です。仕事ができて尊敬できるだけでなく、考え方がとても似ていて、一緒にいると本当に楽しくて、時間が経つのを忘れるくらい。
もしお互いに独身なら、絶対結婚していたと思うのですが、相手も既婚者です。夫のことは家族として好きですが、彼を思うような強い気持ちはありません。
彼も奥さんを女性としては見ていない関係らしく、お互いに惹かれ合っていると思うのですが、本当のところはわかりません。彼が結婚しようと言ってくれたら、夫と離婚して彼を選ぶと思うのですが、彼からはそういう発言はありません。夫と彼、どちらを選べばいいですか?
すごく妄想していますね(笑)
「彼も奥さんを女性としては見ていない関係らしく」という推測は彼の発言を元にしたものではあるかもしれないですけど、それは確証がないですしね。
すべて彼女の頭の中の妄想なんですかね・・・下手するとただの同僚だったり。
そこまでではないでしょう(笑)
「彼も奥さんを女性としては見ていない」というのは、気のある相手へのアプローチをするときに、既婚男性が使いがちなやり口なんじゃないですかね。
自分のものは壊したくないけれど、相手の女性をゲットする技として「あくまでも女の子としては君のことが好き。自分の家内は家族であって女ではないから勝負の対象にならないから、別れなくてもいいでしょ」っていう。むしろ現状を維持するために使われる言葉なんですね。
それを聞かされた側は勘違いしてしまって、「女として見てないってことは別れたいんじゃないかな、別れてこっちへ来てくれるんじゃないかな」って思ってしまう。
男性としてはそういう期待をさせつつ、別れないっていうことを言いたいときに使う言葉なんです。
「ここは触らないでね、大事だから」と言っているのとイコールだってことですよね。
そう、でもそういう言い方をしたら彼女を傷つけるので言わない。
傷つけずにおいしいところだけ相手からもらいたいときに、「夫婦関係は冷え込んでる」とか、「家に帰ったら女性として家内を見ることはできないから自分も”男性”になれないけど、君といたら”女性”の前での”男性”になれるんだ」とか、相手を喜ばせるために言うんですね。
「体の関係を持ちたい異性はあなた(ですけど、一緒に家庭を持ちたい人として一番好きなのは奥さんですよ)」とかいうところはカッコに入れられてて暗号化してるんです。
その暗号を彼女は解けないで、自分にとって都合のいい妄想だけを勝手に脳内加工して脳内生活を送ってしまうという状態(笑)
既婚男性が不倫相手に言う「君といると一番落ち着く」とか「君になら本音がしゃべれる」とかも似たような。
そう、ある意味、「君」の特別感を演出してあげて自尊心をくすぐるということですね。
つまり、特別感を演出してあげなきゃいけない状況ってことですよね。
不倫でなくても、付き合い始めに関しては、相手の気を引くためにそういうことを演出することはあります。それは、相手のナルシシズムを刺激することなわけですよね。
そういうことを言われると、「ああ、私だけ!私ってすごい!自分って素敵!」って思えてしまうので、うっかり落ちてしまうんですけど。
そうやって、落ちてしまって、落とされてしまって、彼女はその結果、「結婚しようって言われたらどっちを選ぼう?!」っていう妄想に至ってしまっているのですが、安心してください、言われないですから(笑)
つづく
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