栗原類×濱口善幸のタロット見習い　第8回　“未来占い”で恋のお悩みを鑑定

類くんのタロット占い～Fさんの場合

（カードを混ぜながら）恋愛のお悩みということですが、どんなことを見たらいいですか？

彼氏が欲しいので、できるかどうか見ていただきたいです。

お付き合いしたいと思うのは、既に知っている方ですか？　それともこれから出会う方ですか？

知り合いの人です。

では、お知り合いの方と恋人関係になれるかどうかを見ればいいんですね？

はい。

わかりました。（カードをきり、スライドさせる）

それでは、6ヵ月先まで見ていきます。（カードを6枚選んで並べる）

お願いします。

（カードをじーっと見てから）…あの、すみません。言わせていただきますけれど、今の段階ではその人と結ばれるというのは、ほぼ無いに等しいと思われます。

全然ダメなんですか…（笑）!?

ええと…今月の所には「死（Death）」のカードの逆位置が出ています。「死（Death）」は逆位置だと、再生などすごく良いことを表しているので、今回の場合だったら恋愛ができるという意味になります。

でも、来月は「運命の輪（The Wheel of Fortune）」の逆位置で、運勢が下がることを表しているから…その人とは、たとえ今が良かったとしても、この先の未来は良いとは限らないというか、まあ無いに等しいです…。

3ヵ月目には「魔術師（The Magician）」の正位置が出ているので、相手の方の新しい一面を学びたい、などと思うのかもしれません。
ええと…その相手の男性は友人ですか？　それとも、そんなにしょっちゅう会ったりはしない人ですか？

そんなにしょっちゅうは会わないです。

どちらかというと仲は良いんですか？

そうですね。飲みに行ったりとかはします。

ということは…飲みに行ったり、お話をしたりすることで、その人の新しい一面を学びたいという気持ちを表していると思います。

4ヵ月目には「世界（The World）」の正位置が出ているので、どんどんチャンスが上がってきて、その人とあなたの関係が良くなる可能性があります。

5ヵ月目の「隠者（The Hermit）」の正位置も、絵の中のランタンが希望を表し、杖も真っすぐ進むべき道を表しているので、その時期にはその人とすごく良い関係に持っていけるかもしれません。

でも、6ヵ月目に「悪魔（The Devil）」の正位置が…。5ヵ月目まではいろいろなことがうまくいったとしても、その人が本当に自分のことを好きなのかと不安になってしまったり、お互いに不安な気持ちでいっぱいになってしまったりしそうです。

つまり…近い将来、その人とは良い関係になれる可能性は高いのですが、お付き合いできたとしても、不安になるような出来事が起こるかもしれません…。
なので、今すぐに恋人関係になりたいという気持ちはちょっと置いておいて、仲の良い友だちとして接して、連絡を取り合ったり、飲みに行ったりする回数を少しずつ増やしていくといい気がします。

そういう機会を増やしていって、チャンスがあったら積極的に話をするようにして、その人のことを学んでいって。そうすればきっと、その人と一緒にいるだけで幸せだと思う気持ちが徐々に強くなっていくので。その人とは、まだ恋愛はできないけれど、お互いに大切な存在にはなると思います。

う～ん。

ほぼバッチリなのですが、一つだけ。この「悪魔（The Devil）」のカードが出ると、なぜ不安になると思いますか？

不安になる理由…。何でしょう？

「悪魔（The Devil）」のカードは火遊びを表す場合があるんですよ（笑）。

火遊び？　ええと…それは、どういうことですか…？

ぶっちゃけたお話をすると、相手に遊ばれる確率が高いです。

おっと（笑）!?

そこに注意して付き合っていかないと、とんでもない結果が待っているかもしれません（笑）。

うわー！

そ、それは絶対にやってはいけないことですよね…？

そうですね（笑）。

こういうことを説明するのって、結構難しいんですよね。相談者のキャラクターやシチュエーションによって「慎重にお付き合いしたほうがいいですよ」という場合と、もっとズバッと「遊ばれちゃいますよ」という場合と、2種類の言い方があるので。そのあたり、上手に判断して伝えてあげてくださいね。

わかりました…。

「悪魔（The Devil）」のカードが出る人というのは、本当に、ちょっと悪魔的な考え方の持ち主ということが多いんですよ。今回の場合は、相談者のFさんが悪魔というよりは、2人の関係が悪魔的だと考えるといいかもしれません。

2人とも悪魔的なんですか…？

いえいえ、2人の関係が、です。言ってみたら悪魔って“魔”じゃないですか。つまり、「魔がさす」ってことなんです。たまたま飲みすぎちゃって…とかね。

うわ、気をつけなくちゃ！

ということで、「悪魔（The Devil）」にはそんな意味もあるということを、覚えておくといいですね。

はい…。

（Fさんの顔を見て）あの…大丈夫ですか？

あ、大丈夫です。でも、ものすごく当たっている気がします…。

当たってしまいました（笑）?

はい。たぶん…。

参考までに伺いたいのですが、その人とはいつ頃出会ったんですか？

2012年の5月ぐらいです。

連絡が来たり、来なかったりしますか？　それとも頻繁に連絡をくれますか？

最初のうちはくれたのですが、最近は私のほうからもしてなくて…。共通の友だちがいるので、たまにみんなで集まったりするぐらいですね。

なるほどね。その人、残念ですが、あんまり良い気がしないんですよ。

私にとって良くないということですか？

はい。本当に魔がさすというか、隙あらば、みたいな感じがするので。

そうなんだ…。考えてみると、確かにそういう感じはします…。

（少しおろおろして）なんかFさん、泣きそうに見えるのですが…。

大丈夫です、大丈夫です…（笑）！

このまま行くと、「世界（The World）」のカードが出た4ヵ月目ぐらいに、本当に良い感じだから、うまいこと行くんじゃないかと思えるのですが、その後「悪魔（The Devil）」が出るってことは、こちらがどんなに良い感じだと考えていても、相手にとってはそんなに良い感じではないってことなんでしょうね。

はい…、そう思います…。

現状、その人には結婚願望とかも無さそうですしね。できれば、あんまりお近づきにならにほうがいいかもしれません。

類くんが選んだカードを見て、そこまでわかっちゃうんですか？

カードというか、僕、今はカードが見せる像を見ているんです。今後、類くんにも見方をお教えしようと思っているのですが、この像というのにピントを合わせていくと、相手の“人となり”が見えてくるんですよ。“人となり”が見えるようになると、カードを飛び越えた占いができるようになります。

すごい！　カードが見せる像…!?
（慌ててFさんに）あ、でも、それもあくまで占いの結果なので、必ずしもその通りになるとは限らないと思います…！

ありがとうございます。でも、大丈夫ですよ。そんな感じの人かもなぁって気はしていたので…（笑）。

踏ん切りがついたみたいですね。

今、完全に踏ん切りがつきました！

占った類くんのほうは、まだちょっと落ち込んでいるみたいですが（笑）。

すみません…。（下を向いたまま、こっそり1枚カードをめくって見る）

何を見ているんですか？

ええと…。（カードを見せる） 「女帝（The Empress）」の正位置です。

今の状況でそのカードを選ぶのはすごく良いことです。踏ん切りがついたうえで、これから自分に合う人を見つけていく、という意味になるので。今度は本当に自分のことを大事にしてくれる人をね。

よし、前に進もうっと！

類くんの占いのお陰で、Fさん、ちゃんと自分にふさわしい人を探そうっていう気持ちになれたみたいですよ！

（少し元気になって）じゃあ、占いの結果を言い直します。
今、このカードをめくってみたのですが、これは、たとえ、現在気になっている人との関係がうまくいかなかったとしても、近い未来、あなたを大切にしてくれる人が現れる、という意味です。
「女帝（The Empress）」のカードは、女性の魅力などを表しているので、今のあなたを受け止めてくれる人に、必ず出会えると思います！

ありがとうございます！

どういたしまして。
（濱口さんに）なんか慌てて適当に言っちゃったのですが、大丈夫でしたか…？

バッチリですよ。心理学的には“フォーカシング”というのですが、心に語りかけて、心の扉をちょっと開くという作業がうまいことできていました。

よかったです。

Fさん、かなりグッと来てましたよね？

来てました！

ありがとうございます。

類くんは本当に、人には見えない何かを持っていると思いますよ。相談者に伝えるときの、伝わり方がすごいので。そこをもっと鍛えていくと、さらに説得力が出てきて、今よりもっと、相手の心にスッと入っていけるようになりますよ。
ただし、あんまり鍛えすぎると、ものすごくカリスマ性が強い占い師みたいになっちゃうかも（笑）。

あの…占いは、必ずしも結果通りになるわけではないと冷静に捉えることが大切なので…。
今、濱口さんが言ってくださったことについても、たとえ占いが上手になっても、カリスマ占い師さんみたいになるとは限らないということを、忘れないように心がけつつ、説得力のある占いができるように頑張りたいと思います。

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